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月150冊読む雑誌マニアおすすめ「使える一冊」 温泉・ロケ地巡り…

松田龍平さんがこんなところに?ロケ地を紹介する「ロケーションジャパン」2016年10 月号
松田龍平さんがこんなところに?ロケ地を紹介する「ロケーションジャパン」2016年10 月号
出典: 地域活性プランニング

目次

 先日、「雑誌オタク」という人に会いました。毎月150冊もの雑誌を読んでいるというのです。「絶対にあなたは読んだことはないだろうけど、おすすめですよ」という雑誌を選んでもらったら、どんな1冊が出てくるのでしょう? 「知識はいつどこで役立つかわからない」という「雑誌オタク」に聞いてみました。(朝日新聞東京社会部記者・原田朱美)

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中学生の時から月150冊

ご紹介します。
「雑誌オタク」の新井悠真さん(26)。ごく普通の会社員です。
なんと中学生の時から、毎月150冊もの雑誌を読み続けているそうです。

新井悠真さん
新井悠真さん 出典: 朝日新聞

――なんでそんなにたくさん読むようになったんですか?

新井さん

新井さん

もともと活字好きというのはあるんですが、雑誌って、文章だけではないので、写真やレイアウトを駆使して『読んでほしい!』っていう思いがビシビシ伝わってきます。そこがいいんですよね。中学生の時、図書館の雑誌を読みあさって、それじゃあ足りなくて、さらに大きな本屋に行って専門誌や業界誌や、ニッチな雑誌も読むようになりました

――毎月150冊ってすごすぎます。1カ月って30日しかないですよ?

新井さん

新井さん

ですね。そんなに大変じゃないですよ?

――出費もすごそうです

新井さん

新井さん

毎月だいたい5万円ですかね。あえて雑誌のジャンルは絞らないようにしてます。雑誌を読む楽しさは、知らない世界に出会えることなので

――素晴らしい知的好奇心です。今までで一番面白かった雑誌は、なんでしょう?

新井さん

新井さん

月刊誌「蛋白質 核酸 酵素」(共立出版)です。休刊になってしまったのが、惜しまれます。

――いきなり、ついていけません・・・

新井さん

新井さん

コラムが充実してたんですよ。この手の雑誌のなかではかなり広く読まれていたと思います

――もう少し素人向けで、セレクトをお願いします

新井さん

新井さん

これはいかがでしょう? 「温泉批評」(双葉社)です
「温泉批評」2016年秋冬号

――温泉好きの人は多いですよね。これは興味があります。見どころは?

新井さん

新井さん

温泉オタクって、いろいろ流派があるんですよ。泉質が好きとか、秘境、温泉旅館、混浴風呂などなど。温泉批評は、こういう各ジャンルのオタクが記事を書いているので、読み応えがありますよ。温泉グルメは人気コーナーですね

――温泉紹介で、さりげなく裸の女性(後ろ向き)が写っていて、お色気要素も多少あります

新井さん

新井さん

記事を見て、温泉に行った気になるのがいいんですよ。疑似体験。交通費かからずに楽しめますよ。さらにいいのが、巻末クーポン。誌面で紹介した温泉の入浴割引券がついてます。一度も使ったことないですけどね(笑)
「温泉批評」(双葉社)の巻末につく温泉クーポン
「温泉批評」(双葉社)の巻末につく温泉クーポン 出典: 朝日新聞

架空旅行に行こう

――では、次のおすすめをお願いします

新井さん

新井さん

じゃん。「高速バス時刻表」(交通新聞社)
高速バス時刻表2016夏・秋号

――いかにもマニアっぽいのがきましたね。鉄道じゃなくて、バスですか

新井さん

新井さん

鉄道の時刻表はいろいろありますけど、バスは珍しいんですよ

――時刻表って数字がぎっしりです。見どころってなんですか?

新井さん

新井さん

全国のあらゆる高速バス路線が網羅されてるんですが、「こんな路線があったのか!」と驚くようなものがちらほらあるんですよ。「仙台~富山」とか「福岡~鳥取」とか。どんな人が乗るの?って気になります

――たしかに。ニッチなルートですね

新井さん

新井さん

あとは、行き先に全く知らない地名が出てきたら、「どこだろう?」って調べるのも楽しいです。僕が住む東京から架空の旅程をたてて、「向こうには朝につくから、そのあとどこに行くかな」とか考えるのが楽しいです

――ものすごい想像力ですね。雑誌に限らずオタクの人たちって、想像力がすごいですよね。数字だけで想像して楽しめるって、才能だと思います

新井さん

新井さん

お得ですよ。想像で楽しめばゼロ円ですから

聖地巡礼のお供に

――では、次をお願いします

新井さん

新井さん

これです。「ロケーションジャパン」(地域活性プランニング)
Location Japan(ロケーションジャパン) 2016年 10 月号

――これは、普通の総合誌のような表紙ですね。有名人が起用されていますし

新井さん

新井さん

これは、映画とかドラマのロケ地を紹介する雑誌です。映画に出てくる場面が具体的にどこなのか、写真で紹介しています。ロケ弁紹介もありますよ

――ああ、これは楽しいですね

新井さん

新井さん

地域活性化と連動しているのがうまいなと思います。アニメにもよく「聖地」ってありますけど、全国の自治体とコラボして、人の流れをつくろうとしてます

――そういう狙いがあるんですか。なるほどです

新井さん

新井さん

オールカラーですしね。ふだん活字をそんなに読まないという人にもおすすめです。ざーっと眺めるだけでも楽しいですよ

――しかし。10年以上も変わらない量を読み続けているというのもすごいです

新井さん

新井さん

例えばアーチェリーとかマイナースポーツの雑誌を読んでいると、オリンピックの時に役立ちますし、最初に挙げた「蛋白質 核酸 酵素」だって、今年のノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典さんの「オートファジー」を10年以上前から何回か特集していたので、ニュースを見た時に分かりやすかったです。知識がいつどこで役立つかわからないのが雑誌を読む魅力ですね。「こんな時に役に立つとは」って知識がつながる瞬間がけっこうありますよ
オートファジーについて説明する大隅良典さん
オートファジーについて説明する大隅良典さん 出典: 朝日新聞

新井さんには、「3冊くらいおすすめを持ってきてください」とお願いしたのですが、「いろいろあって・・・」と7冊ももってきてくれました。
最後に、ご紹介した以外の雑誌も、簡単にご紹介します。

「アートコレクターズ」(生活の友社)

新井さん

新井さん

美術品を買う人向けの雑誌。「次にきそうな若手作家」を紹介していて、「俺が買うなら、これだな」とエアー富豪が体験できます。単純にアート写真集としても楽しめます

「DJ鉄道ダイヤ情報」

新井さん

新井さん

鉄道ダイヤ情報。臨時列車の情報が充実していて、撮り鉄のための雑誌。投稿写真がたくさん

「月刊消費者信用」(金財エージェンシー)

新井さん

新井さん

クレジットカード業者の業界誌。「初音ミクのコラボカードなんてあるのか!」といったニッチ情報をゲットできます

「中学野球太郎」(イマジニア)

新井さん

新井さん

中学生の野球少年少女のための雑誌。成長期の子どもたちを考え、体作りへの配慮も満載。この雑誌に載った中学生がその後プロとして活躍することも

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