お金と仕事
「メガネ専用」日本酒、早くも品薄 裸眼でもOK?蔵元に聞きました
宮城県栗原市にある老舗酒蔵が造った日本酒が話題になっています
宮城県栗原市にある老舗酒蔵が造った日本酒が話題になっています。その名も「萩の鶴 メガネ専用」。眼鏡をかけていなければ買えないという訳ではなく、杜氏(とうじ)や蔵人がメガネを着用して造った酒です。10月1日は「日本酒の日」ですが、実は「メガネの日」でもあります。このことに引っかけた遊び心あふれる酒ですが、ある酒屋さんがツイッターでつぶやくと一気に拡散。売り切れが相次いでいます。
話題になったきっかけは、青森県平内町にある酒店「辻村酒店」の「メガネ専用日本酒現る!」というツイートでした。
メガネ専用日本酒現る!【青森の地酒 つじむら酒店】#日本酒 #めがね
http://t.co/tnoXQHjyVs pic.twitter.com/AxfruRkrcv
— 辻村酒店 (@daichang0422) 2015, 9月 29
リンク先のホームページには、酒の説明や味のデータグラフがあります。
辻村酒店の代表・辻村大さん(34)によると、以前から取引のあった萩野酒造が「メガネ専用」を出すと聞いて、こう思ったそうです。「年配の方に味の良さを説明するよりも、若い人に向けてツイッターやホームページで紹介した方がいいな」
狙いは当たって、半日ほどで6000リツイートを越え、商品もあっという間に売り切れ。辻村さんは「売り切れと知って、他の酒店を探した方が多かったようです。萩野酒造さんは他にも『萩の鶴』や『日輪田』といったおいしいお酒を造っています。今回の件で、全国の他の日本酒にも興味を持ってもらえたら」と話します。
萩野酒造は1840年創業の老舗酒蔵です。「自分が飲んで本当に美味しいと思える酒」をめざし、良いものを少しだけ造るというコンセプトで酒造りをしています。
眼鏡の日本酒を造った理由について、専務取締役の佐藤曜平さん(35)に話を聞きました。
――きっかけを教えて下さい
「冬に仕込んでおいたお酒を出荷するにあたって、どんな商品にしようかと考えていたら、10月1日が『日本酒の日』だけでなく、『メガネの日』でもあると知りました。そして、酒造りにかかわる蔵人たちが全員メガネをかけていたのに気づいたんです。後付けの理由ですね」
――どんなお酒ですか
「力強い生の原酒です。酵母が生きているため、口に含んだときに微炭酸でピリッとします」
――苦労した点は
「普段からのことですが、酒造りのときは、米を蒸すときの湯気や、外との寒暖差でメガネがくもります。一番大変だったのはラベルのデザインです。視力検査のマークをつけるなど、インパクトとわかりやすさを重視しました」
――ネットで話題になっていますが
「予想以上の反響に驚いています。小さな蔵ですので、来年については品質を落とさないで提供できる環境や材料がそろえば、できる範囲で増やそうとは思っています」
◇ ◇ ◇
1升ビンと4合ビン、それぞれ1000本ずつ生産したそうですが、すでに売り切れが相次いでいるようです。直接、蔵を訪ねても販売や見学はできないので、ご注意ください。
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