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お金と仕事

ツイッターで話題「アートな食品サンプル」 社内コンペで技術を磨く

通常ありえないような画像がツイッターで話題になっています。

「製作コンクール」の作品
「製作コンクール」の作品 出典: イワサキ・ビーアイ提供

目次

 豆腐がマージャンの牌になっている麻婆豆腐、スプレー缶から吹き出すカレーのルー、ペラペラにスライスされたショートケーキ……。通常ありえないような画像がツイッターで話題になっています。つくったのは東京の食品サンプル会社で、ネット上では「すごいリアリティー」「写真集を出してくれたら買う」といった声が上がっています。飲食店では使ってもらえそうもないアートな食品サンプルをつくる理由について、メーカーに聞きました。

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いい湯だな~?
いい湯だな~? 出典: イワサキ・ビーアイ提供

つくっている会社は


 話題の食品サンプルをつくっているのは「イワサキ・ビーアイ」(東京都大田区)。飲食店向けだけでなく、都内の合羽橋エリアや東京スカイツリータウンの東京ソラマチなどでは「元祖食品サンプル屋」を展開。製造体験や一般向けの販売も行っています。

 最近ツイッターで話題になっている画像について、広報担当者に聞いてみると「実は何年も前に製作されたもので、社内に画像が残っていないんです」とのこと。

 これらの作品は、商品開発や技術継承のために、ほぼ毎年実施している社内コンペ「製作コンクール」のためにつくられたものだそうで、最近の作品の画像を見せてもらうことができました。

 顔だけ本物の鯛になっている鯛焼き、ラーメンでできた地球儀、バナナの皮をグラスにしたジュース……。ツイッターで話題になっている食品サンプルに負けず劣らずの個性的なものが並んでいます。

あれっ、調理されたんじゃないの?
あれっ、調理されたんじゃないの? 出典: イワサキ・ビーアイ提供

担当者に聞きました


 食品サンプルといえば、いかに本物に近づけるかという点が重視されそうな気がしますが、なぜこうしたものをつくっているのか? メーカーの担当者に話を聞きました。

 ――製作コンクールについて教えて下さい

 「基本的には毎年開催していますが、昨年は4年ぶりでした。一般消費者向け事業『元祖食品サンプル屋』の立ち上げなどで時間が割けなかったためです。コンクールでは社長賞や技術賞、商品企画賞、おいしさのアート大賞などが選ばれ、入賞別に賞金も与えられます」

 ――遊び心のある食品サンプルをつくる理由は

 「製作コンクールの目的は、技術の開発や継承、商品開発です。普段はお客様のオーダーに忠実なものづくりを目指していますが、コンクールは『つくりたいものをつくれる』場であり、通常業務の枠組みから離れて自由な発想のもと、持てる技術と経験の全てを注げることから、超リアルな作品や遊び心のある作品へとつながっています」

ラーメンの地球儀
ラーメンの地球儀 出典: イワサキ・ビーアイ提供

なぜリアルにこだわる?


 ――リアルさを追求する理由は

 「登山家が『そこに山があるから』と同じ感覚です。製作スタッフは互いに切磋琢磨(せっさたくま)して刺激を受け、技術の向上を目指すものです。弊社は製作スタッフが多いことから、互いに刺激を受け、交流を通して技術の向上が行われ、リアルな食品サンプルが日々進化し続けていると思います」

 ――食品サンプルの製作体験や販売もしています

 「創業から85年の歴史の中で培った技術や文化を活かし、『食品サンプルの表現力で驚きと感動を』をテーマに、ユニークで楽しい商品やサービスを展開し、他では味わえない感動体験を提供するためです」

 ――御社にとって食品サンプルとは

 「店頭から店内に誘導するプレゼンテーションツールで、日本独自の食文化だと考えています」

 ――ユーザーもしくは消費者に対してメッセージを

 「食品サンプルも時代の変化と共に進化を遂げ、今日も全国各地の飲食店様の店頭で、お客様の安心感づくりと集客に力を発揮しています。また、近年増加する訪日外国人の方々に『古くて新しい誘客ツール』としても高い評価をいただいております。日本の誇る食品サンプルの技術と伝統を皆様により身近に感じていただき、日本の誇るべき食文化の発展のため、世界に発信していきたいと考えています」

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