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グルメ

カルミン、北海道限定じゃなかった ツイッター画像で思わぬ余波

生産終了が決まったお菓子「カルミン」をめぐり、ツイッター上である噂が流れました。「カルミンは北海道限定のお菓子」というもの。そんな噂が出るくらい、北海道はローカルグルメの土地柄なのです。

なぜか北海道限定説が流れた「カルミン」。94年目にして生産中止に
なぜか北海道限定説が流れた「カルミン」。94年目にして生産中止に

 発売百周年を前に、生産終了が決まったお菓子「カルミン」をめぐり、ツイッター上である噂が流れました。「カルミンは北海道限定のお菓子」というものです。実際は、全国で売られているのですが、そんな噂が出るくらい北海道は全国屈指のローカルグルメの土地柄なのです。

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ツイッターの写真が発端に

 1921年に発売された「カルミン」は、パッケージのデザインがほとんど変わらないまま現在まで生産され続けました。水色に赤いロゴ、黄色い文字で「カルミン」はどこか薬の雰囲気。発売時のキャッチコピーが「世界唯一のカルシウム入り栄養錠菓」というのもうなずけます。

 そんな「カルミン」が生産終了するという情報が飛び交ったのは、2月1日のことでした。ツイッターに投稿された「北海道の皆様に愛されたカルミン」という文言の貼り紙が拡散され、いつのまにか「カルミンは北海道限定」という話に。「カルミンって北海道限定だったの?」などツイッター上では、ご当地グルメ話として盛り上がりました。


サイクルの早さについて行けず・・・

 しかしカルミンを生産している明治によると、カルミンは北海道だけではなく、全国で販売されています。担当者は「ツイッターで拡散した貼り紙によって、いつの間にか北海道限定という話になってしまったのでは・・・」と話しています。生産中止の理由については「お菓子の新製品が生まれるサイクルが早くなり、昔からの定番商品の生産が少なくなった」と説明。94年目にして、生産中止の決断に至りました。

生産中止が決まったカルミン
生産中止が決まったカルミン

カツゲン、今では験担ぎにも

 カルミン北海道限定説は間違いでしたが、北海道にローカルグルメが多いのは事実です。1938年に雪印乳業(現雪印メグミルク)の前身の一つ、北海道製酪販売組合連合会によって開発されたー乳酸菌飲料「ソフトカツゲン」もその一つです。最近では、受験生の験担ぎの飲み物としても知られるようになりました。

シークヮーサーカツゲン=2006年5月 
シークヮーサーカツゲン=2006年5月 
カツゲンは1938年に雪印乳業(現雪印メグミルク)の前身の一つ、北海道製酪販売組合連合会の手で開発された。当時の商品名は「活素(かつもと)」。旧陸軍の要請で札幌から原液を送り上海などで生産、傷病兵の飲用から広がる。活力の源ということでカツゲンに改め、道内での発売は56年。1本5円だった。
2014年4月4日:(まち歩きのススメ)飲み物編 カツゲン 塚田敏信:朝日新聞紙面から

やきそば弁当、湯切りのお湯再利用

 東洋水産の「やきそば弁当」も北海道限定品です。スープの素がついており、普通なら流しに捨てるしかなかった湯切り後のお湯を再利用できるのが特徴です。現在はパッケージに北海道のイラストが印刷され、お土産品として人気があります。

湯切りのお湯を再利用できる「やきそば弁当」=2009年4月
湯切りのお湯を再利用できる「やきそば弁当」=2009年4月

ガラナ、コーラ的飲料

 最初は全国販売され、現在は北海道限定になっているのが「ガラナ」です。北海道内でもいくつかのメーカーが「ガラナ」を作っていますが、中でも函館の小原が1960年から製造する「コアップガラナ」は、京都の舞妓をイメージしたという瓶のデザインにも根強い人気があります。「ガラナ」はブラジルが原産で、疲労回復に効果があると言われています。北海道ではコーラのような存在として親しまれています。

北海道民におなじみの「ガラナ」飲料を前に、ガラナの実を手にする小原光一社長=2011年10月
北海道民におなじみの「ガラナ」飲料を前に、ガラナの実を手にする小原光一社長=2011年10月
福井県出身の小原家は明治期に駒ケ岳のふもとに入植。1931年に三次郎がヤマブドウを原料にぶどう酒の醸造を始め、49年にラムネ、53年には「銀星シトロン」などで清涼飲料の足場を固めた。そして60年に売り出されたのがコアップガラナ。米コカコーラの本格参入に危機感を抱いた全国清涼飲料協同組合連合会が手がけたもので、全国の中小飲料メーカーが製造販売した。
2014年4月25日:(まち歩きのススメ)飲み物編 コアップガラナ 開拓地の味、生き残る:朝日新聞紙面から

リボンナポリン、甘い強炭酸

 1911年、サッポロビールなどの前身である大日本麦酒が作られたのがリボンナポリンです。オレンジの果汁を使っていることから、名前はイタリアオレンジの産地ナポリにちなんで付けられました。目の覚めるオレンジ色、甘めの味付けと強めの炭酸が特徴です。現在はポッカサッポロによって製造されています。


1906年、日本麦酒・札幌麦酒・大阪麦酒の3社が大日本麦酒(サッポロビールなどの前身)を創立し、09年にシトロン、11年にはブラッドオレンジの果汁を使ったナポリンが誕生。名称はオレンジの産地イタリアの港町ナポリに由来する。13年には当時女性の間に広まったリボンを冠するリボンラズベリーなどを発売。リボンブランドがスタートした。
2014年6月6日:(まち歩きのススメ)飲み物編 リボンナポリン はじける北海道の味:朝日新聞紙面から

 道銀地域総合研究所によると、北海道は東京から離れていて、年代や男女比などがサンプル調査に適していることから、新製品が試験的に売られることが少なくないそうです。
 その結果、北海道だけに残りローカルグルメとして根付いたものも。「カルミン」が北海道限定品だと思われたのも、そんな事情が関係しているのかもしれません。

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