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ろくでなし子さん、再逮捕 作家の北原みのりさんも逮捕「不当だ」
警視庁は3日、漫画家のろくでなし子さんをわいせつ物頒布等の疑いで再逮捕しました。ろくでなし子さんは「わいせつな物ではない」と否認。同時に、作家でアダルトショップ経営の北原みのりさんもわいせつ物陳列の容疑で逮捕されました。
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警視庁は3日、漫画家のろくでなし子さんをわいせつ物頒布等の疑いで再逮捕しました。ろくでなし子さんは「わいせつな物ではない」と否認。同時に、作家でアダルトショップ経営の北原みのりさんもわいせつ物陳列の容疑で逮捕されました。
警視庁は3日、漫画家のろくでなし子さん(42、本名・五十嵐恵)をわいせつ物頒布等の疑いで再逮捕しました。ろくでなし子さんは「わいせつな物ではない」と否認しています。同時に、作家でアダルトショップ経営の北原みのりさん(44、本名・渡辺みのり)もわいせつ物陳列の容疑で逮捕。「女性と性」の論客2人が相次いで逮捕される事態となっています。
ろくでなし子さんは今年7月12日にも、自分の女性器を3Dプリンター用データにしてダウンロードさせたとして逮捕され、18日には処分保留で釈放されていました。
今回の容疑は警視庁によると、昨年10月に自分の女性器の3Dデータがダウンロード出来るサイトのURLをメールに書き、のべ48人に送った疑いや、今年5月に同様のデータをCD―Rに記録し、東京・新宿区内で開いた個展で申し込みを受けた17人に発送した疑いです。また、警視庁はろくでなし子さんの女性器をかたどった作品を文京区内のアダルトショップに陳列したとして、彼女と店の経営者である北原さんをわいせつ物陳列の容疑で逮捕しています。
北原さんは、女性の性についての情報を発信するネットのサイト「ラブピースクラブ」を96年に開設。東京・文京区本郷で、女性だけで運営するセックスグッズストアを経営していました。もともとは津田塾大や日本女子大大学院で「性教育」をテーマに研究し、関連の著作物も多数あります。
ろくでなし子さんの弁護士、山口貴士さんはツイッターに「私は、北原みのり氏の発言について賛成しかねることも多く、批判することもありましたが、今回、警視庁が彼女を逮捕したことは明らかに不当であり、間違っている」と投稿。2人に対する警察の「不当逮捕」だと主張してます。
7月の最初の逮捕から釈放されたあと、ろくでなし子さんはインタビュー取材にこう答えていました。
――警察や検察での取り調べはいかがでしたか。
「警察ではあの手この手で威圧的に、データの送信行為が『わいせつだ』と言われました。たとえば、3Dデータを開くとできる形を示した画像に、科学捜査研究所の捜査員たちが署名した書類を見せられました。そして『国がわいせつだと認めているんだ。どう思う?』と言われました。後で確認したら、その書類は、データのファイルが開けるという証明にすぎませんでした。データを送信したのは事実ですが、わいせつではないと主張し続けています」
――なし子さんはわいせつだと思わなくても、3Dデータを受け取った人がわいせつだと思う可能性はありませんか。
「確かに支援のお礼に3Dデータをつけましたが、実際に受け取った人に話を聞くと、データを開いて(3Dプリンターで)造形することが目的ではなく、プロジェクト自体に関心を持ってくれている人が大部分でした。支援した人は、『女性器はわいせつでない』と主張する私のアート活動に賛同しているので、データをいやらしいものとは見ていないと考えています。それに、3Dデータを出力してできる樹脂製の白い板を見て、果たして欲情するでしょうか」
――活動を通じて変えようとしているのは、どんな価値観ですか。
「変えたいのは『女性器=タブー』という凝り固まった思い込みです。作品がニュースサイトで紹介された時、『見せるものじゃない』とたたかれました。銀座のバーで作品の展示会をやった時も、見に来た男性の中に『女性器は暗闇の中で布団をめくってそっと見るものだ』と怒る人がいた。女性器の名前は伏せ字にされ、テレビでは口にできない。女性にとって女性器は体の一部にすぎず、自分でいやらしいと思うことはありません。女性器を過剰にあがめ奉ったり卑下したりするのは、男性目線で、女性差別だと思います」
ろくでなし子さんの逮捕をめぐっては「違法行為なので逮捕されて当然」「いや、不当な逮捕だ」と世間で議論を巻き起こし、釈放を求めて署名運動も広がりました。今回の再逮捕でも、こうした動きが注目されます。