話題
突撃!議員が通うブティック 値段は?店内は?着心地は?
国会中継で、ついつい目がいってしまうのは、赤にピンク、黄色と、色鮮やかなスーツを着た女性議員たち。私たちがよく行く「2着目1000円」のあの店とか、「クーポンで半額」のあの店に、そんなスーツは置いていない。じゃあ、一体どこで買ってるの? 銀座に議員御用達のブティックがあると聞いて、行ってみました。
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国会中継で、ついつい目がいってしまうのは、赤にピンク、黄色と、色鮮やかなスーツを着た女性議員たち。私たちがよく行く「2着目1000円」のあの店とか、「クーポンで半額」のあの店に、そんなスーツは置いていない。じゃあ、一体どこで買ってるの? 銀座に議員御用達のブティックがあると聞いて、行ってみました。
国会中継で、ついつい目がいってしまうのは、赤にピンク、黄色と、色鮮やかなスーツを着た女性議員たち。私たちがよく行く「2着目1000円」のあの店とか、「クーポンで半額」のあの店に、そんなスーツは置いてない。じゃあ、一体どこで買ってるの? 銀座に、議員も御用達のブティックがあると聞いて、同僚のファッション担当の記者と行ってみました。(朝日新聞文化くらし報道部記者・岡田慶子)
百貨店やファストファッションのショップが立ち並ぶ銀座のメインストリート。その一角に、1957年に創業した老舗「銀座マギー」はあります。
今回、お店にお邪魔したのは、朝日新聞・文化くらし報道部の松沢奈々子記者(30)。普段はデザイナーのインタビューをしたり、コレクションの取材をしたりと、ファッション分野をカバーしています。
通りから店内をガラス越しにのぞくと、鮮やかな赤のワンピースやバラ柄のジャケットが目に飛び込んできます。
早くも圧倒されたマツザワが、ぽつり。「プライベートじゃ、絶対に入れないようなお店ですね……」
店長の山野直樹さんに迎えられ、らせん階段を上って2階へ。
ベージュのじゅうたんが敷かれた明るいフロアには、モノトーンからパステルカラー、原色まで、色とりどりの服が並んでいます。価格はスーツで12万円から。日本やイタリアの生地を使った品々は、見るからに高級そうです。
議員のお客さんは、若手からベテランまで、党派もさまざま。議員仲間から聞きつけたり、先輩議員に勧められたりして、お店に来ることもあるそうです。
「色が奇麗で、縫製がきちっとしたスーツを売っているところが少ないからかもしれません」と、山野さんは言います。
「実際に見立ててもらえませんか?」「国会議員っぽくなりたいんです」。今回はそんなずうずうしいお願いをして、山野さんに2着のスーツを用意してもらいました。
まずマツザワが試着したのは、ネイビーのワンピースと白いジャケット。試着室から出てきた第一声が、「なんか似合ってません、私?」。自前のパンプスを履いて、得意げにポーズを決めます。
本人は「PTAみたい?」と言っていますが、ニュースキャスターに見えないことも、ない……ような。マツザワの普段のカジュアル感はどこへやら、なんだかとってもステキに見えます。
山野さんにコーディネートのポイントをお聞きしました。「同じ素材を色違いでコーディネートして、高級感を出しました。中心に向かって斜めにピンタックが入っているので、すっきり見えますし、綿100%なので涼しいですよ」
マツザワも「軽~い♪ 着やす~い♪」とはしゃいでいます。
続いては、鮮やかな黄色のスーツです。
うん。いそう。この色を着ている女性議員、けっこう見かける気がします。
マツザワは「普段なら、絶対に選ばないような色ですね」と興味津々ですが、いくら我が社きってのファッショニスタでも、これを着こなすのは難しそうです。
でも……。あれ? あれれ? 内心で期待していた“スーツに着られてる感”は全くありません。
一見ハードルが高そうに感じられたこのスーツですが、「夏らしいツイードはイタリア製の生地で、上品ですし、動きやすいと思います。きちっとしつつも、伝統にとらわれず、トレンドを取り入れたデザインです」と山野さん。
さらに「ワンピースは夏場も涼しいですし、違うジャケットと組み合わせれば、いろんなイメージに変えられます」と、コーデ術も教えてくれました。
1着目より、だいぶ“ぽく”なりましたが、まだまだ。女性議員風を目指すなら、「原色、パキーッ!」「襟元、シャキーンッ!」「肩パッド、ドーンッ!」じゃないと。
と思いきや、山野さんが意外なことを教えてくれました。「昔は国会中継でどこにいるかわかるように、華やかなものを選んで着る方が多かったですが、ここ2、3年はナチュラル志向が目立ちます」。
落ち着いた色を好んだり、奇抜なデザインを避けたり、「一般の方と変わらない」と言うのです。
確かに、国会議員にとってのスーツは、周囲に自分の存在感を植え付け、キャラをアピールするための“戦闘服”ですが、それ以前に普段着でもあります。着心地がよく、仕事に集中できる機能性は、大事なポイントに違いありません。
たとえば袖。支持者と握手をしやすいように、袖丈は7分で、柔らかめの素材がいいそうです。ジャケットには、名刺を入れるためのポケットが必須。襟にワイヤが入っていれば、“きちんと感”が出ますし、お辞儀をするときにも襟元が開く心配がありません。
山野さんは言います。「中にはイメージカラーの服を探して来る方もいますが、まれです。ほとんどの方にとっては、着やすい仕事着という感覚なのでしょうね」
なるほど。議員のファッションに注目すれば、その人の仕事への姿勢も見えてきそうな気がします。国会中継や記者会見の見方も、変わりそうですね。
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