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プロ野球選手の「推定」年俸、歯切れ良く書けない理由

話題が豊富だった今冬のプロ野球契約更改。その記事を注意深く読むと、「金額は推定」とあります。なぜなのでしょうか。

契約更改を終え、記念撮影をする日本ハムの大谷翔平選手
契約更改を終え、記念撮影をする日本ハムの大谷翔平選手 出典: 朝日新聞

 日本ハムの大谷翔平選手が高卒3年目で1億円に到達したり、中日の大島洋平外野手が調停寸前までもつれるなど、話題が豊富だった今冬の契約更改。ただ、その記事を注意深く読むと、「金額は推定」とあります。なぜなのでしょうか。

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【関連リンク】(Re:お答えします)プロ野球選手の年俸、なぜ推定なの?
3度目の交渉でサインした中日の大島洋平外野手=2014年12月18日
3度目の交渉でサインした中日の大島洋平外野手=2014年12月18日 出典: 朝日新聞

「アップです」「倍?」

 まずは、取材現場でのやりとりを見てみましょう。例えば、阪神の契約更改で、藤浪晋太郎投手と記者の問答は以下のようでした。

 記者「1億円の大台は?」
 藤浪「全然、届いていない。いい評価を頂いた」
 記者「アップ幅は?」
 藤浪「倍増に届かないくらいで、切りのいい数字です」

 …こんなやりとりを経て、前回の推定年俸である4500万円と照合し、「8500万円」として記事化されました。

 今季は11勝(8敗)を挙げ、松坂(当時西武)以来となる高卒1年目からの2年連続2桁勝利を達成した。1億円の大台に乗ったか、と問われると「全然、届いてないです。到底、もらえるとは思っていなかった。いい評価を頂いたと思っている」と苦笑い。
阪神・藤浪、8500万円で更改 4000万円増:朝日新聞デジタル

 他の選手も、こんな感じで額を明言しないケースがほとんどです。
 「少しダウン」「アップです。すごく評価してもらった」といった、選手の漠然とした表現を受けて、「倍?」「2(2千万円)にいった?」などの質問を重ね、表情をうかがい、額を絞っていきます。その上で、交渉した球団幹部に裏付けのための取材をします。

プロ野球界初の「3億円プレーヤー」になり、笑みを交えながら記者会見する中日・落合博満内野手=1991年12月10日
プロ野球界初の「3億円プレーヤー」になり、笑みを交えながら記者会見する中日・落合博満内野手=1991年12月10日 出典: 朝日新聞

はっきり言っちゃった怪物・大谷

 一方、日ハムの大谷選手は今回、「ぴったり1億円です」と明言。この場合でも、公式な書類や発表があるわけではないので、断定する書き方は避け、「金額は推定」と注釈を付けています。

【動画】契約更改を終え、会見する日本ハムの大谷翔平選手=山本裕之撮影

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