話題
プロ野球選手の「推定」年俸、歯切れ良く書けない理由
話題が豊富だった今冬のプロ野球契約更改。その記事を注意深く読むと、「金額は推定」とあります。なぜなのでしょうか。
日本ハムの大谷翔平選手が高卒3年目で1億円に到達したり、中日の大島洋平外野手が調停寸前までもつれるなど、話題が豊富だった今冬の契約更改。ただ、その記事を注意深く読むと、「金額は推定」とあります。なぜなのでしょうか。
まずは、取材現場でのやりとりを見てみましょう。例えば、阪神の契約更改で、藤浪晋太郎投手と記者の問答は以下のようでした。
記者「1億円の大台は?」
藤浪「全然、届いていない。いい評価を頂いた」
記者「アップ幅は?」
藤浪「倍増に届かないくらいで、切りのいい数字です」
…こんなやりとりを経て、前回の推定年俸である4500万円と照合し、「8500万円」として記事化されました。
他の選手も、こんな感じで額を明言しないケースがほとんどです。
「少しダウン」「アップです。すごく評価してもらった」といった、選手の漠然とした表現を受けて、「倍?」「2(2千万円)にいった?」などの質問を重ね、表情をうかがい、額を絞っていきます。その上で、交渉した球団幹部に裏付けのための取材をします。
一方、日ハムの大谷選手は今回、「ぴったり1億円です」と明言。この場合でも、公式な書類や発表があるわけではないので、断定する書き方は避け、「金額は推定」と注釈を付けています。