IT・科学
ポケモンGO、中国でも大流行? 規制の「抜け道」に日ごろ鍛えたテク
世界的ブームを巻き起こしている「ポケモンGO」。インターネットが制限されている中国でも、どうにかしてゲームを手に入れようと、あの手この手の情報が飛び交っています。ダウンロードできるエリアに移動したり、特殊な通信回路を設定したり。普段からインターネットの「抜け道」を見つけてきた中国のネットユーザー。そのスキルは「ポケモンGO」でも、いかんなく発揮されているようです。
7月22日、いよいよ日本でもリリースされた「ポケモンGO」。実は正式配信前から、何とかプレーするため様々なテクニックを使って、ダウンロードする事例が投稿されていました。
中国も例外ではなく、真偽は不明なものの、ダウロードできる場所を示した地図がネット上に出回っています。
地図によると、中国の東北地方と新疆ウイグル地域だけは「ポケモンGO」はダウンロードできるようで、ほかの地域は全部「閉鎖地域」とされています。そのため、現地入りしてプレーする人の事例も報告されています。
一方、Google社が6年前に中国大陸から撤退し、グーグルマップの使用も規制されており、「ポケモンGO」も、ダウンロードが規制される可能性が高いと言われています。ただし当局の思惑とは関係なく、中国のポケモンファンは、最新のゲームを手に入れたい一心で様々な情報を探しています。
ネット上には「Android」「iOS」などOS別のダウンロード情報が紹介されています。
【Androidの場合】
通常、変更できない設定にアクセスできる状態(ルート=root化)にし、グーグル関連のサービスを使えるようにした上で、VPN (Virtual Private Network)ソフトウェアを使って特別な回線でつないでダウンロードする。
【iOSの場合】
日本やアメリカなど「ポケモンGO」が正式に配信されている地域のアップルIDで登録し、VPNソフトウェアを使ってダウンロードする。
また「バーチャルロケーション」という特殊なソフトをインストールして、自分の位置を正式リリースされているエリアに設定すれば、外国の風景を見ながら、ゲームを楽しむことができるという情報もあります。
「ポケモンGO」に限らず、中国でインターネットサービスを利用する際にはVPNの存在が鍵を握ります。VPNはインターネットに接続されている利用者の間に、仮想的な通信トンネルを作る技術です。
VPNを使うと、実際は中国にいる状態でも外国にいるのと同じような環境を作ることができます。通常は、会社のネットワークなどに外出先からアクセスして、社内の情報をやり取りする場合などに使われます。
一方、中国では、フェイスブックやツイッターなど、中国内で使えないサービスを「国外脱出」して利用するテクニックとして使われています。
今回、日本でも正式配信前の「ポケモンGO」を遊ぶためのテクニックが話題になりましたが、中国のネットユーザーにとって、当局の制限をかいくぐることは、珍しいことではありません。
普段から「鍛えられていた」中国のネットユーザーは、さっそく「ポケモンGO」を手に入れ、感想を投稿しています。
「すごく面白い。モンスターがいると、トイレの下水道にも入ってしまいそうな気がする」
「行けそうもないところを、思わず行きたがる」
「とてもお金がかかりそうなゲーム…」
「ある意味で馬鹿げたゲームでもありますが、やめられない…」
情報の管理に厳しい中国では、今後もゲームの配信を当局が許可しない可能性があります。それでも「ポケモンGO」のファンは着実に増えそうな気配です。
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