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「オフ」ハロウィンもいいじゃない? 騒ぐの禁止!仮装もダメ!
子どもが主役のダンスパーティーから、コスプレ禁止の「オフハロ」まで。ハロウィンの楽しみ方が多様化しています。
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子どもが主役のダンスパーティーから、コスプレ禁止の「オフハロ」まで。ハロウィンの楽しみ方が多様化しています。
コスプレした若者が街中で大騒ぎするだけがハロウィンではありません。学校の体育館で子どもたちがダンスに興じたり、仮装禁止を掲げた「オフハロウィン」のパレードが開かれたりと、多様な楽しみ方がじわじわと広がっています。
ハロウィン前日の30日、渋谷区立広尾中学校の体育館で「キットカット ハロウィンダンスパーティ」が開かれました。主役はパリピではなく子ども。小悪魔やドラキュラの仮装に身を包んだちびっ子たちが、ダフト・パンクやファレル・ウィリアムスの音楽にあわせ、思い思いに跳びはね、体を揺らしていました。
主催したネスレは「海外のハロウィンは、子どもが『トリック・オア・トリート(お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ)』と言いながら近所をまわるなど、地域を活性化するイベントとして行われていますが、日本ではそういう部分が少ない。『子ども』『地域』を軸に、新しい提案をしていきたい」と説明。来年からは子どもやシニア層がチームを組んで参加する、全国的なダンス大会も開催するそうです。
そもそもハロウィンは、古代ケルト人の収穫祭が起源。近代になってアイルランド移民によって米国に伝わり、仮装した子どもが家をめぐってキャンディーをもらう風習が広まったとされています。日本では2010年代に入って若者のコスプレイベントとして定着しましたが、子どもを中心に据えた取り組みは、ある意味で原点回帰とも言えそうです。
パーティーでは、ラッパーのZeebraさんもパフォーマンスを披露しました。終演後の取材では「欧米では中学校や高校でダンスパーティーを開くのが当たり前。ダンスというと、暗いところでタバコ吸って、お酒飲んでみたいなのを想像するかもしれないけど、全然違う。フルーツポンチ飲みながら、シラフで盛り上がるんです。ハロウィンだって、クラブに行く以外の楽しみ方はいっぱいある。家族や地域で盛り上がれる、こういうパーティーは絶対あるべきだと思います」と語りました。
渋谷区観光協会のナイトアンバサダー(夜の大使)を務め、この日も明け方から渋谷でゴミ拾いをしてきたというZeebraさん。「20代や30代の勢いのある子たちがハロウィンで騒ぐのも、それはそれでいい。ただ、そもそも楽しみに行っているわけだから、最後まで楽しむことを大切にしてほしいですね。ぶつかってイラッとしたり、ケンカになったりしたら楽しくないでしょ? 常識的なマナーを守って、ポジティブなバイブスで遊んでもらえたら」と呼びかけました。
毎年、ハロウィンに多くの若者が集まる渋谷では「仮装のコスチュームがそのまま捨てられていた」「シャッターを壊された」「ガラスが割れた」といった被害の報告も相次いでいます。こうした状況に一石を投じようと、渋谷区観光協会が企画した一風変わったイベントが「オフハロウィン」です。
「オフハロ」では仮装やコスプレは禁止。おしゃれに着飾った女性たちが31日夜に渋谷の街をパレードし、パーティーを開くのだそうです。公式サイトには、こんなキャッチコピーが並んでいます。
ドレスコードの欄には、「最高のオシャレできてください。手抜きは禁止。思いっきり自分に魔法をかけてみて」「美しいメイクはいいけれど、特殊メイクは禁止。女性は誰でも魔法使いです」「ドレスアップは大歓迎ですが、コスプレは禁止誰かをまねるのではなくいちばん素敵なあなたできてください」なんていう注意書きも。
渋谷区観光協会企画広報部の堀恭子さんは「ただ『騒がないで』と言ってもなかなか耳を傾けてもらえないので、オフハロというイベントにしてマナー啓発を促すことにしました。ハロウィン疲れの人や、ハロウィンは楽しみたいけど仮装はちょっと…という人も、もぜひ参加してください」と話しています。
オフハロのパーティーは「Icon渋谷道玄坂店」で31日19時~。無料。20歳以上の女性でドレスコードを満たしていれば、飛び入り参加も可能です(要身分証)。定員に達し次第、受付は終了します。
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