話題
長江の客船事故 現地で広まる「黄色いリボン」 家族に無料タクシー
長江で起きた客船の転覆事故。現地のタクシーなどでは、家族や救援に駆けつけた人を無料で乗せる「黄色いリボン運動」が広がっています。
話題
長江で起きた客船の転覆事故。現地のタクシーなどでは、家族や救援に駆けつけた人を無料で乗せる「黄色いリボン運動」が広がっています。
長江で起きた客船の転覆事故。中国政府発表によると7日までに確認された死者は432人になりました。悲しみの中、現地では、被害者の無事を祈ったり、タクシーなどが家族を無料で乗せたりする「黄色いリボン運動」が広がっています。
事故があった監利県では、6月3日から一部のタクシードライバーと市民が自発的に車に黄色いリボンをつけ、乗客の家族や救援者を無料で乗せるようになりました。
現地のメディアは、はじめ50台ぐらいから始まった運動が、現在、タクシーは200台を超え、一般市民の自家乗用車は1500台を超えたと報じています。
現地の小学校の中には、乗客の無事や犠牲者の冥福を祈るメッセージを、黄色いリボンに書いて柵などに結びつける活動も生まれています。
「黄色いリボン運動」は、今回が初めてではありません。2008年の四川大地震の時にも、家族が無事に戻ってくるよう願う人々が、リボンをつけて祈りました。そして、長江の転覆事故でも生まれた「黄色いリボン運動」は、多くの人々に感動を与えています。
「黄色いリボン運動」のほかにも、町の人々はいろいろな方法で乗客の家族らを気遣う気持ちを表しています。中国版ツイッター「微博」には「地元出身者でないと分かると、店主が食事代を、どうしても受け取ってくれませんでした」といったエピソードが書き込まれています。
地元住民の中には「家族を捜しに来た人たちに少しだけの温かさを提供し、気分が安らぐことを願っています」といった投稿をする人も出ています。
6月は中国の大学入試のシーズンで、受験生のためにホテルを予約した家庭も少なくありません。
一方、乗客の家族が監利県に入ったことで、ホテルの部屋数が一時、足りなくなる事態になりました。そのため、無料で家族に部屋を提供するホテルも出ていると報じられています。
長江は、中国で最も大きい河川で、水量が豊富です。救援活動のため、上流にある三峡ダムは放水量を減らしています。この情報を発信した「微博」の投稿は、リツイートが12万を超えるほど、注目を集めました。