お金と仕事
ジャパネットのネット通販、商品7割削減の狙いとは 高齢層に特化?
福岡市に初の実店舗を開設すると発表した通信販売大手「ジャパネットたかた」。社長交代を経て次々に新たな施策を繰り出しています。
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福岡市に初の実店舗を開設すると発表した通信販売大手「ジャパネットたかた」。社長交代を経て次々に新たな施策を繰り出しています。
先日、福岡市に初の実店舗を開設すると発表した通信販売大手「ジャパネットたかた」。社長交代を経て次々に新たな施策を繰り出しています。今月に入って通販サイトもリニューアル。これまで販売していた約8500商品を600にまで絞り込みました。どんな狙いがあるのか? 広報担当者に聞きました。
ジャパネットたかたは今月22日、福岡市に初の実店舗を今秋開設すると発表しました。
これまで自前で番組収録用のスタジオは構えていたものの、実店舗とは縁がありませんでした。テレビ通販などで扱う主力商品を販売して、消費者の反応を直接みる場をつくることで、販売戦略にいかすねらいがあるようです。
1990年代からテレビ通販で成長してきたジャパネット。創業者である高田明さんが2015年1月に代表取締役を退任し、今年1月の放送を最後にテレビ通販番組からも引退しました。現在は長男の旭人氏が社長を務めています。
旭人社長になり、実店舗の展開だけでなく、テレビやラジオ、ネット通販などの「メディアミックス」戦略にも注力。今月上旬から中旬にかけてネット通販のサイトも大幅リニューアルしました。約8,500商品を約600にまで絞り込み、全商品にジャパネットのMCが出演する説明動画をつけています。
メインターゲットである高齢層に力を入れたとの見方もありますが、これらの施策には、どんな狙いがあるのか? ジャパネットホールディングス広報室に聞きました。
――商品数を減らした理由は
「ジャパネットたかたの『世の中に埋もれている良いモノを磨きあげ、その最大限の価値を伝える』というミッションのもと、厳選した本当に良い商品だけをお届けしたいと考えました。“少品種多量販売”を深化させることで、全商品に45秒動画などを掲載してひとつひとつの商品説明を丁寧に行うようにし、徹底的にその商品の良さを伝えられるサイトにしたいと考えています。また、在庫管理やアフターサービスの質の向上など、迷わず安心してお買い物いただけると考えています」
――どうやって600商品に絞り込んだのでしょうか
「各カテゴリーにおける最高の一品にこだわり、価格や性能などを加味しながら、お客様へ本当におすすめできる商品かどうか一つずつ判断して決定しました」
――全商品に説明動画を掲載する狙いは
「文字や写真だけでは伝わらない特徴や、使い方を説明するためです。また、商品を使った際のワクワク感も動画を通して伝えられると考えています。なお、動画は公共の場などでスマホ視聴されることも配慮してテロップを入れるなど、音声なしでも理解いただける動画を全商品分、撮り下ろしています」
――利用者は50代以上が過半数を占めているとも言われていますが、今回のリニューアルで高齢層に力を入れたのですか
「良いモノは使いたいけれど、どの商品を購入すればいいか迷われている方や、忙しくてなかなか選ぶ時間がないという方に対して、代わりに丁寧に商品を選定していると考えています。そのためにも商品の厳選は当社の強みとして力を入れたいと考え、サイトのリニューアルをおこなっています」
――今回のリニューアルは高田旭人社長の判断ですか
「はい。『世の中に埋もれている良いモノを磨きあげ、その最大限の価値を伝える』というジャパネットたかたのミッションを具現化できるように、全社プロジェクトとして取り組みました」
――「チャレンジデー」など、テレビ・ネットなどを融合させたメディアミックス戦略にも力を入れていますね
「テレビ、ラジオ、インターネットに加え、紙媒体でも展開をしています。チャレンジデーだけではなく、普段からメディアミックスショッピングを展開しています。それぞれの媒体の強みを活かし、さらに強化を進めているところです」
――「自前主義」体制は変わらないのですか
「商品の仕入れからアフターサービスまで、弊社グループ内で完結できるようになっています。グループ8社それぞれの会社で、ジャパネットのお客様のことだけを考え抜ける体制を構築したいと考えており、スピードと品質を磨いています。今後もその方針は変わらず継続したいと考えています」
――リニューアルを通じて伝えたいことは
「今後も販売実績やお客様の評価を踏まえ、サイト全体を進化させ続けますので、ぜひ一度アクセスいただければと思います」
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