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NGT48進出、ねぎっこが見せた落ち着きっぷり 戦わないアイドル
AKB48の姉妹グループ「NGT48」の誕生にも、新潟の地元発アイドル「Negicco(ねぎっこ)」は落ち着いています。その理由は、「戦わないアイドル」という彼女たちのぶれないスタイルにありました。
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AKB48の姉妹グループ「NGT48」の誕生にも、新潟の地元発アイドル「Negicco(ねぎっこ)」は落ち着いています。その理由は、「戦わないアイドル」という彼女たちのぶれないスタイルにありました。
AKB48の姉妹グループ「NGT48」の誕生は、発表と同時に注目を集めました。一方、新潟には地元発のアイドル「Negicco(ねぎっこ)」がいます。「ねぎっこ」は、数々の危機を乗り越え、昨年オリコントップ10に入るまで成長しました。そんな時に現われた「黒船」ですが、「ねぎっこ」メンバーのリアクションは落ち着いています。その理由は、「戦わないアイドル」という彼女たちのぶれないスタイルにありました。
「ねぎっこ」は2003年に4人で結成され、翌年にはNHKの人気音楽番組「ポップジャム」に出演。「このまま売れるか」と思ったら長い低迷期に入り、運営母体の芸能スクールの閉鎖、知名度不足、一番歌の上手かったメンバーの卒業など数々の引退危機を乗り越え、活動12年目の2014年12月、新曲「光のシュプール」でついにオリコンCD週間ランキングで5位に入りました。
オリコン5位に入った時、リーダーのNao☆が次の目標として、「大物アーティストのライブでよく使われる憧れの場所、新潟県民会館でライブをしたい」と話していました。その後は、トントン拍子に「ポップジャム」の後継番組「MUSIC JAPAN」への出演が決まり、2月28日から17都府県を回る初の全国ツアーの最後、5月5日にはその新潟県民会館でライブをすることも決定しました。
そんな時に飛び込んだのが「NGT48」結成のニュースでした。「アイドルファンというパイ」を食い合う構図が予想されることから、各メディアで「NGT48、ねぎっこと対決か」というように報じられました。
ソーシャルメディア上では、NGT48の発足に反発する「ねぎっこ」ファンも少なくない中、地元新潟では様々な反応がありました。
『Negiccoが可哀想じゃないか!』三条市長日記|(国定勇人・三条市長のツイート)
「NGT48には日本海側の素晴らしさを発信できる、大きな活動をしていただけるとうれしい」(泉田裕彦知事)
経済界からは、10月オープンというNGT48の専用劇場に県内外からファンが集まることによる経済波及効果を期待する声が聞かれました。
さて「ねぎっこ」側は、というと、冷静な反応です。2005年からねぎっこのマネジャーを務める熊倉維仁さんは「向こうは大手で、こちらはやっと相撲で言う十両に上がれたというくらい。戦うなんてとんでもない。比較される中、ねぎっこや新潟も注目されるならば良いことだと思う」と受け止めています。
メンバーはどう思っているのか。ツイッターでは次のような投稿がありました。
新潟可愛い子多いのでかなりいいグループになるのではと思います、、、!
— Kaede (Negicco) (@Kaede_NGC) 2015, 1月 25
対決とかじゃなくて、誰かも書いてくれていたけど、一緒に新潟を盛り上げて行けたらいいなと思います。
— め&ぐ@Negicco (@Megu_Negicco) 2015, 1月 26
2003年のデビュー年から曲を提供しているconnieさんは、こんなツイートをしました。
そして余計なお世話と思いますが…この雰囲気の中で、本当に純粋にアイドルへの憧れや夢を持ってオーディションを受け、活動を始める地元の女の子たちがいるわけで。その子たちに対する見方がどうなって行くのか。本当に私がとやかくいう立場には無いのは承知ですがすごく気になります…
— connie/Runo/セカンドライフP (@RunoDaviau) 2015, 1月 26
「ねぎっこ」側の落ち着いたリアクションから読み取れること。それは、ねぎっこは「戦わないアイドル」ということです。
ねぎっこを何度も取材しているプロインタビュアーの吉田豪さんは2013年8月号の「CDジャーナル」で、「殺伐としたNegiccoは見たくないし、このピースフルな空間を保ちながらどうやって向上していくのかが重要」と述べています。
アイドル集団「ハロープロジェクト(ハロプロ)」の「メロン記念日」元リーダーで、今はFM新潟でパーソナリティーをしている斉藤瞳さんは、2013年11月の取材時、「ねぎっこ」の特徴を「すごく地域密着のねぎっこにしか出せないワールドがある」と指摘。「ねぎっこはねぎっこワールドが前面に出て、自分も癒やされた。癒やしを与えるアイドルグループ。落ち着く。10周年、さすが地域に根付いたアイドル」と絶賛しています。
また、「ねぎっこ」のファン層については「小さい子から杖をついたおばあちゃんまでみんないる。そんなアイドルグループ、ねぎっこだけ」と分析。「自分がいたハロプロだと、おじいちゃん、おばあちゃんはいない。ねぎっこはそこは崩さないで欲しい。私がおばあちゃんになった頃、彼女らがまだやっているか分からないが、県民を癒やし続けて欲しい」とエールを送っています。
「NGT48」という黒船来襲も、「ねぎっこ」は何も変わらないまま受け止め、ふわりと乗り越えるのではないか。そんな将来を予感させる、独特なアイドル像を築きはじめているのが「ねぎっこ」のようです。