話題
さもさんからの取材リクエスト
オリックス、なぜ弱い?
オリックス、なぜ弱い? 広島優勝!いよいよ優勝から最も遠い球団に
弱すぎます。
オリックス、弱すぎます。
どうにかしてください... さも
プロ野球12球団で最もリーグ優勝から遠ざかっていた広島が、25年ぶりの優勝を果たしました。では、これで現在、最も優勝から遠ざかるのは、どこのチームになるのでしょうか。答えはオリックス。1995、96年のパ・リーグ連覇以来20年、優勝していません。次が98年の横浜(現DeNA)です。「がんばろう神戸」をスローガンに、イチロー、田口壮らを擁して日本一になった球団は昨季5位、今季は最下位に。なんでこんなに弱いのでしょう?
とはいえ、ずっと下位だったわけではなく、2014年には優勝したソフトバンクとゲーム差なしの2位と、健闘しました。「優勝も夢じゃない」となった球団はそのオフ、総額40億円ともいわれた大補強に乗り出します。
大リーグから中島裕之、日本ハムから小谷野栄一、DeNAからブランコといった強打者を獲得。これが全くの空振りでした。彼らは軒並み不振や故障。15年は開幕から低迷すると、6月に森脇浩司監督が休養します。
「単純に選手を上積みすれば強くなるというものではない。あと一歩で優勝を逃した前年の悔しさを知るメンバーで戦っていれば、勝負できたんじゃないか。連帯感、つながりもあっただろう」。在阪のスポーツ紙記者も指摘します。
新しい選手が加われば、当然昨年のメンバーは押し出される。お金をかけて呼んだ選手だけに、監督も使わざるを得ない。うまくかみ合わなかったのでしょう。
オリックスの監督交代は、もはやお家芸とも揶揄されます。結果が出なければ、シーズン前半でも容赦なくクビです。2003年は開幕直後の4月に石毛宏典監督が解任されました。
08年にはコリンズ監督、12年には岡田彰布監督が途中で退任しています。長期的な視野に立ったチーム作りが、しづらい環境にあると言えそうです。
広島も長年低迷していましたが、緒方孝市監督の前の野村謙二郎監督は5年、ブラウン監督も4年務めています。こういった長期的なチーム作りの中から、丸佳浩や鈴木誠也といった選手が育ってきたのです。対照的ですね。
ドラフト制度やチームの編成に詳しい野球ライターの小関順二さんは「オリックスは目先の結果をほしがりすぎる」と指摘します。
「広島の鈴木は昨季は97試合出場、58安打しか打っていない。でも、今季は見切り発車的にレギュラーで起用、我慢して使い続けたら結果が出た」
「日本ハムは大谷、近藤、中島、西川。ソフトバンクは武田、今宮ら。高卒を指名し、主力に育てあげています。オリックスは出来上がっているけど小粒な大学、社会人の選手を指名する傾向にある。高卒の選手の方が爆発力があるんです」
オリックスにも明るい兆しはあります。神戸から大阪に移転し、地道にファンを増やしているのです。球団は2011年夏に「ファーム事業グループ」を設置。2軍を広告塔に大阪で地域密着戦略を進めました。
吹田や高槻などの大阪府内で2軍の公式戦を実施し、球場警備、チケットのもぎりなど行政や住民が運営に関わることで、球団に愛着を持ってもらいました。
2012年以降、観客動員は上昇の一途。「カープ女子」に対抗するかのように、「オリ姫」と呼ばれる女性ファンも定着しました。練習拠点も神戸から大阪市の舞洲に移転。サッカーのセレッソ大阪、バスケの大阪エヴェッサも拠点を置いており、三つの球団が集う「ボールパーク化」が期待されています。
チームの方は95、96年のV戦士の田口氏を2軍監督として招聘。「球場の外」は成功しつつあるので、あとはグラウンドの中です。地元ファンの後押しを受け、目先の結果にこだわらず、コツコツと若手を育てていけば……。広島のようになるのも夢ではないはずです。
1/30枚