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まるでヘビメタ? タンバリンを高速で叩く「いいちこインコ」とは
一心不乱にタンバリンを叩(たた)くインコの動画が話題になっています。
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一心不乱にタンバリンを叩(たた)くインコの動画が話題になっています。
一心不乱にタンバリンを叩(たた)くインコの動画が話題になっています。まるでヘビーメタルのファンが頭を激しく上下に振るように、くちばしで器用に叩いていて、ツイッター上で「何回見ても笑える」「名奏者」と話題になっています。しかも、このインコの通り名は「いいちこインコ」で、漫画にもなったそうです。焼酎の「いいちこ」と関係があるというインコの飼い主で、漫画家の花沢りん吉さんに話を聞きました。
6月1日、花沢さんが動画付きで投稿したツイートがこちらです。
「楽器店に行って『タンバリンを下さい。』って言ったら店員さんに、『どのような物をお探しですか?』って言われて、『インコ用を』とも言えず、困ったのも今では良い思い出w」
楽器店に行って「タンバリンを下さい。」って言ったら店員さんに、
— いいちこインコの飼い主@漫画発売中 (@iichiko_hana) 2016年6月1日
「どのような物をお探しですか?」って言われて、
「インコ用を」とも言えず、困ったのも今では良い思い出w pic.twitter.com/hAJ9iE1uWe
配信から2日ほどでリツイートは6万近くまで伸びました。ネット上では「なにこれめっちゃかわいい」「うちの3倍は速いわ」「可愛さの中に笑いが」と話題になっています。
反響を受けて、花沢さんはこんなアドバイスも投稿しています。
「タンバリンを気に入って貰うには、最初、遠くの方で音を鳴らして、インコの方から、興味を持って貰います。理想的なのは、インコの方から興味を持って近付いて来てくれる状態。出来るだけ、じらすぐらいが効果的です。あせらずに、あせらずに…」
タンバリンを気に入って貰うには、最初、遠くの方で音を鳴らして、インコの方から、興味を持って貰います。
— いいちこインコの飼い主@漫画発売中 (@iichiko_hana) 2016年6月1日
理想的なのは、インコの方から興味を持って近付いて来てくれる状態。
出来るだけ、じらすぐらいが効果的です。あせらずに、あせらずに…。https://t.co/F6CEzA3yZi
飼い主である花沢さんが漫画家のアシスタントをしていた平成8年ごろ、みんなが集まる仕事場でオカメインコのハナを飼い始めました。
その後、仕事場が閉鎖されハナを引き取ることに。その後、飼い始めたときの様子や、飼育する上での注意点、気づいたことなどを花沢さんがウェブサイトに漫画としてアップしました。
焼酎「いいちこ」の箱が気に入ったハナは「いいちこインコ」と呼ばれるようになり、漫画は大幅に加筆して単行本「いいちこインコ とある焼酎(の箱)好きオカメインコの日常」として出版されました。
最近になってツイッターへの動画投稿を始めたところ、さっそくネット上で話題になったそうです。そんな花沢さんに、ハナとの関係について聞きました。
――ハナちゃんがタンバリンを叩きはじめたきっかけは
「3年ほど前です。いろんなものを叩き始めたのは10年以上前になります」
――これまでにタンバリンが破れたことは
「キツツキとは違って、くちばしの先を使っていないので、叩いたものが壊れたことは一度もありません。ただ、くちばしの先を使って、破壊しようと思えば、いつでも破壊できるだけの力はあるので、あくまで壊す意思がないと思われます」
今日も朝からボコボコしてるいいちこインコさん。 pic.twitter.com/LYR8RSIcHk
— いいちこインコの飼い主@漫画発売中 (@iichiko_hana) 2016年6月1日
――いいちこの箱が気に入ったきっかけを教えて下さい
「もともと、黄色いスープの箱が好きだったのですが、近所のスーパーから無くなってしまい、しょぼんとしていました。焼酎ブームが話題になって、父が『いいちこ』を買ってきたら、スープの箱に見た目が似ていて反動で何倍も好きになった……という感じです。ハナが好きなので、飼い主も箱を持ってハナと遊ぶようになり、より、好きになっていく……ということの繰り返しの結果です。ちなみに、微妙にパッケージの色が違う、アルコール度数の異なるいいちこも見せたことがありますが、鳥は紫外線が見えるほど人間よりも目が良いため、色にはこだわりがあるようです。空を飛んでいる生き物ですから、嗅覚には頼っていないみたいですね。なので、色に強くこだわるのでしょう」
――ハナちゃんのために愛飲しているのですか
「『いいちこ』は亡き父が愛飲していたもので、私が飲んでいたものではありません。亡き父とハナは、箱の所有権をめぐって戦いを繰り広げていました。今はハナのために『いいちこ』を買い続けています」
――性格は
「若いころは割と活発な子でしたが、15歳を過ぎた頃からは、まったりした性格になってきました。可愛い見た目とは裏腹に、若いころはよくケンカもしました。ホント、すごい生意気で……。発情期には、かまれて血が出たこともあります。ただ、年々、人間の空気を読んでくれるようになりましたね。20歳を過ぎた今では、ただ人間の肩や腕、足に乗って、一緒にいられるだけで幸せそうにしています」
――ハナちゃんへの思いは
「とにかく、長生きしてもらえればと思っています。空を飛べる生き物を部屋の中で飼うと言うことは、鳥が好きになればなるほど、誰もが悩む問題だと思います。なので、空を飛べる野生の子たちには、叶えられない願いである『長生き』をさせてやろう、と考えています。鳥にも、人間と同じようにおじいちゃんになれば白内障などがあり、野生では、そういう病気になると生きていけないでしょう。空を飛ぶと言う行為は叶えてやれませんが、野生では出来ない長生きをさせてやり、それを、ペットとして室内で生きる鳥の幸せだと願い、信じて、飼育を続けていきたいと思っています」
いいちこインコ漫画で紹介したスプーン遊びが、こちらです(*^^*)
— いいちこインコの飼い主@漫画発売中 (@iichiko_hana) 2016年6月1日
ボコボコよりも先に覚えた遊びですね。 #インコ pic.twitter.com/WFGJGfFylp
――動画への反響について感想は
「素直に嬉しいですね。ただ、この動画を見て、気軽に『インコを飼いたい』と、不勉強なままインコを飼って、死なせてしまったり、空へ捨ててしまったりすることがないことを祈ります。我が家には、もう一羽インコがいて、迷子になって餓死しそうになっていた所を保護した子です。家庭で飼われていた子は、そうそう簡単には外で生きていけないということだと思います」
――今後の投稿については
「動画や写真はもちろんのこと、インコの飼育漫画と言う形で、動画や写真では伝わり切らない面白い出来事や教訓を情報発信し続けられたら、と考えています」
――今回、初めてハナちゃんのことを知った人に向けてメッセージをお願いします
「鳥は、カゴの中に入れておけば、簡単に飼えるという印象を持っている人が多いと思いますが、簡単に飼っていると、面白い芸も覚えてはくれませんし、逆に、あっという間に問題行動を覚えて、手に負えなくなってしまいます。世間のイメージとは違い、鳥は記憶力も良く、いいちこの箱を奪い合った父のことは、他界するまで許しませんでした。逆に、信頼を得られれば生涯愛情を持って接してくれる面もあります。鳥との生活は、想像以上に豊かですが、想像以上に難しい面があります。ウチのハナの飼育漫画では、今ちょうどヒナの頃の話なので、手を怖がらせない方法や、口笛を覚えてもらう方法などが描かれています。宣伝ついでですが、そういうのも飼育の参考になればと思います」
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