コラム
この尻!このまげ!この体毛! パーツで楽しむ力士、これ誰だ?
稀勢の里人気もあって、満員札止めが続く大相撲夏場所。熱戦が繰り広げられる東京・国技館の土俵下で、普段のテレビ中継では見ることができない力士たちの手元、おなか、足、おしり…あらゆるパーツをカメラマンが写真にとらえました。新鮮なアングルで切り取られた力士たちの姿に、相撲大好きなスー女の私は、思わずうっとり。何時間でも眺めていられそう。厳選したカットをクイズ形式で紹介します。(朝日新聞文化くらし報道部記者・江戸川夏樹)
残念ながら11日目から休場した横綱稀勢の里。塩の巻き方がここまで美しかったとは! 手首のスナップがきいているのでしょうか。
塩と言えば、大相撲で使う塩は一日45キロ。一場所675キロだそう。ちなみに、まく量は個人の裁量。人気力士の宇良はちょっぴり、「いつまいた?」というぐらい。
一方で、十両の旭日松は、まず両手にいっぱいの塩をもち、おにぎりのように握り、片手に移動させてから、ためてためて一気に土俵へ。ドヤ顔も忘れません。
ゴールデンウィークにあった国技館バックヤードツアーでも、甲山(かぶとやま)親方(元幕内大碇=おおいかり=)が「一日で使う塩の9割は旭日松が使っています」と説明して、笑いを取っていました。
5月14日から始まった大相撲夏場所初日。横綱日馬富士は塩をまく前に、その塩で膝を撫でました。ファンとしては涙をこらえられない瞬間でした。
「15日間、この膝がもってくれ」。けがに悩まされ続ける小兵横綱の叫び声が聞こえた気がしました。膝、ひじ、手首、サポーターをまかないことはほとんどありません。
7日目(20日)の嘉風戦では、土俵に落ちそうになる嘉風を両手でぎゅっと、抱きかかえました。横綱は「抱きたかったから」と記者陣に話したそうですが、少しでもけがをさせないようにという優しさだったと、私は信じています。
ヒント
初日と11日目に金星を獲得したあの人です。
長野県出身。巡業でも、子どもたちに大人気な24歳。
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まげは、力士の象徴です。側頭部と後頭部がふくらみ、毛先が扇形に開いた「大銀杏(おおいちょう)」は、十両以上の関取しか結うことができません。
髪の伸びが出世に追いつかず、大銀杏を結えないという力士もいます。御嶽海も、新入幕の時は大銀杏を結えませんでした。
ところで、「結えなくなると引退しなければいけない」という噂がありますが、それは噓。ただ、髪の薄くなった力士が困っているのも事実です。
元大関の把瑠都は髪が極細で傷みやすく、付け毛を使って大銀杏を結っていました。また、38歳の十両・安美錦はバラエティー番組に出演した際、「最近、立ち合いを土俵の上から撮影することがあるが、あれは嫌いです」と話していました。
その安美錦関は、今年1月にブログにお嬢様が書いた似顔絵をアップ。引退を何度も何度も考えたけれど、髷がある絵をみてもう少し頑張ってみようと思ったことをつづっています。
「パパは頑張るよ」のブログは、スー女の中で泣けると話題になりました。
大関昇進が確実視される高安の特長と言えば、ぽっこりしたおなかとびっしりと背中に生えた毛。
5月3日の横綱審議委員会による公開稽古の際は、横綱日馬富士に勝負を挑まれ、横綱白鵬関が胸をかし、何度も何度も土俵に転び、毛にびっしりと砂が。
真っ黒になった姿に、幼稚園ぐらいの男の子が「くまさんみたい」とかわいく呼んでいました。
ヒント
石川県出身の26歳。
締込もピンクがかった鮮やかな色ですが、汗を拭くタオルもピンクです。
お姫様だっこしてもらえるイベントには、多くのファンが集まります
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4日目に横綱稀勢の里から金星を獲得した遠藤。途中、稀勢の里の右の張り手に右ひざからガクッと落ちかけましたが、このしまったおしりのおかげで?立て直しました。
遠藤はけがをしても絶対に顔をゆがめない。サポーターをしないがモットーの力士の一人です。国技館の遠藤にお姫様だっこしてもらえる顔出しパネルも大人気です。私は場所に行くたびに毎回、顔を出しています。
ヒント
2016年1月場所に初優勝。得意技はがぶり寄り。
4月にパパになったあの力士です。
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4日目、黒星先行の関脇琴奨菊は土俵下で何を考えていたのでしょうか。
土俵下のたまり席は、通称「砂かぶり」と呼ばれ、飲食は禁止です。土俵から力士が落ちてくることもあります。
このために、土俵下に控える呼び出しさんが腰掛ける椅子はさっと動かせるよう発泡スチロール製。写真撮影のカメラマンも力士をけがさせないようにカメラを上に向ける、などの対策をしているそうです。
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