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大学の学部名、トレンドの変遷 鉱山学部からキラキラ学部ネームまで
18歳人口が減る一方で、増え続ける大学と学部。時代ごとの人気の新設学部を振り返ります。
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18歳人口が減る一方で、増え続ける大学と学部。時代ごとの人気の新設学部を振り返ります。
18歳人口が減る一方で、増え続ける大学と学部。新設と入学のいずれもハードルが低くなり「大学全入」時代を迎えました。生き残りをかける大学にとって重要な意味をもつ新設学部の名前。その歴史からは、時代ごとの世相が浮かび上がってきます。
「大学のレジャーランド化」が指摘されだした70年代後半。「総合科学部」「人間科学部」といった今までにない領域を表す学部名が現れました。
■1970年
衛生学部/鉱山学部
■1975年
総合科学部/人間科学部
・70年代後半 大学進学率が20%台後半に。「大学のレジャーランド化」との指摘も
・79年 国公立大の共通1次試験開始。大学の序列化も
80年代に入って増えたのが「情報」のつく学部です。「情報学部」というそのままの学部のほか、「経営情報学部」「図書館情報学部」といった、既存の学問と組み合わせた学部も生まれました。
■1980年
経営情報学部/情報学部/図書館情報学部/国際関係学部
■1985年
国際政治経済学部/鍼灸学部
80年代から現れ始めた「国際」は、90年代に入るとさらに広がります。「国際文化学部」「国際商学部」などが出現しています。
■1990年
国際文化学部/国際商学部/国際学部/環境情報学部
・90年 共通1次試験が大学入試センター試験に移行。私大も参加
この頃、第2次ベビーブーム世代が大学生に
・92年 18歳人口がピークの約205万人
95年にはカタカナ学部が増加しました。「コミュニケーション学部」「コンピューター理工学部」など、新しい領域を表現する方法としてカタカナが使われました。
■1995年
国際経済学部/国際経営学部/不動産学部/人間学部/コミュニケーション学部/コンピュータ理工学部
・99年 「分数ができない大学生」が話題に。学力低下が問題に
00年代には「環境」が目立ち始めます。「コミュニティ振興学部」「地域政策学部」なども生まれています。
■2000年
心理学部/アジア太平洋マネジメント学部/観光学部/メディア学部/地域学部/地域政策学部/コミュニティ振興学部/地球環境科学部/環境共生学部
・03年 国による設置認可制度が緩和
・04年 国立大の法人化。「株式会社立大学」が発足
国の認証機関による評価がすべての国公私立大に義務づけられる
05年には、カタカナの文字数がさらに増えた学部が出現します。「デジタルコミュニケーション学部」「ホスピタリティ・ツーリズム学部」など、新しい概念や分野に対応した学部が日本語ではなく、カタカナ語をそのまま学部名になっています。
■2005年
国際英語学部/心身科学部/子ども学部(幼児児童の教育や保育、子どもの問題を学ぶ)/21世紀アジア学部/ソーシャルワーク学部/社会イノベーション学部/バイオサイエンス学部/リハビリテーション学部/ヒューマンケア学部/健康プロデュース学部/危機管理学部/デジタルコミュニケーション学部/ライフデザイン学部(幼児児童の保育や福祉、障害者や高齢者の支援を学ぶ)/ホスピタリティ・ツーリズム学部(航空や観光業界で必要なおもてなしの心や語学を学ぶ)
・05年 萩国際大が民事再生法の適用を申請。定員割れによる経営難での申請は初
・07年 大学と短大の志願者に対する入学者の割合が初めて9割を超える
・09年 大学進学率が5割を超える
■2010年
シティライフ学部(都市の生活や経済、街づくり、課題解決を学ぶ)/フロンティアサイエンス学部/現代ライフ学部/マンガ学部/グローバル・メディア・スタディーズ学部
・12年 田中真紀子文科相(当時)が3大学の新設を一時不認可に
・13年 国による設置認可制度が厳格化
2015年、国が国立大に教員養成系や人文社会系学部の見直しを要請するなど、変化を求められている大学。「ポピュラーカルチャー学部」「アニメーション文化学部」など、クールジャパン戦略に対応したかのような学部名が生まれています。
■2015年
ポピュラーカルチャー学部/アニメーション文化学部/地域創成農学部/モチベーション行動科学部(自分や他人、組織を高めるためのモチベーションを学ぶ)
・15年 国が国立大に教員養成系や人文社会系学部の見直しを要請
センター試験の衣替えなどの入試改革や、定員超過の私大への助成基準を厳格化へ議論進む
※注)文部科学省の調査結果をもとに、河合塾が1970年以降の5年ごとに入学者がいる学部の種類数を集計。2015年は速報値。70年を除き、例示した学部名は各年の前後に初めて登場した
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