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1日で売り上げ2兆円! 中国「独身の日」、なぜ「爆買いの日」に?

たった1日で912億元以上(約2兆円)が動く、中国の「独身の日」。ネットショッピングの日として定着した理由とは?

たった1日で912億元(約2兆円)を売り上げた、中国「独身の日」のアリババグループのネットショップの売り上げ数字=ロイター
たった1日で912億元(約2兆円)を売り上げた、中国「独身の日」のアリババグループのネットショップの売り上げ数字=ロイター

目次

 中国のネットショッピングの日として、すっかり定着した「11月11日」。ネット上では「爆買い」と呼ばれるほど熱気があふれます。業界大手のアリババが運営するサイト(淘宝)では、開始からわずか12分程度で取引額が100億人民元(約2000億円)を超え、その日、全体で912億元以上(約2兆円)の取引額に達成しました。なぜ「独身の日」が「爆買い」の日になったのでしょうか?

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1111=独身男性

 「独身の日」は、伝統的な祝日でも、西洋から伝来したものでもありません。中国では、男性の独身者を「光棍」(直訳すると「つるつる棒」)と呼んでいます。11月11日の「1」が四つの棒に見えることから、最初「光棍節」と呼ばれていました。

 「光棍節」を最初的に普及させたのは、1990年代の南京市の男子大学生だったという説が有力です。それが、いつの間にか、独身女性も「光棍」と自嘲し、楽しむようになり、「独身の日」が広がりました。

中国の「独身の日」のため、ネットショップの宅配センターの作業風景=中国・廊坊、ロイター
中国の「独身の日」のため、ネットショップの宅配センターの作業風景=中国・廊坊、ロイター

独身を楽しむ? それとも…

 独身の日には、二つの意味が込められています。
 
 一つは「独身万歳」、つまり独身を楽しむことです。多くのショップは「独身の日」に合わせてセールなどをして盛り上げます。これは、現在のネットショッピングの「爆買い」につながっています。「爆買い」し過ぎて、出費を悔やみ「剁手(手を切り落としたい)」という言葉が流行語になるほどです。

 もう一つの意味は独身に別れを告げる「脱光」です。11月11日に合コンやお見合いをする人が少なくありません。「11月11日」は「一夫一妻、一生一世」という誓いが含まれていると考えられていて、婚姻届を出すカップルが増えています。雲南省のメディア『春城晩報』の報道によると、朝7時前に区役所(結婚登録所)に行き、多くの若いカップルが列を作ったと伝えています。

関連リンク:「独身の日」の様子を伝える「春城晩報」の報道『爆買いすぎて手を切りたい一方 昆明市で472組が結婚へ』
中国の「独身の日」のため、ネットショップの宅配センターの作業風景=中国・廊坊、ロイター
中国の「独身の日」のため、ネットショップの宅配センターの作業風景=中国・廊坊、ロイター

芸能人も「便乗」

 11月11日に合わせて、中国版ツイッターの微博では、有名人やスターが結婚を報告するケースも少なくありません。今年の「独身の日」には、台湾の周渝民(ヴィック・チョウ)の結婚報告や香港の古巨基(レオ・ク)が披露宴などをしました。
 
 一方、「脱光」を目指して成功できなかった人は、「独身ワン」(単身狗)と自嘲する傾向があります。有名な女優、李氷氷は自身のブログ新浪微博でかわいいワンちゃんと一緒の写真をたくさんアップロードしました。また台湾出身の女優、林志玲(リン・チーリン)も微博で独身であることをあらためて表明しました。

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