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話題

ゴルゴ31さんからの取材リクエスト

高校野球の試合開始時と終了時のサイレン、なぜなるの?



【お答えします】高校野球のサイレンは、なぜ鳴るの?

高校野球の試合開始と終了時になぜサイレンが鳴るのか。そんな取材リクエストを、第96回全国高校野球選手権大会の開幕日にいただきました。調べてみると、実はサイレンの音は変っていなかったこと、そして、サイレンが途切れた悲しい時代があったことがわかりました。

阪神甲子園球場の銀傘の下に取り付けられたサイレン
阪神甲子園球場の銀傘の下に取り付けられたサイレン 出典: 朝日新聞

目次

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取材リクエスト内容

高校野球の試合開始時と終了時に、なぜサイレンがなるのか、ネットで起源を調べてもなかなか明確な答えが見つからないので、ぜひ調べていただければと思います ゴルゴ31

記者がお答えします!

高校野球の試合開始と終了時になぜサイレンが鳴るのか。そんな取材リクエストを、第96回全国高校野球選手権大会の開幕日にいただきました。調べてみると、実はサイレンの音は変っていなかったこと、そして、サイレンが途切れた悲しい時代があったことがわかりました。

【質問】高校野球の試合開始時で、なぜサイレンがなるのでしょうか?

高校野球の試合開始時と終了時に、なぜサイレンがなるのか、ネットで起源を調べてもなかなか明確な答えが見つからないので、ぜひ調べていただければと思います

ゴルゴ31


【答え】理由、実ははっきりしません・・・

阪神甲子園球場
阪神甲子園球場 出典: 朝日新聞

甲子園について調べてみました。サイレンが鳴るのは、試合前のシートノック、プレーボール、ゲームセット、そして、8月15日の正午です。「高校野球とサイレン」、その組み合わせがあまりに当たり前過ぎるのか、全国選手権大会についてまとめた歴史の本にはほとんどサイレンに関する記述がないようです。

その存在が、あまりにも当然すぎたのか、全国選手権大会の歴史をまとめた史料には、サイレンに関する記述がほとんどない。
2012年8月15日:「(アルプス席)「幻の甲子園」から70年 第94回全国高校野球選手権大会」朝日新聞紙面から

大きな音で情報を共有?

「ウグイス嬢」がアナウンスをし、サイレンのボタンを押す操作室=兵庫県西宮市(超広角レンズ使用)=2010年6月10日
「ウグイス嬢」がアナウンスをし、サイレンのボタンを押す操作室=兵庫県西宮市(超広角レンズ使用)=2010年6月10日 出典: 朝日新聞

野球史に詳しい作家の佐山和夫さんは取材に対し、こう答えています。「周囲に、高校野球の情報を共有させる必要があったからではないでしょうか。球場にかかわる、すべての人があの音を頼りにしていたのでは」

ラジオ中継すらない時代。始まりと終わりを知らせるには、大きな音を出すしかなかった。次の試合に備える応援団、お弁当屋さん、駅員……。「球場にかかわる、すべての人があの音を頼りにしていたのでは」と、佐山さんは考える。
2012年8月15日:「(アルプス席)「幻の甲子園」から70年 第94回全国高校野球選手権大会」朝日新聞紙面から

甲子園 改装後も音は変らず

銀傘の下に取り付けられたサイレン=兵庫県西宮市
銀傘の下に取り付けられたサイレン=兵庫県西宮市 出典: 朝日新聞

2010年に改装工事が終わり生まれ変わった甲子園ですが、サイレンの音は変っていないそうです。以前から使っているものを引き継いで使っています。

甲子園球場は今春、3期に及ぶ改装工事が終わり、大きく生まれ変わった。それでもサイレンは、以前から使っていたものを引き継いだ。
2012年8月15日:「(アルプス席)「幻の甲子園」から70年 第94回全国高校野球選手権大会」朝日新聞紙面から

甲子園のサイレン、途切れた時代も

正午のサイレンが鳴り、黙禱する報徳学園と大阪桐蔭の選手たち=2008年8月15日
正午のサイレンが鳴り、黙禱する報徳学園と大阪桐蔭の選手たち=2008年8月15日 出典: 朝日新聞

実は、サイレンが途切れた時期がありました。昭和12年(1937年)の第23回大会は、サイレンの代わりに進軍ラッパが球場に響いたのです。

 「地方大会が始まるくらいに盧溝橋事件が起きたんです。新聞を回し読みしながら、『戦争になるかもしれん。無事に大会はあるだろうか』と皆で心配していた」。戦火は次第に拡大。4年後の地方大会期間中に文部省(当時)の通達で中止される。サイレンはおろか、球音まで消えてしまった。
2010年7月31日:「(響紀行:14)甲子園のサイレン 兵庫県 鳴らない時代、来させはしない」朝日新聞紙面から

予備もあります・・・

現在、甲子園球場には予備のサイレンも置いてあるそうです。そこにはサイレンを途切れさせたくないという思いが込められています。甲子園のサイレン、実は平和の象徴だったのです。

サイレンを製造する阪国電機(兵庫県西宮市)の柿木正美会長(84)。操作室の裏には、もう一つのサイレンが置いてある。「予備も納入してます。高校野球の大会中に鳴らなくなったらアカンでしょう」
球音もサイレンも、もう途切れない。途切れさせない。
2010年7月31日:「(響紀行:14)甲子園のサイレン 兵庫県 鳴らない時代、来させはしない」朝日新聞紙面から

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