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感動

熊本の印刷会社が営業再開 復帰メッセージと再開の経緯が感動呼ぶ

熊本地震発生から1カ月が過ぎました。被害が大きかった熊本県益城町で、営業を再開した印刷会社があります。

営業を再開したプリントオンのホームページ
営業を再開したプリントオンのホームページ

目次

 熊本地震発生から1カ月が過ぎました。被害が大きかった熊本県益城町で、営業を再開した印刷会社があります。廃業も覚悟したなか、「替えの効かない印刷所なんで絶対復旧してください」「納期はいつでも結構です」「印刷物は必要ないので義援金として受け取って」といった声に励まされての復活です。

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ガス復旧のために被災地を走行していた軽自動車が、アスファルトの割れ目にタイヤを落としてしまい動けなくなった。近くにいた男性が「誰か来いや!」と叫ぶと、ボランティアで民家の片付けのため鹿児島から来ていた若者らが集まり、車を押し上げた=17日午後3時56分、熊本県益城町、加藤諒撮影
ガス復旧のために被災地を走行していた軽自動車が、アスファルトの割れ目にタイヤを落としてしまい動けなくなった。近くにいた男性が「誰か来いや!」と叫ぶと、ボランティアで民家の片付けのため鹿児島から来ていた若者らが集まり、車を押し上げた=17日午後3時56分、熊本県益城町、加藤諒撮影 出典: 朝日新聞

地震の影響で建物や機材に被害


 5月12日に営業を再開した「プリントオン」。ネット注文による同人誌印刷などを手がける熊本県益城町にある会社です。

 地震の影響で、建物や機材、注文を受けて制作した印刷物などに大きな被害が発生。スタッフの多くが益城町に住んでおり、当初は出社できない状況が続いたそうです。

敷地に入った大きな亀裂の横で赤ちゃんを抱いて上空を見上げる女性=15日午前7時55分、熊本県益城町、朝日新聞ヘリから、森下東樹撮影
敷地に入った大きな亀裂の横で赤ちゃんを抱いて上空を見上げる女性=15日午前7時55分、熊本県益城町、朝日新聞ヘリから、森下東樹撮影 出典: 朝日新聞

状況をホームページで公開


 被災から復旧にいたるまで、店の状況をホームページでその都度、公開してきました。

 「誠に申し訳ございませんが現在ご注文を承る事が出来ない為、受付を中止させて頂きます。なお現在ご入稿受付が完了されているお客様の商品状況ににつきましては作業状況や商品状況を確認の上、順次個別に弊社よりご連絡をさせて頂きます」(4月18日現在)
 「また今回のキャンセル料金を義援金にと大変ありがたいお申し出をして頂くお客様が多数おられますが、弊社としましても一日でも早く復旧し、お客様のお手元に商品をお届けしたいと考えておりますので、その場合は【マイページのポイントに変換】として頂き、次回ご利用時にご使用頂けると幸いです」(4月22日現在)
 「機材につきましても一部を除いて復旧の目途がたちましまして、余震の若干の収束、ライフラインの復旧に伴いまして人員も集まり、少しずつではございますが復旧をし始めております」(4月26日現在)
 「復旧の目途が立ちまして5月5日までに機材のメンテナンスや修理などが完了する見込みです」(5月1日現在)
 「本日5月12日、一部商品を除きましてご注文の受付を再開させて頂きました」
地震で倒壊し、住んでいる人が亡くなった家の前で手を合わせるボランティアや近所の住民ら。尾方勝子さん(71・右端)は「今日は暑いから」と水が入った石に花を供えた。故人は花が好きで庭を美しく飾っていたという=22日午前、熊本県益城町、福岡亜純撮影
地震で倒壊し、住んでいる人が亡くなった家の前で手を合わせるボランティアや近所の住民ら。尾方勝子さん(71・右端)は「今日は暑いから」と水が入った石に花を供えた。故人は花が好きで庭を美しく飾っていたという=22日午前、熊本県益城町、福岡亜純撮影 出典: 朝日新聞

利用客からの反応


 これに対し、利用客やネットユーザーからは、多くの反響が寄せられました。

 「再開本当に心待ちにしておりました」
 「今後も是非利用させて頂きます」
 「余震等続いてらっしゃるようですが地震に負けず頑張ってください」
 「支援というつもりではないのですが、また御社で本やグッズを作成したいと考えております」

間借りした校舎で、学校再開を喜び抱き合う益城町立木山中の生徒たち=2016年5月9日、熊本県益城町の益城中央小、福岡亜純撮影
間借りした校舎で、学校再開を喜び抱き合う益城町立木山中の生徒たち=2016年5月9日、熊本県益城町の益城中央小、福岡亜純撮影 出典: 朝日新聞

感謝の言葉


 県外から支援物資を詰め込んで駆けつけてくれた機械修理業者、被災しながらも全力を尽くしてくれたスタッフ、利用客からの応援メッセージなど、再開までには多くの人たちの支えがあったようです。

 ホームページでは、これらの経緯と感謝の言葉が述べられています。

 弊社に関わる全ての皆様へ

 この度、弊社は震度7を2回記録した熊本地震の震源地にあり、甚大な被害を被りました。

 特に2回目の震度7を記録した地震直後の社内は想像を絶する有様で、このまま廃業してしまうのではないかと心が折れそうになりました。

 しかし、地震の翌日には遠く県外から支援物資を車に詰めるだけ詰め込んで機械の復旧に向けて駆けつけて頂いた多くの業者様、

 余震が続く中、自身も被災しているにもかかわらず復旧に向けて全力を尽くしてくれたスタッフ、

 ライバルであるはずの同業者様からの商売を抜きにしたご支援、

 そして何よりお客様からの物凄い数の応援メッセージの数々、

 「印刷物は必要ないので義援金として受け取っておいてください」

 「替えの効かない印刷所なんで絶対復旧してください」

 「プリントオン様でしか印刷をお願いする気がないので納期はいつでも結構です」

 「プリントオン応援イベントを開催したいと思っているのですが」等々、

 このような沢山のお声に私も含めてスタッフ一同どれだけ勇気づけられたことでしょうか。

 ビジネスの域を超えた皆様のお声や行動に報いる唯一の方法は なんとしても会社を復旧して営業再開することであると決意し、折れかけた心を再び奮い立たせて頂きました。

 そして1カ月近くお時間を頂き、まだ完全に復旧したとは言いがたい状況ではございますが 地震当初の惨状を考えれば、奇跡的なスピードでなんとか営業再開の目処が立ち、5月12日本日より新規受注を開始する運びとなりました。

 この場を借りまして今回の地震で多大なるご迷惑をおかけして致しましたお客様各位にお詫びを申し上げますとともに、復旧に向けてご支援、ご声援頂きました弊社にかかわる全ての皆様に深く深くお礼申し上げます。

 今後ともプリントオンを何卒よろしくお願い申し上げます。
夜、寝る前にアニメ映画を見て笑う子どもたち。余震への恐怖を少しでも和らげたいと企画された=19日午後7時27分、熊本市中央区の白山小学校、細川卓撮影
夜、寝る前にアニメ映画を見て笑う子どもたち。余震への恐怖を少しでも和らげたいと企画された=19日午後7時27分、熊本市中央区の白山小学校、細川卓撮影 出典: 朝日新聞

取材を申し込むと


 経緯について詳しく教えてもらおうと取材を申し込んだところ、丁寧に断られました。

 「現在、お客さまへの対応に全力を注いでいるところなので、取材は承っておりません。ご了承ください」

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