お金と仕事
スカイマークなぜ民事再生? 日航は会社更生 経営破綻どこが違う?
スカイマークが、民事再生法の適用を申請しました。一方、日本航空は、2010年に会社更生法の適用を申請しています。同じ「経営破綻」なのに、何が違う?
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スカイマークが、民事再生法の適用を申請しました。一方、日本航空は、2010年に会社更生法の適用を申請しています。同じ「経営破綻」なのに、何が違う?
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スカイマークが、民事再生法の適用を申請しました。一方、日本航空は、2010年に会社更生法の適用を申請しています。同じ「経営破綻」でも、民事再生法と会社更生法では、何が違うのでしょうか?
民事再生法と会社更生法、違うのは、手続きや経営再建にかかる時間です。どちらの法律も、経営が行き詰まった企業が借金などの一部を債権者に棒引きしてもらい、経営再建を目指すため、裁判所に適用を申請するものです。
手続きのハードルが低くいのが民事再生法です。債権額の半分以上を握る債権者の同意などがあれば経営再建を進めることができます。
会社更生法は、担保がついている債権額ベースで4分の3以上の同意がいるなど、より厳しい条件をクリアする必要があります。
申請後にも違いがあります。
民事再生法では、申請後も経営陣がそのまま経営を続けることができます。社長が引き続き経営を担うケースも多いです。
会社更生法では経営陣は原則として退任し、裁判所が任命する「管財人」が再建を担うことになっています。日本航空は、社長が退任し稲盛和夫氏が会長に就任しました。
また、民事再生法の方が手続きも簡単で、再生計画が裁判所に認められるまでの期間も半年程度と短くなる傾向があります。
会社更生法は1~2年程度が多いといいます。しかしその分、民事再生法は借金や未払い金を棒引きする効力が弱くなります。債権者が多く権利関係が複雑な場合などは、会社更生法の方が経営再建の可能性が高まりやすいです。
再生法は2000年に施行されました。当初は主に中小企業などを想定していましたが、負債総額が数千億円に上るような大企業の申請もありました。
今は、企業の規模にかかわらず、債権者数などにより、どちらを利用するか企業側が判断しています。
スカイマークの場合は、航空機メーカーのエアバスや、飛行機を貸しているリース会社などが大口の債権者でした。一方の日本航空はスカイマークより会社の規模が大きく、債権者も多かったことなどから、会社更生法を選んだとみられています。