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水害被害から再建の手引き、九州豪雨で注目 「被災者にも広めたい」

過去の水害での復興支援の経験から、生活再建のために必要な事柄をまとめた「水害にあったときに」
過去の水害での復興支援の経験から、生活再建のために必要な事柄をまとめた「水害にあったときに」 出典: 震災がつなぐ全国ネットワーク

目次

 記録的な大雨を観測した九州北部の豪雨災害。1週間以上が経ち、被災者の生活再建へ向けた動きが少しずつ始まっています。注目されているのが、全国の災害ボランティアでつくる団体が作成した「水害にあったときに」という手引きです。ネット上でも見られるチラシ版は、被災地の支援者たちがSNSで拡散。より詳細な冊子版は、被災地以外からも問い合わせが相次いでいます。過去の水害での復興支援の経験から、生活再建のために必要な事柄をまとめたこの手引き。担当者は「被災者たちはまだ読む余裕がないかもしれないが、役立つ情報をまとめたので、広めていきたい」と話しています。

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「震災がつなぐ全国ネットワーク」の情報はこちらから
「水害にあったときに」のチラシ版。ネット上でも見られる
「水害にあったときに」のチラシ版。ネット上でも見られる 出典:震災がつなぐ全国ネットワーク

水害被災地への支援経験をもとに作成

 手引きは、阪神大震災以降、数々の被災地で支援活動を行ってきた33団体のNPOや、ボランティア団体からなる「震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)」が日本財団の助成を受け、今年3月に作成しました。過去の水害被災地への支援経験をもとに「水害にあった人がしなくてはならないこと」を、イラストや写真を多く使って掲載しています。

住宅の駐車場に積もった土砂を集めるボランティアの人たち=7月14日午後、福岡県朝倉市山田、長沢幹城撮影
住宅の駐車場に積もった土砂を集めるボランティアの人たち=7月14日午後、福岡県朝倉市山田、長沢幹城撮影 出典: 朝日新聞

チラシ版は7項目「まずやるべき順番に構成」

 チラシ版は、水害被害にあった際に最低限必要な情報を7項目に分けて掲載。震つなの松山文紀事務局長は「『被害状況を証拠として残しておくことが支援をスムーズに受けられる第1歩になる』など、生活再建へ向けてまずやるべき重要度が高い順番に構成した」と話します。

チラシ版は被災後すぐに使える7項目を掲載
チラシ版は被災後すぐに使える7項目を掲載 出典:震災がつなぐ全国ネットワーク

1:被害状況を写真に撮る

出典:震災がつなぐ全国ネットワーク

2:施工会社・大家・保険会社に連絡

出典:震災がつなぐ全国ネットワーク

3:罹災証明書の発行を受ける

出典:震災がつなぐ全国ネットワーク

4:ぬれてしまった家具や家電をかたづける

出典:震災がつなぐ全国ネットワーク

5:床下の掃除・泥の除去・乾燥

出典:震災がつなぐ全国ネットワーク

6:掃除をするときの服装

出典:震災がつなぐ全国ネットワーク

7:復旧のまえに確認すること

出典:震災がつなぐ全国ネットワーク

冊子版ではチャートや写真を使い詳しく説明

 冊子版では、さらに詳細に書かれています。例えば、支援を受けるために必要な手続きでは、まずチャートで大きな流れを説明し、注意すべきポイントを箇条書きで掲載。実際にどれぐらいの金額を支給されるかも一覧表で載せています。

チャートなどを使い分かりやすく公的支援の手続きを説明する冊子版
チャートなどを使い分かりやすく公的支援の手続きを説明する冊子版 出典: 震災がつなぐ全国ネットワーク

 家屋のかたづけや掃除についても、「放置していた床や壁」「壁の裏の断熱材」など、実例を写真で示しながら注意点を紹介しています。

家屋のかたづけや掃除について、実例を写真で示しながら注意点を紹介する冊子版
家屋のかたづけや掃除について、実例を写真で示しながら注意点を紹介する冊子版 出典: 震災がつなぐ全国ネットワーク

冊子版、被災地以外からも問い合わせ

 冊子版については、助成を受けて作成した3500部がすでに品薄に。計1万部を7月中に増刷し、段階的に被災地に届ける計画です。SNSなどで拡散され、被災地以外からの問い合わせも多いものの、「被災地優先の対応をしているので、それ以外の地域の人には8月に入ってからの問い合わせをお願いしている」と松山さんは話します。

32ページにまとめられた「水害にあったときに」冊子版
32ページにまとめられた「水害にあったときに」冊子版 出典: 震災がつなぐ全国ネットワーク

「被災者に役立つように作った」

 8~12日、福岡・大分入りした松山さん。支援の合間に現地で会った被災者に冊子を配ったそうですが、読む人は少なかったそうです。「被災者の方はまだ余裕がないので、ある意味当然。それでも、役立ててもらえるように作ったので、避難所で休んでいるような時間に読んでもらえるよう、広めていきたい」。ボランティアが説明しながら配ったり、弁護士による無料法律相談の際に渡してもらったりして、被災者に周知していきたいということです。

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