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熊本地震の義援金、大分に届かない? 意外と複雑、使い道に混乱も
熊本地震の被災者を支援するための「義援金」の募集が、さまざまな支援団体や自治体で始まっています。しかし、それぞれの組織に義援金を渡すと、どの地域で、どのように使われるのでしょうか。調べてみると、かなり複雑で、被災地では使い道をめぐって混乱があることも分かりました。
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熊本地震の被災者を支援するための「義援金」の募集が、さまざまな支援団体や自治体で始まっています。しかし、それぞれの組織に義援金を渡すと、どの地域で、どのように使われるのでしょうか。調べてみると、かなり複雑で、被災地では使い道をめぐって混乱があることも分かりました。
熊本地震の被災者を支援するための「義援金」の募集が、さまざまな支援団体や自治体で始まっています。しかし、それぞれの組織に義援金を渡すと、どの地域で、どのように使われるのでしょうか。調べてみると、かなり複雑で、被災地では使い道をめぐって混乱があることも分かりました。
義援金の受け付け窓口として広く知られているのが、日本赤十字社と共同募金会です。全国の募金活動でも「日本赤十字社を通じて、被災地に送ります」といった説明を、よく耳にします。
両団体に届いた義援金は、被害に応じて、被災者に配られます。ただ、配られる対象は熊本県に限られ、重軽傷者26人が出ている大分県をはじめ、そのほかの地域は含まれていません。
なぜ、熊本県以外は義援金の対象に含まれないのでしょうか。
中央共同募金会によると、国費を投じて被災地を支援する「災害救助法」の適用を受けたかどうかで、義援金を配る地域を決めることが長年の「慣例」になっています。
今回被害が大きかった熊本県は、災害救助法の適用を受けましたが、他県は適用を受けていません。そのため、両団体を通じた義援金は、熊本県の被災者支援に集中して役立てられることになります。
一方で、大分県内では、独自に義援金を募る動きもあります。
大分市は18日から、「熊本・大分地震災害義援金」の募集を始めました。担当者は「大分でも被害は発生しており、義援金を送りたいという声に対応したい」。大分・熊本県内で役立てることが決まっていますが、独自募集のため集まる金額が見通せず、具体的な使い方は決められていないといいます。
熊本県や同県内の市町村も、相次いで義援金の受け付け口座を設けています。
熊本県に振り込んだ場合、義援金の扱いは、日本赤十字社や共同募金会と同じです。熊本県内の被災者に配られます。
一方、熊本県内の市町村は、どうでしょうか。20日現在、熊本市、南阿蘇村、玉名市、西原村、宇城市、大津町、菊陽町などが、ホームページで振込先口座などを公開しています。
これら市町村に振り込んだ義援金は、その市町村の中で役立てられることになります。
ただ、使い道をめぐっては、被災直後のため混乱も見られます。
玉名市では20日昼まで、ホームページで「玉名市の被災者への義援金」と題して募集していました。しかし、義援金は被災者に配るのではなく、市内の復旧事業にあてる計画でした。
ホームページに掲載する際、手違いがあったといい、現在は「玉名市への義援金」に表記を修正。「皆様からの義援金を被災者に配布するような誤解を与える表現がございました」と、お詫びを掲載しています。
熊本市では19日から「被災された方への義援金」と題して募集しています。しかし、この募集の仕方では集まったお金が、市の復旧事業には使えません。そのため、20日になって、追加で市への寄付金の募集を始めました。
宇城市の担当者も「全国から義援金について多数の問い合わせをいただき、臨時の口座を開いたところです。市の復旧にどう役立てるか、使い道は今後検討したい」といいます。
どの地域で、どのように役立てられるのか。細かく見ていくと、窓口によって様々な違いがあります。義援金を贈る際には、参考にしてもいいかもしれません。
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