お金と仕事
掃除機コード、黄色い印の本当の意味 「もうすぐ終わり」は勘違い?
掃除機本体に収納されているコードについている黄色い印。「もうすぐ終わり」の警告かと思いきや、そうではありませんでした
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掃除機本体に収納されているコードについている黄色い印。「もうすぐ終わり」の警告かと思いきや、そうではありませんでした
掃除機本体に収納されているコード。引っ張り出していって、最後に近づくと黄色い印が、そしてこれ以上引っ張れないところまで行くと、赤い印が出てきます。この黄色い印、てっきり「もうすぐ終わり」の警告かと思いきや、実は「使用する際は黄色い印まで引っ張り出した状態で使って下さい」という意味で使われているようなのです。掃除機を作っているメーカーに聞いてみると、会社によって理由づけが微妙に異なっていました。
実はこの黄色と赤の印、JIS(日本工業規格)で定められています。JISとは、工業標準化の促進を目的とする法律に基づき制定される国家規格のことです。
掃除機の巻き取り式コードについては、以下のような記載があります。
「コードリール式のものは、コードの終端部に容易に取れない方法で黄色及び赤色の印を設け、かつ、コードをすべて引き出したとき赤印は器体の外に完全に出ていなければならない」
黄色と赤の印の間隔についても、800ミリメートルと記載されています。
どういった経緯で、この規格が定められたのか?
原案をつくった日本電機工業会によると、巻き取り式の場合、どこからどこまでをコードの長さとするかをはっきりさせるために、赤い印をつけることになったといいます。
ただし、黄色い印については「はっきりとした記載がないため、わかりません。ですが、現在は各メーカーとも『使用する際は黄色い印まで引っ張り出した状態で使って下さい』という意味で使っているようです」と話します。
それでは、この黄色い印をつける理由は何なのか? 各メーカーに聞きました。
まずは三菱電機。ホームページ上で「掃除機のコードは黄色い印まで出しましょう」と表示しています。
なぜ、引き出して使うことを推奨しているのか? 広報担当者は「コード収納部分の近くにあるモーターの発熱により、コードに負担がかからないようにするためです」と話します。
続いてパナソニックに聞いたところ、「モーターの発熱というよりは、コードを短く出した状態で掃除を始めて、徐々に遠くまで掃除しようとすればコードが引っ張られて断線するおそれがあるためです」との回答でした。
最後にダイソン。現在発売されている商品の説明書には「使用時は、電源コードを黄色い線まで十分に引き出してご使用ください。また、赤い線以上に無理に、急激に引き出さないでください。断線の原因となります」と記載されています。こちらもパナソニック同様、無理に引っ張ることで断線することを考慮して表示しているとのことでした。
モーターの発熱だったり、引っ張られることによる断線だったり、理由はそれぞれですが、いずれにせよ掃除機をかける際は、黄色い印が見える状態にした方が良いようです。
【追記】
一部メーカーでは、黄色い印に「もうすぐ終わり」という意味を込めている会社もありました。
東芝の掃除機の説明書には「電源コードの損傷を防ぐために、掃除するときには電源コードを十分に引き出す。ただし黄色いマークより長く引き出すと断線の原因になります」という注意書きに加えて、「電源コードは黄色マーク以上に引き出さない」という記述があります。
東芝グループで生活家電を扱っている東芝ライフスタイルの担当者は「黄色いマークには『ここまで引き出して使ってください』という意味と、『もうすぐコードが引き出せなくなりますよ』という両方の意味が込められています」と説明してくれました。
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