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「農水ミクさん」その意図は? 農水省「様々なご意見…重々承知」
「ブーリ、ブーリ、ブリ!」。農水省が公開した「農水ミクさん」が話題になっています。「様々なご意見あるのは重々承知」という企画の意図は?担当者に話を聞きました。
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「ブーリ、ブーリ、ブリ!」。農水省が公開した「農水ミクさん」が話題になっています。「様々なご意見あるのは重々承知」という企画の意図は?担当者に話を聞きました。
農林水産省が、日本の食文化を海外発信しようと1本の動画をアップしました。カニを両手に出演するのはバーチャル歌手、初音ミクです。公開後、一部のファンからは「農水ミクさん」と呼ばれ微妙な反応もあるようですが、再生回数は配信5日で5万回を超えました。農水省の担当者やプロデューサーに異色コラボの狙いを聞きました。
3月1日、農水省が突如公開したプロモーション動画は約3分。初音ミクが来日した観光客を連れ、全国各地を案内する「グルメ弾丸ツアー」の設定です。ラップ調で繰り出される食材はホタテ、リンゴ、フグ刺し、すき焼きなど。まるで早口言葉のよう。は、はやすぎる。ぜんぜん追いつけません。
2013年5月に初音ミクオペラ「THE END」を手がけた映像作家のYKBXさんがクリエーティブディレクターを務めました。制作を委託された日本国際放送のプロデューサー石原寛介さんは、初音ミク起用の狙いをこう説明します。
「アジアを中心に人気があり、北米でも(レディー)ガガ様のコンサートで共演して話題になりました。次に狙うのは欧州市場。日本食をヨーロッパに広めたいという農水省の思いとも一致しました」
つい先月にも初音ミクは、歌舞伎役者・中村獅童さんとのCG共演で「クールジャパン」のグランプリに輝いたばかりです。
ところが動画公開後、農水省という「お役所」発のイメージのせいか、ツイッターの反応は微妙なものもあるようです。
「ミクさんコレジャナイ」
「農水ミクさん観る。…微妙」
「んんん???なにしてるの農水」
「この農水ミクさん目がこわいー」
「カニアピールがすごい」
「見すぎてると夢に出てくるで」
こうした声について、農水省の担当者は「様々なご意見があるのは重々承知しております。まずは全て通しで見ていただき、歌って楽しんでほしい」と話します。国内のカラオケ2社と提携し、今月14日から楽曲配信予定です。
今回の企画は昨年8月に立ち上がりました。官民で一致したのは、多種多様な日本食の魅力を伝えたいという思いでした。「オイシイ」という日本語を「スシ」のように世界共通語にしよう、と方向性が固まりました。
特設ページの歌詞全文には日本語や英訳に並んで、日本語のローマ字読みも掲載しています。「初音ミク自体、日本のクリエーターの手で生まれたので、あえて日本語でいこうということになりました」と石原さん。実際、海外のミクコンサートの多くが日本語で行われているといいます。
ただ、魚のブリは英語で「yellowtail」。これが「ブリ」という日本語発音だと「bully(いじめっ子、ガキ大将)」の意味にとられる恐れもあるとか。「欧米の方にはいじめっ子、いじめっ子…と聞こえてしまうかもしれませんが(笑)語感や言葉の響きも含め、楽しんでもらえたら」と話します。
歌詞に選ばれた食材はさすが農水省らしく、統計に裏打ちされています。「プリプリ ブリブリ」とリズミカルに繰り返されるブリは、あまり知られていませんが、国の輸出重点品目です。2016年には年間134億円と、135億円の牛肉と同じくらい海外輸出されています。
一方、「活き活きカニカニ おみ足Cut Knee」と歌われるカニは、訪日客に食べに来てもらうインバウンド消費を意識したんだそうです。
サビの「O・I・SHII」にあわせた振り付けにも、隠れた意味があると教えてもらいました。右手を輪にした「O」は目で見て味わう、両手を合わせた「I」はいただきます、頬をなぞる「SHII」は食べ終わってニッコリ笑顔を表現しているポーズとのこと。
ちなみに今後の展開について、職員によるダンス動画公開などのご予定は?と伺ったところ、農水省の担当者は「いや~、私たちが踊っても……。たぶん誰にも喜ばれないので、今のところ予定はありません」と控えめな回答をいただきました。
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