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東京駅スイカ、画家めざした車掌がデザイン 芸大落ち断念、再び絵筆
購入希望者が殺到した「東京駅開業100周年記念Suica(スイカ)」。デザインしたのは、東京芸大への進学に失敗、絵描き諦めた1人の女性車掌でした。
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購入希望者が殺到した「東京駅開業100周年記念Suica(スイカ)」。デザインしたのは、東京芸大への進学に失敗、絵描き諦めた1人の女性車掌でした。
購入希望者が殺到して、一時、販売が中止された「東京駅開業100周年記念Suica(スイカ)」。デザインしたのは、東京芸術大学への進学に失敗、絵描きを諦めた1人の女性車掌でした。
記念Suicaは、東京駅の赤レンガの丸の内駅舎がデザインされています。2014年12月、1枚2千円で発売されましたが購入希望者が殺到。JR東日本が5000人と見込んでいたところ、9000人以上が行列を作る事態になり、途中で販売を取りやめました。
発売日の混乱を受けて、JR東日本は、2015年1月から2月にかけて、インターネットと郵便で購入希望を受け付ける形に変更。1人3枚まで、申し込んだ全員に販売することに。結果、購入申込枚数は、計約499万1千枚に達する人気となりました。
記念Suicaは、セピア調のデザインで8角形の図柄にドームや窓枠の意匠がおさまっています。このデザインを担当したのが、本職は車掌である鈴木裕理子さんです。
鈴木さんは、旧都立芸術高で日本画を学び、東京芸大への進学をめざしましたが、2年連続で失敗。絵描きの道を諦め、フリーターや簿記専門学校生として3年間を過ごした末、JR東日本に、2011年就職しました。
東京駅の改札担当だった時、上司から頼まれてつくった駅オリジナルの絵はがきが「プロ並みの仕上がり」と評判となり、2013年秋、100周年記念ポスターを任されました。
鈴木さんは、創建当時の姿に戻った丸の内駅舎を隅々まで観察し、「ありのままこそ美しい」と確信したそうです。落ち着いた色調で仕上げたのは、「改札でよく案内した年配の方に持って欲しかったから」と言います。
普段は常磐線の車掌を務めます。記念Suicaの想定外の人気に戸惑いながらも、休日は、沿線をデザインしてみようと、デッサンに費やすことも多いそうです。
現在の心境について、こう話しています。
「もう描くことはないと思っていた。絵筆を握るのが何より楽しい」