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結婚したい目線で投票してみては 鈴木涼美さん女子大生の悩みに回答

あしたは参院選の投開票日です。さて、誰に投票しようか。初めて投票権を得た女子大生のお悩みに、元セクシー女優で元日経新聞記者の鈴木涼美さんが答えました。

鈴木涼美さん
鈴木涼美さん

目次

 あしたは参院選の投開票日です。

 さて、誰に投票しようか。

 初めて投票権を得た女子大生のお悩みに、元セクシー女優で元日経新聞記者の鈴木涼美さんが答えました。

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Q)質問者:Rさん(21) 投票したい人がいません

Rさん 東京六大学のひとつに通う文系の大学3年生。週3で「飲み会だ。うぇーい」なテンション。でも、就活に備えて英語の勉強をしたり、資格や検定試験をうけたり。そんな日常。主な生息地は新宿。練馬区在住
Rさん 東京六大学のひとつに通う文系の大学3年生。週3で「飲み会だ。うぇーい」なテンション。でも、就活に備えて英語の勉強をしたり、資格や検定試験をうけたり。そんな日常。主な生息地は新宿。練馬区在住

 なんでも経験だと思うので、当日は投票に行くつもりです。

 でも、投票したい人がいません。まじで。

 はっきり言って政治のことはあんまわかりません。

 私にとって最も大きな問題である「消費税」についても、どの政党も「とりあえず反対? いつか引き上げなきゃいけないけど…」みたいな感じで、ごにょごにょしていてよくわかんないし。

 大学の友だちと話していても「参院選? 何それ? いつあんの?」みたいなノリで、全く話題にならないし。

 どうしましょっか。

A)回答者:鈴木涼美さん(32)

鈴木涼美さん。文筆家。元日経新聞記者で元セクシー女優=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影
鈴木涼美さん。文筆家。元日経新聞記者で元セクシー女優=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影

 確かに今回の参院選、盛り上がっている気配はないですよね。各党の公約を読んでもほぼほぼ似ているし。どっちがいいとかわかんないというのはフツーですよ。

 結論から言うと、結婚したいと思う人に投票したらどうでしょうか?

 Rさんは、旦那さんに何を求めますか? 育ちの良さ? 金持ち? 実直さ? 庶民的な人? 夢を追うような人?

鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影
鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影

 そういう目線で見てみると、祖父は首相、父は外務大臣という政治家一家に育った安倍首相は、育ちの良さ的には申し分なさそう。

 炭坑を持っていた麻生財務相は、金持ちイメージありますよね。

 実直さという意味では、民進党の岡田代表かなあ。堅物で「原理主義者」とあだ名されるほど、生真面目と言われていますから。

 庶民派といえば公明党でしょうか? 選挙前、低所得高齢者に3万円の給付金を配って、公約にも商品券とか給付型奨学金とか、やたら庶民重視強調だし。

 夢追い系なら共産党かなあ。党綱領は革命だしね。

鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影
鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影

彼氏にしたい目線はダメ

 などなどと、そんな風に党首の人柄を感じたり、政党を擬人化したりして、直感的に捉えてみたらどうでしょうか。

 気をつけたいのは彼氏にしたい目線じゃなくて、結婚したい目線で選ぶこと。

 いつでも別れられるんだったら、彼氏目線でいい。友だちに自慢できるとか、人気があるとか、かっこいいとか。

 で、嫌なところが見えたらサクッと別れればいい。

 でも、今回選ばれた人は、6年間、参院議員をやることになるわけです。

 いま21歳でこれから6年間お付き合いすると考えたら、少しは結婚も考えるでしょ?

鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影
鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影

 借金まみれの旦那、暴力ふるう旦那……。

 結婚は無理でしょう。

旦那を国と言い換えてみて。

 借金が1000兆円超もある国。安保法制の成立で集団的自衛権の行使を認めた国……。

 いまの日本ってなんか近くない?

鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影
鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影

 あと、自民党の憲法改正草案に、家族、婚姻などに関する基本原則の中の第24条に「家族は、互いに助け合わなければならない。」とあります。

 そんな、当たり前のことを平易な言葉で記してみると、私はけっこう「ぞっとするな」と思いました。

 フツーに家のことくらい言われなくてもするっていうのに。

 いちいち旦那に「助け合いだ。あれもやれ、これもやれ」って言われたら嫌ですよね。

鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影
鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影

 好き嫌いで選ぶことってそんなに間違っていないと思います。

 だって、批評家の浅田彰は『構造と力』で「感性によるスタイルの選択のほうが理性による主体的決断などよりははるかに確実な場合は少なくない」と言っているし。

 若い人は感性が鋭いし、人を直感で見抜く力は強いと思いますよ。

鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影
鈴木涼美さん=6月28日、東京・築地、奥山晶二郎撮影

一票と自分の感性を大切にね。

 すずき・すずみ 東京都生まれ。慶応大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。主な著書に『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』。日経新聞退社後、ネット連載をまとめた「身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論」を出版した。
 すずき・すずみ 東京都生まれ。慶応大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。主な著書に『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』。日経新聞退社後、ネット連載をまとめた「身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論」を出版した。

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