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大村智さん、美術館丸ごと故郷に寄贈 特許料は「食べるだけで十分」
ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授。故郷である山梨県韮崎市にコレクションを新築の美術館ごと寄付しています。
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ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授。故郷である山梨県韮崎市にコレクションを新築の美術館ごと寄付しています。
ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授(80)。現役の研究者でありながら、美術愛好家としても知られています。2007年には、故郷である山梨県韮崎市にコレクションを新築の美術館ごと寄付。購入費だけで総額5億円にのぼりますが、故郷への恩返しであり「若い人たちへの投資でもある」と語っています。
北里研究所名誉理事長でありながら女子美術大理事長も務める大村さんは、絵画や陶器、彫刻など美術品の著名な収集家として知られています。特許料の大半を購入に充てた約3500点にのぼる作品群は「大村コレクション」とも呼ばれています。
薬の開発関連の特許料は北里研究所に入った分だけで250億円。しかし、本人は「食べるだけで十分」と、研究所の経営再建や病院建設にも巨費を投じました。残りを上村松園や三岸節子ら女性画家を中心とした美術品の収集に充ててきました。
そのうち1500以上の作品が2007年、これらを収蔵する新築の美術館ごと、生まれ故郷の山梨県韮崎市に寄贈されました。
美術館は大村さんの生家近くにあり、鉄筋コンクリート造り2階建て。喫茶室も兼ねた部屋を含め、展示室は3室あります。敷地面積は2627平方メートル、延べ床面積は478平方メートル。同じ敷地には日帰り温泉施設もあります。
展示・所蔵品の購入費だけで総額5億円にのぼり、美術館の建設費も2億円以上。大村さんは開館当時、「この美術館は、若い人たちへの投資でもある」「美術品は人類の共有財産。美術品を鑑賞する喜びを皆さんと分かち合いたい」と説明。地元を選んだ理由は、「人として大事なことは恩返しすること」と語っていました。
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