IT・科学
DeNAが8サイト非公開 「iemo」「Find Travel」など 「MERY」は存続
IT大手のDeNAは、運営するキュレーションメディアプラットフォーム「DeNAパレット」のうち8メディアを、1日18時から非公開にすることを発表しました。専門家による監修のないまま、根拠が不明確な医療関連記事を載せていたという批判があり、11月末に非公開になった医療・健康情報サイト「WELQ」に続く措置です。一方、人気の女性向けサイト「MERY」については公開を続けています。どのような基準で非公開を決めたのか? 取材をしました。
一連の問題について、DeNAの守安功社長は「このような状況に至ったのは、まずもって企業の最高責任者である私の不徳の致すところ」と謝罪し、月額報酬の30%を6ヶ月間減額することを決めました。
DeNAによると、閉鎖されるのは「WELQ」のほか、「iemo」「Find Travel」「cuta」「UpIn」「CAFY」「JOOY」「GOIN」「PUUL」です。
DeNAは非公開の理由について「マニュアルやライターの方々への指示などにおいて、他サイトからの文言の転用を推奨していると捉えられかねない点があった」と説明しています。
WELQをめぐっては、他のサイトの記事を無断で利用しているほか、内容自体にも誤りがあるのではないか、との指摘がインターネット上で拡散しました。
DeNAは「細心の注意を払って取り扱うべき医療情報をこのように不適切な形で提供していたことは大きな間違いであった」として、11月29日にサイトを非公開にしました。
WELQは、外部のライターやネット利用者らから記事を募り、それをまとめる「キュレーションサイト」としてサービスを展開していました。DeNAによると、8メディアについても共通する運営体制・方針を取っていました。
「DeNAパレット」は10のメディアからなり、このほかに女性向けサイトの「MERY」がありますが、運営方針が異なることから、対象外にしたということです。
ただし、DeNAは今後、MERYを含めた全てのメディアに関して、守安社長が委員長となる「キュレーション管理委員会」を通じて、これまでの記事作成のプロセスや内容の精査をするということです。
DeNAによると、WELQは月間2000万UUあり、10メディアでは月間約1億6千万UUあります。キュレーションメディア全体の売り上げは、2016年度第2四半期で約15億円あり、その半分超を「MERY」が占めています。
DeNAの守安功社長は9メディアについて、「モラルに反していないという考えを持つことができませんでした」と総括。「今回の事象に対して、 速やかに対応できず、非常に大きな混乱を招いてしまったのは、私自身の判断の甘さによるものです」と謝罪しました。
DeNAはサイト閉鎖については現時点で否定。「時期は未定だが体制を整えた上で再公開する予定です」としています。
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