お金と仕事
ペン型「ゆかり」品切れ続出 社長の「夜のクラブ活動」から商品化
赤しそのふりかけ「ゆかり」の三島食品。この会社が昨年7月に発売した「ゆかり ペンスタイル」が今月上旬、突然品切れになりました
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赤しそのふりかけ「ゆかり」の三島食品。この会社が昨年7月に発売した「ゆかり ペンスタイル」が今月上旬、突然品切れになりました
赤しそのふりかけ「ゆかり」をつくっている三島食品(本社・広島市)。この会社が昨年7月に発売した「ゆかり ペンスタイル」が今月10日に、突然品切れになりました。もともと人気の商品でしたが、ネット上で話題になって半日で1カ月分の注文が入ったそうです。ペンのように胸ポケットにさして手軽に持ち運べるこの商品。なぜペンだったのか? 開発の経緯などを聞きました。
「ゆかり ペンスタイル」は、三島食品の主力商品「ゆかり」のデザインやカラーを踏襲したペン型ふりかけです。
サイズは長さ14センチ、直径1.5センチで、容量は6グラム。ペン先の直径3ミリの穴から、ゆかりが出てくる仕組みで、使い終わった後は、袋タイプのゆかりを詰め替えることができます。
発売されたのは昨年11月。当初は銀座にある広島県のアンテナショップと、広島県内にある「道の駅舞ロードIC千代田」の2カ所で販売していました。入荷すると即完売という状況が半年以上続き、今年7月からは三島食品の通販サイトでも販売しています。
もともとは、毎日ふりかけを持ち歩くという三島豊社長のための試作品でした。普段から焼酎にゆかりを入れて飲むという社長が、夜のクラブで女性たちを前に使ったところ、「これ欲しい」と話題になり、商品化することに。
ところで、なぜペン型だったのか? 広報担当者はこう説明します。
「実は、静岡のお茶屋さんが粉末茶を持ち歩くために企画した容器なんです。うちの社長が『持ち歩く際に袋だとかさばるので、何かいい入れ物はないか』と言っていて、社員がこの容器を見つけたんです」
当初の生産量は1日100個程度。工場の空いたスペースで手作業でつくっていました。その後、社長が使う様子をfacebookで紹介したところ、口コミで話題に。現在では生産を半自動化し、1日800個ほどつくっています。
今月上旬、ネットニュースのサイトで相次いで紹介され一気に拡散。10日昼ごろから通販の注文が増えはじめ、その日の夜に注文を締め切ったといいます。ツイッター上では、この商品について、こんな声が上がっています。
「これめちゃめちゃ欲しいんだけど」
「ネタとしては最高」
「本当にあるのか」
「スパイのようにさりげなくかけられる」
こうした反応を受けて、三島食品の広報担当者はこう話します。
「突然のことで驚いていますが、みなさまに興味をもっていただき、大変ありがたいです。税別で1本500円しますが、ネット通販だと同じくらい、もしくはそれ以上の送料がかかります。それでもこんなにご注文いただけるのは、値段ではない価値を見いだしていただけたのだと、嬉しく思っています」
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現在、三島の通販サイトでは品切れ中。次回出荷予定は12月17日だそうです
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