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ネットの話題

ガチな鉄道事故訓練が話題 現役車両ドアを破壊「なんでこんなに…」

香川県の鉄道会社が毎年行う事故対策訓練が、ネット上で「ガチすぎる」と話題に。どんな内容なのでしょうか。

前方部をすごい量の竹と石で覆われた、高松琴平電気鉄道の車両。20日の事故対策訓練で
前方部をすごい量の竹と石で覆われた、高松琴平電気鉄道の車両。20日の事故対策訓練で 出典: 高松琴平電気鉄道提供

目次

 香川県内で3つの路線が走る高松琴平電気鉄道(ことでん)。毎年1回行われる事故対策訓練が、ネット上で「本気度がすごすぎる」「なんでこんなにガチなの?」などと話題を呼んでいます。いったい、どれくらい本格的なのか担当者に聞いてみました。

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現役車両のドアを…

 同社で年1回行われる「総合事故対策訓練」。今年も11月20日に高松市内の車両所で開かれ、社員や消防隊員ら約120人が参加しました。訓練に使われているのは現役の車両です。

 走行中の電車が線路に流れ込んだ土砂に乗り上げて脱線、乗客が負傷。さらに運転士は意識不明となり、運転室に閉じ込められてしまったという想定です。実際には運転室はつぶれてはいませんが、シナリオ上はひしゃげた運転室に意識がないまま閉じ込められているという設定です。

 運転士をどうやって救出するか――。それが今回の最大の見せ場でした。

 さて、電車の前方部はかなりの量の竹や石でふさがれています。すると突然、消防隊員はエンジンカッターを起動。まさか……そうでした。なんと火花を散らしながら現役車両のドアをぶっ壊してしまったのです。

火花を散らしながらエンジンカッターで電車のドアをこじあける消防隊員=同社提供
火花を散らしながらエンジンカッターで電車のドアをこじあける消防隊員=同社提供

「なんでこんなにガチ?」ツイッターで話題

 決して安くない鉄道車両。そのドアを完全に破壊してしまうとは……。ことでんのマスコットキャラクター、ことちゃんも公式ツイッターで「今年はさらにガチ度をあげました」と強調しています。


 これには驚きの声が上がりました。




「電車切ってみたい」を実現

 訓練を担当しているのは同社運輸サービス部リーダーの濱中祐紀さん(31)。濱中さんは3年前から訓練内容を策定する立場にあります。話を伺いました。

――現役車両のドアを切断してしまうほどの気合の入れよう、すごいですね。

「私は担当して3年目なんです。最初の年は、地震が起きて木が倒れてきたとの想定で、電車の中に樹木を突っ込みました。昨年は踏切でトラックと衝突、トラックの積み荷から火が出たという内容でした。ただ、消防署の方々からよく言われたのが『電車を切ってみたい』と。さすがに廃車にする予定もないので、それは難しいとお断りしてたんですよ」

「それでも何とか実現させたいという思いもあって、思いついたのがドアを作ってしまうということでした。今回の訓練でカッターを使ったドアは当社の工場で作ったもので、実際より多少は薄い1.6ミリの厚さの鉄ですが、見た目も質感もそっくりでした。本物のドアを取り外してそれをはめたんです。消防の方々は真剣そのもので、火花をまき散らしながらやってもらえました」

――琴電さんがここまで訓練に力を入れるのはどうしてですか。

「これだけの総合訓練は1年で1回だけです。万が一の時が起きた時にどういう風な流れで対応できるか、各部署がその役割を再認識できるチャンスです。会社としての安全管理体制が試される一番の機会なので、力は入りますね」

――気が早いですが来年はどんな内容に?

「決まってないですね(笑)。いろいろやってみたいのはあるんですが。でも、『ガチだ』ということには変わりはありません」

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