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2016年03月06日

テレビの「文化人」になってみた ギャラは?メリットは? 北条かや

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テレビ番組で共演したパトリック・ハーランさん(左)と若新雄純さん(右)と記念撮影

テレビ番組で共演したパトリック・ハーランさん(左)と若新雄純さん(右)と記念撮影

出典: 北条かやインスタグラムから


 テレビをつければ、たいてい「文化人」がいる。タレントでも、芸人でもない「文化人」。ギャラを安く済ませたい制作側と「本業」の宣伝をしたい出る側、それぞれの思惑が透けて見える。実際のところ、出演料の相場は? ゴールデンの番組に出れば本は売れるのか? 「よろしければ、うちにいらっしゃいませんか?」。ゲスト出演した番組が縁で、声をかけてもらった芸能事務所と契約。今年1月から「文化人」になってみた。

「思い上がっている」陰口を心配

1年ほど前から、TOKYO MXが放映する朝のニュース番組「モーニングCROSS」に時々、ゲスト出演させてもらっている。2015年秋、たまたまオスカープロモーション所属の方と共演し、そのマネージャーさんに声をかけて頂いた。「よろしければ、ぜひうちにいらっしゃいませんか?」

正直、悩んだ。私のように知名度の低いライターが、大手芸能プロダクションと契約していいものか。「思い上がっている」と、陰口を叩かれないか。いろいろ心配で、お世話になった人に相談した。

テレビで共演する機会の多い堀潤さんと記念撮影

テレビで共演する機会の多い堀潤さんと記念撮影

出典:北条かやインスタグラムから

メリットとデメリットを整理してみた

私流に解釈すると、「芸能事務所に所属するメリットとデメリット」は、以下のようになる。

<メリット>
・事務所が営業してくれるので、メディア露出が増え、「本業」との相乗効果がある(私の場合は、書籍の売上や、ライター業の依頼増につながる)
・テレビの出演依頼があった場合、詳細内容のヒアリングや、ギャラの交渉、請求をしなくてすむ(個人でやっていると、ギャラの提示がない番組がとても多い上、企画概要もハッキリせず、出るか悩むことが多い)
・大手の事務所なら、無理な契約(仕事の強要など)はさせないので、安心感がある

<デメリット>
・当たり前だが、テレビのギャラは事務所に何割か引かれる(そんなに「儲からない」)
・仕事の幅を広げたいからといって、複数の事務所に所属することはできない(たとえばジャニーズ事務所のタレントが、別の事務所にも所属することはできない)

「所属」ではなく「業務提携」に

総合的にみれば、「メリット」が上回るのではないかと直感した。テレビの仕事は個人で受けるより、事務所を通してもらった方が「ラク」だ。とはいえまだ心配で、直接マネージャーさん(になるであろう方)にいくつも質問した。

もし契約したら、プロフィールはどこまで公開されるのか。ライターの仕事依頼は、事務所に報告する必要があるのか。しつこいくらい、色々確認した。

何回か話して、事務所には「所属」ではなく「業務提携」にしてもらった。敏腕マネージャーさんが、提案してくれたからだ。テレビとラジオの仕事だけは、事務所を通して受ける。それ以外の「本業」は、これまで通り自分でマネジメントする。

オスカープロモーションのタレント紹介では「文化人」枠に

オスカープロモーションのタレント紹介では「文化人」枠に

出典:オスカープロモーション

「文化人」が起用される理由

「文化人枠」は、ここ数年アツいカテゴリーだ。視聴率不振と、それにともなう広告費の減少(最近は少し持ち直しているが)にあえぐテレビ局は、番組制作コストを削ろうとしている。そんな制作側にとって、文化人は起用しやすい存在だ。

弁護士や医師、経営者など、なんらかの専門分野をもつ人たちは、「ちょっとためになる話」や「面白いキャラ」で、視聴者を楽しませてくれる。

おまけに「文化人」は、一般的なタレントと比べて相対的にギャラが安い。関係者によると、1回の収録で、だいたい3~4万円くらいが相場だという。他に仕事をもつ彼らにとって、テレビ出演は「本業」ではない。本業以外で、高いギャラは要求できない。その道の「プロ」ではないからだ。

制作側も、「あなたは本業のエンターテイナーではありませんね? だったら多額のギャラはお支払いできません」と、やや強い姿勢に出られる。そんな事情もあって、今では結構な数の「文化人」が、日々お茶の間を賑わせている。

中には林修先生や尾木ママのように、もはやタレントと化した”スーパー文化人”もいるが、多くはきっと「専門家っぽい人」として、同じようなギャラだと思う。「私もライターとして、その1人になるのかなぁ~」なんて思いながら、芸能プロダクションの契約書にハンコを押した。緊張で手が震え……というのはウソで、けっこう冷静だった。

「スーパー文化人」の林修さん(左)と尾木直樹さん

「スーパー文化人」の林修さん(左)と尾木直樹さん

出典: 朝日新聞

「芸能人だね!」コメント頂いたけれど…

晴れて、私は「文化人」になった。2016年1月、ライター業のかたわら、オスカープロモーションと契約し、同事務所のいわゆる「文化人枠」に入ったのだ。告知をすると、フェイスブックページのPV数は通常の3倍になり、「おめでとうございます!」とか「芸能人だね!」、「いよいよ第2ステージへ進まれるんですね」などのコメントを頂いた。

が、芸能事務所と契約したからといって、私の仕事はほとんど変わらない。日々、取材をしたり、コラムを書いたり、対談やインタビューをこなしたりするだけだ。

「すげー!」「チャンネル変えた!」予想外の「スゴさ」

冷静じゃなかったのは、むしろ地元の友人だ。先日、テレビ朝日系のクイズ番組「Qさま!!」に出たときのこと。私は外食中で、リアルタイムの放送は見ていなかった。ところが、地元友だちとのグループLINEが、異様な盛り上がりを見せていたのだ。

「今、お父さんから電話があって、かやちゃんがテレビ出てるって!」
「チャンネル変えた!」
「すげー!」
「事前に言ってよね~」
「××ちゃんからもLINE来て、かやさんがテレビ出てるって~!」

遠い親戚も、偶然「Qさま!!」を見たらしい。「すごいね」とLINEが来た。普段テレビを見ない私は、正直、自分がゴールデンタイムの番組に出ることに、そこまで「スゴさ」があるとは思っていなかった。

「Qさま!!」出演前に記念撮影

「Qさま!!」出演前に記念撮影

出典:北条かやインスタグラムから

これまでと「別の層」の存在発見

帰り道、「ゴールデンタイムは、視聴者も多かろう。ツイッターやインスタグラムのフォロワー数も増えているのでは」と期待して見たら、なんと「70人」しか増えていなかった。ウェブで炎上した時は、一気に200人も増えたのに。

拙著のAmazonランキングも、あまり変わらなかった。このギャップよ。ネットユーザーと、私の本の読者層は、かなり重なっている。が、ゴールデンタイムのテレビを見ているのは、また別の層だったのだ。

どうやら、私はこれまでの「ネット向け」と、今後は「テレビ向け」の顔も作っていく必要がありそうだ。テレビは毎回、楽しいし勉強になるが、「本業」との距離感を測ることができたのは、大きな成果だった。

大学院時代にキャバ嬢としてキャバクラで働きながら調査をし、「キャバ嬢の社会学」を出版したのが2014年のこと。実際に現場で体験したことで「女を売りにする人たち」という先入観は粉々に砕かれた。さて、今回の「文化人」をめぐる社会調査では、どんな結果が出るのか。まだ第一章は始まったばかりだ。

ほうじょう・かや ライター。若者論やジェンダーの問題を中心に執筆。『キャバ嬢の社会学』『整形した女は幸せになっているのか』(いずれも星海社新書)。新著に『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)。(撮影:青山裕企氏)

ほうじょう・かや ライター。若者論やジェンダーの問題を中心に執筆。『キャバ嬢の社会学』『整形した女は幸せになっているのか』(いずれも星海社新書)。新著に『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)。(撮影:青山裕企氏)

出典:https://twitter.com/kaya_hojo


北条かや『キャバ嬢の社会学』

何人知ってる?日本の文化人 【あ】阿川佐和子→【わ】渡辺淳一
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【あ】阿川佐和子さん(作家)
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