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セガ、任天堂3DSにメガドライブの壁紙配信 「奇跡のコラボだ」

任天堂の「3DS」向けに、セガが「メガドライブ」の壁紙を配信。過去の因縁を水に流すコラボが実現し、話題になっています。セガの開発責任者に思いを聞きました。

3DS向けに配信されるメガドライブの壁紙=セガ提供
3DS向けに配信されるメガドライブの壁紙=セガ提供

 任天堂の「3DS」向けに、セガが「メガドライブ」の壁紙を配信――。過去の因縁を水に流すコラボが実現し、ゲームファンの間で話題になっています。セガの開発責任者に思いを聞きました。

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ソニックなどセガのキャラクターたちが、3DSの画面を“ジャック”=セガ提供
ソニックなどセガのキャラクターたちが、3DSの画面を“ジャック”=セガ提供

3DSがメガドライブ仕様に

 セガは今月18日、任天堂のポータブルゲーム機「3DS」のソフト『セガ3D復刻アーカイブス』を発売。メガドライブの人気ソフトなど計8本を収録しています。

 この発売にあわせて、3DSのホーム画面で使える壁紙(テーマ)として、「メガドライブ」をオンライン発売しました。
 
 メガドライブのテーマは、かつての外箱をモチーフにしたデザインや、「♪セーガー」というテレビCMでの社名コールなど、往年のセガファンにはたまらない内容になっています。

「♪セーガー」の社名コールが聞ける紹介動画 出典: Nintendo 公式チャンネル:YouTube

「セガは男前」反響多数

 ツイッターでは熱心なセガファンから、
 「任天堂のハードで『セーガー!』というボイスが聞けることに感動」
 「ハード競争でしのぎを削ったセガと任天堂が、こういう形で融合するとは感慨深い」
 ・・・などと絶賛されています。




任天堂とセガ、激しいシェア争いの過去

 セガと任天堂は80年代から90年代にかけて、家庭用ゲーム機の開発・販売で激しいライバル関係にありました。

 90年代前半には、16ビットCPUを搭載したセガのメガドライブに、任天堂は同等水準のスーパーファミコンで対抗。しかし、エニックスの『ドラゴンクエスト』シリーズなど人気タイトルの囲い込みに成功した任天堂が終始リードしました。

 ソニーの「プレイステーション」の参入などもあり、セガは2001年にハード事業から撤退。任天堂やソニー、マイクロソフトのハードにソフトを供給するのみになりました。

 なぜ、セガはいまになってこの企画を実現させたのでしょうか?

 『3D復刻アーカイブス』プロデューサーの奥成洋輔さんに聞きました。

奥成洋輔・セガ『3D復刻アーカイブス』プロデューサー
奥成洋輔・セガ『3D復刻アーカイブス』プロデューサー 出典:昔感じた衝撃を立体視で再現--セガ3D復刻プロジェクト・アーカイブスのキーマンに聞く:CNET Japan

「思い出も復刻したかった」

――メガドライブをモチーフにした壁紙を、任天堂の3DS向けに配信した意図を教えてください

 この10年、レトロゲームの移植を続けてきましたが、ただ昔のゲームを遊んでもらうだけではなく、プレイを通じてお客さんの心の奥に眠っている、若い頃のTVゲームへの情熱や、ゲームにまつわる家族や友達などとの楽しかった記憶を呼び起こせるような、ゲームの外側までひっくるめた「思い出」も復刻したいと考えてきました。

 一方で、3DSの本体にセガのロゴのシールを貼ってデコレーションして、ツイッターに写真を公開するお客さんを何人も見ていました。そういった方々は、実際にゲームを起動する前の雰囲気づくりとして、当時の思い出を今のハードに込めるように本体をデコレーションされているのではないかと思いました。それなら、ソフトを起動するよりも前の部分で、ゲームに臨む雰囲気づくりをテーマを使ってできれば良いんじゃないかと考えたのです。

スーパーファミコンと激しいシェア争いを演じたメガドライブ=セガ提供
スーパーファミコンと激しいシェア争いを演じたメガドライブ=セガ提供 出典: 朝日新聞

「漂流していたファンの魂が集まった」

――ツイッターなどネットでは、古くからのファンの反響が多いです

 「ハードはあくまでソフトを動かすための機械にすぎず、大切なのは面白いソフトである」とはTVゲームについて昔から語られる言葉ですが、「ハード」という拠りどころを失って漂流していたファンの魂が、この「メガドライブのテーマ」を憑代(よりしろ)にして3DSに集まったのかもしれません。

 壁紙と音というシンプルな演出で、お客さんの胸の中に眠るファン心をどこまで引き出せるか挑んだ結果がこれらのテーマです。

 忘れてはならないのは、これら企画や演出についてすべて確認の上、承認いただいた任天堂さんの“懐の深さ”だと思います。本当にありがとうございます。

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