お金と仕事
自転車用エアバッグ日本上陸、首に巻くだけ髪乱れず 値段は5万円
車を運転していて万が一のときに身を守ってくれるエアバッグ。ついに自転車用が国内でも発売されました。
お金と仕事
車を運転していて万が一のときに身を守ってくれるエアバッグ。ついに自転車用が国内でも発売されました。
車を運転していて万が一のときに身を守ってくれるエアバッグ。ついに自転車用が国内でも発売されました。スウェーデンで考案された商品で、首に巻いてスイッチを入れておけば、事故に遭った瞬間にヘルメットのように頭を覆う仕組みです。
2005年にスウェーデンで誕生した「HÖVDING(ホーブディング)」。1000件以上の自転車事故データを分析し、運転手の挙動を何百時間も追跡することで事故につながる挙動をデータベース化。そこにエアバッグ技術を組み合わせました。
首に巻いてチャックをあごの下まで引き上げてファスナーに付いているボタンを本体に取り付けるとセンサーが起動。データに基づいて、内蔵したセンサーが事故につながる挙動を感知すると、0.1秒で作動するそうです。
一般的なヘルメットと比べて、エアバッグの方が保護範囲が広いため、頭部全体を保護できるのが売りです。ヨーロッパの基準に適合していることを示す「CEマーク」も取得しており、海外では1万人以上が利用しているといいます。日本でも2013年からの販売を予定していましたが、エアバッグをふくらませるときに使う火薬をめぐって、法律の適用除外を受けるのに時間がかかったそうです。
バッテリー内蔵で充電方法はUSB方式。一度充電すれば18時間程度使え、バッテリーが消耗してくるとLEDの光と音で知らせてくれます。
こだわったのは機能だけではありません。まず、ヘルメットと違って頭にかぶらないため、髪形がぺちゃんこになる心配がありません。また、カバーを付け替えることで服に合わせたコーディネートを楽しむことができます。ファッションアイテムとしてのアピールにも力を入れているのです。
一方で気になる点も。本体価格が税込み5万4000円で、付け替え用カバーも5400~9720円と比較的高額です。しかも、エアバッグは一度作動すると再利用できません。万が一を考えれば安いかもしれませんが、普及を考えると「もう少し安くならないかな」と思ってしまいます。
最も気になるのは誤作動がないかどうかです。日本での販売を手がけているライトウェイプロダクツジャパン(東京)の広報担当・武田純一さんは「事故と通常の衝撃を区別するため、普段のサイクリングのデータも収集し、段差や急ブレーキ時に誤作動を起こさないアルゴリズムを完成させています」と説明します。
また、さらなる精度向上のため、作動したときの直前10秒の動きのデータを記録する「ブラックボックス」を本体に内蔵。作動後の商品の提供を呼びかけています。
武田さんは「5万円と高いですが、命を守るための商品です。ママチャリにこそ使っていただきたいと思います」と話します。