地元
ハチロクのエンジンにプリンが収まった…群馬ならではのコラボの理由
伝説のドリフトマシン「ハチロク」のエンジンブロックに、シリンダーならぬプリンが収まる――。峠の走り屋を題材にしたコミック「頭文字D」にインスパイアされたスイーツが、作品の舞台である群馬県にお目見えしました。
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伝説のドリフトマシン「ハチロク」のエンジンブロックに、シリンダーならぬプリンが収まる――。峠の走り屋を題材にしたコミック「頭文字D」にインスパイアされたスイーツが、作品の舞台である群馬県にお目見えしました。
伝説のドリフトマシン「ハチロク」のエンジンブロックに、ピストンならぬプリンが収まる――。峠の走り屋を題材にしたコミック「頭文字D」にインスパイアされたスイーツが、作品の舞台である群馬県にお目見えしました。「聖地」の峠を訪れる走り屋やファンが集える場を作ろうとスイーツ店の社長が開いた、本格カフェで堪能できます。
「頭文字D(イニシャルD)」は、「週刊ヤングマガジン」(講談社)に連載されていた、しげの秀一さんのコミック作品。峠道でスピードを競う走り屋の若者たちを描き、アニメや映画、テレビゲームなどのメディアミックス展開で人気を集めました。
なかでも、非力な旧型ながら華麗なドリフト走行で最速を誇った、主人公・藤原拓海の愛車である1980年代のトヨタ・スプリンタートレノ(AE86型)は「ハチロク」の愛称で親しまれ、中古車市場ではプレミアが付いています。
藤原拓海たちが夜な夜なけたたましいスキール音を響かせてしのぎを削った群馬の峠。その一つである榛名山のふもとで、ファン垂涎のスイーツが誕生しました。
地元でプリン専門のスイーツ店「クレヨン」を営む岡田誠さん(48)が、同店に隣接する形で3月18日に開業したカフェ「D'Z GARAGE(ディーズガレージ)」。その出店の目玉として企画したのが、劇中のマシンのカラーリングにちなんだ5種類のプリンです。
ハチロクは藤原拓海の家業である豆腐店の配達車両でもあることから、豆乳を用いた白いプリン。黒いストライプの入ったガラス瓶に入れ、独特の白黒「パンダ」カラーを表現しました。
このほか、中里毅のR32型スカイラインGT-Rのブラックパールメタリックは竹炭で再現。庄司慎吾のEG6型ホンダ・シビックのレッドはブラックオレンジ。高橋啓介のFD型RX-7のイエローは、冬はカボチャ、夏はマンゴーと旬の食材を使用……といったように、それぞれ味覚にもこだわっています。
そして圧巻なのが、そのプリンたちを容器ごと収容できる「プリンケース」。ハチロクのエンジンブロックをアルミ削り出しで再現してしまいました。「プリンのガラス瓶がエンジンのピストンに見えてきた」(岡田さん)のが誕生の理由です。
ハチロクに積まれる、当時のレースでも活躍した高回転型の直列4気筒ツインカム16バルブエンジン「4A―G」型をイメージ。ピストンが上下する穴や冷却水の通路などの細かいディテールも表現されています。
4気筒エンジンなので当然、シリンダーは四つ。収容するプリンが5種類なので一つあぶれてしまうのはご愛敬です。
友人である熟練の木型職人に依頼して精巧な造形にこだわりました。オールアルミ製で精密な加工が必要なため6万5千円と高価ですが、すでに三つ注文があるそうです。
ディーズガレージは、自らもRX-7を乗り継いできたクルマ好きの岡田さんが、「マンガやクルマをきっかけに若者が集まることで地域振興に役立てたら」との思いから開業しました。岡田さんの提案に講談社も快諾。スイーツ商品化の許諾や店内のディスプレーなどで協力しています。
ともすると騒音や速度超過で地元住民の目の敵にされがちな走り屋カルチャーですが、観光スポットとしての期待から行政もバックアップ。渋川市が管理する緑地公園の駐車場を来客が利用できるなどのサポートを用意しているそうです。
岡田さんは「将来は劇中のチューニングカーを集めて交通安全を啓発するイベントを開くなどして、クルマ文化への理解を広げていきたい」と話しています。
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