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「合格への切符は売ってない」 水戸駅から受験生へ、粋なエール送る
茨城で県立高校入試があった本日3日。JR水戸駅にメッセージボードが掲出されました。
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茨城で県立高校入試があった本日3日。JR水戸駅にメッセージボードが掲出されました。
茨城で県立高校入試があった本日3日朝、JR水戸駅にメッセージボードが掲出されました。この時期に駅員が黒板やホワイトボードで卒業生ら向けのメッセージを書くケースは多いですが、水戸駅はちょっと粋なエールになっていて、ネット上で話題になっています。「あいにくですが当駅では合格への切符は販売致しかねます。お求めの方は今まで努力してきた自分を信じてそのままお進み下さい」。頼るのではなく、自分を信じてほしい。そんなメッセージに込めた思いを聞きました。
水戸駅に置かれたホワイトボード。そこには「受験生のみなさまへ」と題したメッセージが書かれていました。
「あいにくですが当駅では合格への切符は販売致しかねます。お求めの方は今まで努力してきた自分を信じてそのままお進み下さい。本日もJR東日本水戸駅をご利用下さいましてありがとうございます。水戸駅一同応援しております」
このメッセージを見た人がツイッターに画像を投稿すると、「いいこと言います」「カッコよすぎ」と話題になっています。
頼るのではなく、自分を信じてほしい。そんなメッセージを書いた理由について、水戸駅の担当者に話を聞きました。
――メッセージを掲示したのはいつからでしょうか?
「茨城県立高校の入試当日に合わせて、朝7時ごろから水戸駅改札前に掲示しました。また、ディスプレーにも同時刻からメッセージを表示しました」
――今も掲示しているのですか?
「現在は掲示しておりません。ディスプレーには15時ごろから『お疲れさまでした。お気をつけてお帰りください。』のメッセージを掲示中です」
――合格に関する記述がありますが、誰に向けたメッセージなのでしょうか?
「本日3月3日は茨城県立高校の入学試験当日です。水戸駅の最寄りの県立高校に向かう受験生に向けた応援メッセージとして掲示しました」
――ひねりをきかせたメッセージにした理由を教えて下さい
「私たち駅員だからこそのフレーズで受験生を応援したいと思い、採用1年目の係員でアイデアを出し合いました。そこで、多くの“きっぷ”を発売させて頂いている私たちが販売(発売)できない『合格への切符』というフレーズと『お進みください』という列車を運行する上での進行信号(青信号)のアイデアで応援メッセージを作成しました」
――メッセージに込めた思いを教えて下さい
「受験生は目標に向かって日々努力をされています。私たちも思い起こせば緊張と不安、さらに高校生活への期待など複雑な気持ちの中で受験をした記憶があります。そこで、『がんばってください』という言葉ではなく、少しでも肩の力を抜いて、これまで努力してきた自分を信じて、ベストを尽くしていただきたいという思いを込めて、受験生への応援メッセージとさせていただきました」
――話題になっていることについて感想をお願いします。
「受験生の緊張した気持ちを少しでも和らげることが出来れば、との思いで始まった計画でしたが、結果として受験生だけでなく、その保護者の方などからも温かい反響をいただき、私どもも大変驚き、嬉しく思っております。水戸駅をご利用くださった受験生、一人でも多くの学生が落ち着いて試験に臨み、日頃の成果を発揮できたことを切に願います」
――利用者に向けてメッセージをお願いします。
「日頃、水戸駅をご利用下さいまして誠にありがとうございます。本日は、茨城県立高校入学試験日ということで、普段とは違う掲示をさせていただきました。みなさまにも、慣れない列車を利用して、緊張した面持ちで試験会場へ向かう受験生を温かく見守り、ご協力いただけたこと御礼申し上げます。これからも、お客さま一人ひとりに寄り添った駅でいられるように、水戸駅一同、一丸となって邁進して参ります。みなさまの、またのご利用をお待ちしております」
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