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沖縄人が嫌う男、キャラウェイ氏とは? 翁長知事の発言で注目
沖縄県の翁長知事が、管官房長官に対して「キャラウェイ高等弁務官と重なる」と発言し、注目されました。沖縄の人から恐れられたというキャラウェイ氏とはどんな人物だったのでしょうか?
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沖縄県の翁長知事が、管官房長官に対して「キャラウェイ高等弁務官と重なる」と発言し、注目されました。沖縄の人から恐れられたというキャラウェイ氏とはどんな人物だったのでしょうか?
沖縄県の翁長雄志知事が、菅義偉官房長官に対して「キャラウェイ高等弁務官と重なる」と発言し、注目を集めました。戦後、日本に復帰する前の沖縄で独裁的な政治をおこない、沖縄の人から恐れられたというキャラウェイ氏とは、どんな人物だったのでしょうか?
ポール・キャラウェイ氏は復帰前の沖縄の最高責任者である第3代高等弁務官として、1961年~1964年に沖縄に在任しました。陸軍中将だったキャラウェイ氏は、琉球政府のことは信用せず、数少ない親米派を重用しました。沖縄の自治権を「神話だ」と評した発言が残り、今も沖縄では批判的なトーンで語られています。
キャラウェイ氏の沖縄への姿勢を現す言葉として象徴的な発言があります。
「5FoolsよりTokyo6が怖い」
「5Fools」とは、沖縄タイムズや琉球新報など地元有力者5人を指します。「Tokyo6」は、日本「本土」から来ている報道機関を指します。キャラウェイ氏は、「本土」のメディアを通じて、日本へ特派員として来ているアメリカメディアに沖縄の問題点が知られるのを、恐れていたと言われています。
そんなキャラウェイ氏に重用されたのが、沖縄からアメリカへの留学制度を利用して留学した人たちです。留学生たちはサンフランシスコのゴールデンゲート(金門橋)にちなみ、「金門クラブ」という親睦会を結成しました。
金門クラブのメンバーは、重要な役職を与えられる人が少なくありませんでした。一方で、アメリカへの抵抗感が強い地元の人たちからは、批判的に見られる場面も少なくありませんでした。金門クラブは、「アメリカの親衛隊」と陰口をたたかれる存在になっていきました。
そんな、キャラウェイ氏を、あえて持ち出した翁長知事の発言。沖縄タイムス、琉球新報の地元2紙は4月6日、会談を伝える朝刊1面のトップ記事で「キャラウェイ」発言を引用。琉球新報は一番大きな横見出しで「『キャラウェイ重なる』」とうたいました。松元剛報道本部長(49)は「沖縄と政府のとげとげしい現状を端的に浮かび上がらせた歴史的発言」としています。
比屋根照夫・琉球大名誉教授は「問題を単純化して『辺野古か普天間か』と二者択一を迫る政府に対し、『沖縄の歴史全体を見てください。これ以上の基地はだめです』という思いを込めた痛烈な批判だったのでは。相当なメッセージだと受けとってほしい」と話しています。