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Jリーグの試合日程、コンピュータが決めてた 秘密兵器「日程くん」
Jリーグの試合日程は、実はコンピュータが決めているんです。その名も「日程くん」。
Jリーグが3月7日に開幕します。すでに今季の試合日程は発表されていますが、どのチームがいつ対戦するのかは、じつはたった1台のコンピューターが決めています。その名も「日程くん」。正式名称は「Jリーグ・マッチスケジューラー」というソフトウェアで、リーグの知られざる秘密兵器です。
今季のJ1の開幕戦では、昇格したばかりモンテディオ山形とベガルタ仙台との「東北勢対決」、ネルシーニョ監督が就任したヴィッセル神戸と同監督が昨季まで率いていた柏レイソルの「因縁の対決」など、注目カードが組まれました。この日程を決めたのが「日程くん」です。
Jリーグでは1993年の創設以降、試合日程は手作業で作成していました。しかし、より公平性を高めるために、2004年からパソコンのソフトウェアによる作業に切り替えました。昨年、J1、J2に次ぐ3部リーグの「J3」がスタートしたのを受け、このシステムを一新。新日鉄住金ソリューションズと新たに開発した2代目「日程くん」が活躍しています。
Jリーグによると、「日程くん」には「平日のホームゲーム数を各チームで均等にする」「リーグ戦はホーム、アウェーともに3回以上連続しない」「開幕から5試合以内に、必ず2試合以上のホームゲームを含む」などのルールがプログラムされています。これに、各チームの個別事情などを考慮して最終的な日程が決まります。
昨季もJ1は最終節まで3つのチームが優勝を争う熱戦が続きましたが、こうした盛り上がりを演出する「日程くん」の貢献を、チェアマンの村井満氏も絶賛。自身のブログで「あたかも著名な脚本家のごとくエンドロールまで目を離せない『Jリーグ』という作品を書き上げているとしたら、偶然とはいえ、彼(あえてそう呼びたい)の功績を称えずにはいられない」と持ち上げています。
(朝日新聞デジタル編集部 藤田 淳)