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マスク姿で婚活、マッチング率9割の秘密 強制的に「内面重視?」

記者が体験しました。

マスクを着けたまま、2人1組になって話す参加者=東京都千代田区
マスクを着けたまま、2人1組になって話す参加者=東京都千代田区 出典: 朝日新聞

目次

 インフルエンザの予防や花粉症対策のため、この時期増える「マスク姿」。マスクをつけると、守られているような安心感がありますよね。そんな効果を利用して、マスクを着けたままお見合いをする婚活イベントがあります。外見にとらわれず、リラックスして話せるとか。東京都内で開かれたイベントを訪ねてみました。

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主催するDEFアニバーサリーのホームページ
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終了までマスク着用がルール

 その名も「マスクdeお見合い」。1月上旬、東京都内のビルにマスクを着けた男女計約40人が集まりました。

 イベントが終わるまで、マスクは着けたままがルール。主催するDEFアニバーサリー(東京)の松村佳依社長(26)は「外見の判断材料が少なくなることで、内面重視のスタンスになれる。人は顔の一部分を隠すことで逆にオープンマインドになり、話しやすくなる効果もあります」と話します。

イベントの司会を務めるDEFアニバーサリーの松村佳依社長(中央)=東京都千代田区
イベントの司会を務めるDEFアニバーサリーの松村佳依社長(中央)=東京都千代田区 出典: 朝日新聞

まずはプロフィールシートに記入

 集まった人たちは、正直「マスクをつけなくてもいいのに……」と感じるほど、おしゃれでさわやかな外見の人が多い印象。特に女性は、メイクもおしゃれもしっかりしている人が多いなと感じました。

 最初は男女別の部屋に案内され、まずはプロフィルシートに記入。本名や年収などの記入欄はなく、ニックネームのみ。書き込むのは、出身や趣味のほか、起床や就寝の時間といった生活リズムなど。

 この日は20~30代限定で、参加費は男性4500円、女性4千円。普段は男性は30代前半、女性は20代後半が多いそうです。

イベントで使われるプロフィルシート。男女とも記入し、相手のシートも見ながら会話する=東京都千代田区
イベントで使われるプロフィルシート。男女とも記入し、相手のシートも見ながら会話する=東京都千代田区 出典: 朝日新聞

いざ対面 20人と1対1で会話

 ルールの説明を受け、いざ対面。男女各約20人が2列を作り、1対1で話しはじめます。もちろん、マスクは着けたまま。

 最初に書いたプロフィルシートを交換して、会話のきっかけにします。「野球がお好きなんですね」「大学のころやってました」「私も次の夏は甲子園を見に行きたいと思っているんです」――などなど。

1人当たり2分半話し、30秒で印象をメモにとります。計3分で男性が移動して、次の人と交代。かなり忙しそうです。

 会話は徐々に盛り上がり、会場はうるさいほどに。「マスクをつけているだけに、地味で内気な人が多いのかな」という事前の予想は裏切られました。

2人1組になって話す参加者たち=東京都千代田区
2人1組になって話す参加者たち=東京都千代田区 出典: 朝日新聞

話題に困らない工夫も

 司会者は「参加者がたくさんいるので、だんだん誰と何を話したのかわからなくなります。しっかりメモをとってください」。確かに、20人もの人と一度に話し、かつ印象を覚えるのはなかなか大変そう。

 しかもマスクで顔の半分はわかりません。参加者たちは手元のメモに「優しそう」「スポーツ好き」などと書き込んでいました。

 全員と話し終わると、今度は数人でグループトーク。司会者は「1対1で話すときと違って、数人で話す時はまた別の人柄が見えます」。

 盛り上がるグループもあれば、少々ぎこちないグループも。話題に困るようなら、「朝ごはんはご飯派?パン派?」「泣きたいときはどうしますか?」といった「お題」が書いてあるカードを引いて、話すこともできます。

マスクを着けたまま、グループに分かれて話す参加者=東京都千代田区
マスクを着けたまま、グループに分かれて話す参加者=東京都千代田区 出典: 朝日新聞

最後はフリータイム 話疲れも

 計約2時間半のトークタイムが終了。参加者は話し続けた疲れもあり、ややぐったり。記者も仕事柄、毎日初対面の人と話しますが、一度に20人はあまり経験がありません。緊張がとけたからか、「ほーっ」とためいきをもらす人も。

 初めて婚活イベントに参加したという20代の女性は「すごく緊張した。普段は人見知りだけど、マスクをつけていたので話しやすかった」。何度か別の婚活イベントに参加しているという30代の男性は「性格が合うかどうかなど、判断するのは目。特に問題なかった」と話していました。

マスクを着けたまま、2人1組になって話す参加者=東京都千代田区
マスクを着けたまま、2人1組になって話す参加者=東京都千代田区 出典: 朝日新聞

マッチングはアプリで

 トークタイムが終わると、いよいよ、意中の相手に「よろしくお願いします」と手を差し出す――のではなく、また男女別々の部屋に戻ります。全員がスマートフォンを取りだし、専用のアプリを開きました。

 実は参加者は事前にアプリにプロフィルを登録。プロフィルには当日受付で割り振られた番号が連動していて、気になった相手には「きになる」ボタンを押して通知。相手もめでたく「きになる」を押してくれると、「マッチング」となり、アプリ内でメッセージをやりとりできる仕組み。「きになる」は何人にでも送ることができます。

イベントの最後に、スマートフォンのアプリで気になる相手に通知する=東京都千代田区
イベントの最後に、スマートフォンのアプリで気になる相手に通知する=東京都千代田区 出典: 朝日新聞

女性はわいわい、男性は真剣 結果は?

 全員、トーク中に書いたメモを見ながら真剣にアプリを操作。女性陣はわいわいと盛り上がっているのに対し、男性陣は黙って真剣な顔でスマホをいじっています。

 この日は参加者の9割が1人以上とマッチングし、メッセージのやりとりをスタートしました。

 もちろん、イベントが終わったあとに直接声をかけるのもOK。でも、面と向かって連絡先を尋ねたり、ご飯に誘ったりするのは恥ずかしい、という人でもアプローチしやすいようにという工夫だそうです。なんともいたれりつくせり。

イベントの最後に、スマートフォンのアプリで気になる相手に通知する=東京都千代田区
イベントの最後に、スマートフォンのアプリで気になる相手に通知する=東京都千代田区 出典: 朝日新聞

今の時代に合った出会い方

 これまでにはイベントをきっかけに結婚したカップルもいるそう。松村社長は「とにかくいろんな人と話してもらうことを心がけている。2時間半のイベントで、1人に絞る必要はない。気軽な出会いのきっかけにしてもらいたい」と話します。

 記者は参加者と同世代。周囲には婚活アプリで付き合いだした、というカップルもめずらしくありません。一方で、「婚活したいけど、恥ずかしい」という人も。

 マスクでお見合いの「気まずさ」「恥ずかしさ」を解消し、アプリで周囲の目を気にすることなくアプローチできる――。上の世代からは「消極的すぎない?」と言われそうですが、今の時代に合った方法だと感じました。

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