お金と仕事
「社長の声が流れる自販機」、MKタクシーが導入 従業員の士気は?
ダイドードリンコが、ちょっと変わった自動販売機を開発しました。設置先の社長の声で、買った人に話しかける機能がついているのです
お金と仕事
ダイドードリンコが、ちょっと変わった自動販売機を開発しました。設置先の社長の声で、買った人に話しかける機能がついているのです
飲料大手のダイドードリンコが、ちょっと変わった自動販売機を開発しました。設置先の社長の声で、従業員にねぎらいと感謝の言葉をかける機能がついた自販機です。導入したのはエムケイタクシーの営業所。社内コミュニケーションの活性化を狙った自販機ということですが、従業員はどう受け止めているのでしょうか?
お金を投入すると「はい。身だしなみを整えて、笑顔をつくって」と青木信明社長の声。
次に商品選択ボタンを押すと「お疲れさん」。商品を取り出すときには「いつも頑張ってくれてありがとう」「今日も無事故で安全運転してや」と音声が流れます。
自販機の正面部分には、身だしなみをチェックするための鏡や、社長の写真付きの「水分とってる?」と書かれたメッセージが掲げられています。
この自販機、8月6日からエムケイの5つの営業所で導入されました。ダイドーの「おしゃべり機能」がついた自販機を応用して、エムケイ向けにカスタマイズしたそうです。
ダイドーの飲料部門における売上比率は、自販機が85%と圧倒的に高いため、自販機を「お店」と捉えて機能充実に努めています。現行型では、お客とのコミュニケーションを図る目的で、おしゃべり機能を標準で搭載しています。
今回の自販機について、ダイドーの広報担当者は、こう説明します。
「自販機業界を取り巻く環境が厳しくなるなか、いかに良いロケーションを確保するかが重要になってきています。弊社では、従来の飛び込み営業などに頼ることなく、営業先の課題を解決するツールとして自販機を活用していただく『課題解決型』の営業を実践しており、その中でエムケイタクシー様に今回の提案をいたしました」
ツイッターでは、効果について辛口な意見が目立ちます。
「踏み絵すぎる」
「売り上げ落ちてたらどうすんねん」
「社長の声はうざくないが、飲み物買うたびに緊張する」
「『有給、取っていいよ』とかにすれば職場の能率上がる」
「社長のポケットマネーで飲み物自ら差し入れした方が士気が上がる」
導入から1カ月が経ったエムケイ社内では、どう受け止められているのでしょうか?
経営企画部の担当者によると「毎日、声が聞けて励みになる」「親近感がわく」といった好意的な反応に加え、「声のトーンを明るくしてほしい」「もっと現場に来て欲しい」といった声も寄せられているそうです。
担当者はこう話します。
「導入の狙いとしては、従業員のコミュニケーションだけでなく、安全運転の呼びかけという面もあります。常々『安全運転を心がけて』と口答で話したり、技術講習をしたりしていますが、同じことを繰り返すと慣れてしまい、意識が薄れてしまいがちです。そこで自販機という新しいツールを使って呼びかけているのです」
今後は、時間帯や季節に応じて異なるメッセージを流すことなどを検討しているそうです。
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