お金と仕事
「僕にとってお金は血液」 高須クリニック院長が語る〝医者とカネ〟
「お金持ちからたくさん受け取っているからこそ、そうではない人の医療費をタダにできる」
お金と仕事
「お金持ちからたくさん受け取っているからこそ、そうではない人の医療費をタダにできる」
「医は仁術」という言葉があります。その一方で、「医者は最も安定してもうかる仕事」という見方もあります。医者はどこまで情で働き、どこまでカネの力で動くのか。「高須クリニック(https://www.takasu.co.jp/)」の院長として有名な高須克弥さんに「医者とカネ」について語ってもらいました。(聞き手・太田啓之)
僕は今日(取材は5月20日)、70人の手術をしました。二重まぶたにする手術だと、3~4分で12万5000円。唇を薄くする手術は15万円、鼻を高くする手術は35万円です。
みんな「高いなあ」と言うんですが、実は40年間、まったく値上げをしていません。うちがはやるのは、相対的に安くて質の高い手術をしているからでしょう。
高須クリニックの売り上げは、グループ全体で約60億円。お金持ちからたくさん受け取っているからこそ、そうではない人の医療費をタダにできる。それが「医は仁術」という言葉の本当の意味です。
阪神大震災や東日本大震災の被災者には、タダで施術しました。シミやシワを取って若返らせてあげると、うれしくなって生きる希望がわいてくる。美容外科も立派な医療なんです。
離陸する高須ヘリ。一路被災地に pic.twitter.com/PlfdNmaCVW
— 高須克弥 (@katsuyatakasu) 2016年4月19日
ブラック・ジャックみたいですって? 僕はブラック・ジャックが大嫌いなんです。偽医者のくせに高い金を取って。それに生まれつきの天才外科医なんて幻想。ものすごくたくさん失敗して初めて、手術の腕が上がるんです。
ブラックジャックは全巻目を通しました。ブラックジャックは外科医の基礎的トレーニングができていません。あのマントの下の不潔なメスを滅菌することから教えないといけません。ブラックジャックの患者が感染症にならないのが不思議です。 https://t.co/Ax8LBNXcJ3
— 高須克弥 (@katsuyatakasu) 2016年7月3日
僕が美容外科医として働くのは週2日だけ。他の日は愛知県にある高須病院の理事長として、老人介護に軸足を置く地域医療を実践しています。
すべて保険診療ですが、理想の医療を目指すほど、人件費がかさみ、赤字になる。美容整形のもうけを病院につぎこんでいるからこそ、倒産せずに続けられています。
医療法人福祉会高須病院はお年寄りに奉仕する総合病院です。認知症、糖尿病、白内障、人工透析、シワ、シミ、たるみ、全てに対応できます。東京と横浜の美容外科の高須クリニックはこの分院です。 https://t.co/CK36zhiLx8
— 高須克弥 (@katsuyatakasu) 2015年10月4日
僕にとってのお金は、血液みたいなものです。生きていくためには、どんどん循環させる必要があるけど、使わない血液がたくさんあってもしょうがない。ためる必要はないんです。過去に脱税で摘発されたのも、お金に関心がなくて事務に経理を任せていたから。その前科のせいでドバイに進出できなくなりましたけどね。
いま71歳ですが、かなり財産が残っちゃった。奨学金を出したり、チベットに学校を作ったり、国境なき医師団に病室を寄付したり、と死ぬまでに社会に還元する計画を進めています。
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