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「イスラム国」 解放時の身代金、1人平均2億7千万円

 「イスラム国」はこれまでに、フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、トルコなの人質を解放しています。詳細は明らかにされていませんが、シリア北部とトルコの国境地帯が舞台になることが多いようです。

シリア北部で2013年4月、後藤健二さん(右)の通訳を務めたムーサ・アムハーンさん。「ケンジは人間味にあふれていた。みんなが愛している。また会いたい」と解放を訴えている
シリア北部で2013年4月、後藤健二さん(右)の通訳を務めたムーサ・アムハーンさん。「ケンジは人間味にあふれていた。みんなが愛している。また会いたい」と解放を訴えている 出典: ムーサ・アムハーンさん提供

目次

 「イスラム国」はこれまでに、フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、トルコなどの人質を解放しています。詳細は明らかにされていませんが、シリア北部とトルコの国境地帯が舞台になることが多いようです。

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【映像】「これが私の最後の言葉にならないよう・・・」ネット上に公開された後藤健二さんの映像 出典: 新たな映像、女性囚人の釈放要求 男性の声でメッセージ:朝日新聞デジタル

目隠しで置き去り

 昨年4月、「イスラム国」に約10カ月間拘束されていたフランス人記者4人が解放されました。4人は夜の間に、国境のシリア側へ移送され、手を縛り目隠しをした状態で置き去りにされていました。

身代金、1人平均2億7千万円

 ニューヨーク・タイムズ紙は、フランス人のほか、ドイツ、スペインなどの人質十数人が身代金と引き換えに解放されたと報じました。支払われた身代金は、平均すると1人あたり200万ユーロ(約2億7千万円)以上だといいます。

「イスラム国」側を監視するシリア兵士=2015年1月24日
「イスラム国」側を監視するシリア兵士=2015年1月24日 出典: ロイター
ニューヨーク・タイムズ紙は解放された人質などの証言に基づき、フランス、ドイツ、スペインなどの人質十数人が身代金と引き換えに解放されたと報じた。支払われた身代金は、平均すると1人あたり200万ユーロ(約2億7千万円)以上という。
(時時刻刻)人道支援も報復「想定外」 対テロか人命か、政権板挟み 「イスラム国」邦人人質:朝日新聞デジタル
一方で、拘束されたフランス人やスペイン人は身代金を支払って解放されており、国によって対応に差が出ていると同紙は報じた。
米「イスラム国」非難 人質救出は失敗 男性殺害:朝日新聞デジタル

トルコの領事館員解放、捕虜と交換か

 昨年9月には、イラク第2の都市モスルで同年6月に拘束された、トルコの領事館員ら49人が解放されました。トルコ政府は館員解放の見返りに、「イスラム国」の捕虜180人をアラブ系部族を通じて戻したとされています。しかし、政府は捕虜の解放自体を認めておらず、どのように解放したのかは明らかにされていません。

東京・渋谷のモスク「東京ジャーミイ」では、イスラム教徒たちが日本人人質解放の祈願を前に、集団礼拝を行った=1月23日
東京・渋谷のモスク「東京ジャーミイ」では、イスラム教徒たちが日本人人質解放の祈願を前に、集団礼拝を行った=1月23日
昨年9月には、イラク第2の都市モスルで同年6月に拘束された、トルコ領事館員ら49人が解放された。トルコ南部のアラブ系部族を通じて「イスラム国」が解放を試みていると連絡を受け、トルコの情報局員がシリア領内まで人質を引き取りに行き、アクチャカレから入国したとされる。
「イスラム国」過去の人質交渉は トルコ国境、目隠しで解放:朝日新聞デジタル

アメリカ、身代金や囚人釈放に否定的

 「イスラム国」は、アメリカとも人質と、収監中の過激派関係者との交換を水面下で要求してきました。しかし、アメリカは「イスラム国」への身代金支払いや囚人釈放には否定的とされています。昨年8月には、「イスラム国」によって米国人ジャーナリストのジェームス・フォーリー氏の殺害映像が公開されています。現在も米国人女性1人を人質にしており、ABCなど複数のメディアによると、この女性を解放する条件としても、身代金の支払いや、アメリカが収監しているアーフィア・シディキ受刑者の引き渡しを水面下で求めているといわれています。

安倍首相は25日午前、NHKの討論番組に出演し、「現在進行中の出来事であり、あまりつまびらかなことは申し上げられないが、様々な情報に接している」と語った。午後3時20分からは米国のオバマ大統領と10分間の電話協議を行い、協力を要請した。米国は「イスラム国」への身代金支払いや囚人釈放には否定的とされるが、この電話でそういった話題が話し合われたかは明らかになっていない。
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