話題
手帳総選挙1位、機械メーカーの5年手帳 タテヨコ兼用・月暦も人気
「手帳100冊!書き比べ総選挙!!」の表彰式が開かれました。上位に入ったのは、タテヨコどちらでも使える、月の満ち欠けが基準といった「個性派」たち。定番モノよりもユニークな手帳に人気が集まる波乱の結果ともいえそうです。
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「手帳100冊!書き比べ総選挙!!」の表彰式が開かれました。上位に入ったのは、タテヨコどちらでも使える、月の満ち欠けが基準といった「個性派」たち。定番モノよりもユニークな手帳に人気が集まる波乱の結果ともいえそうです。
手帳ナンバーワンを決める「手帳100冊!書き比べ総選挙!!」の表彰式が1日夜、都内で開かれました。
全国4会場の約1200人の投票を集計した結果、見事1位に輝いたのは「5年手帳」(不二精機)。5年間使うにもかかわらず、コンパクトに仕上げた点が評価されたようです。
「5年手帳」以外にも上位には、タテヨコどちらでも使える、月の満ち欠けを基準にしたスケジュール欄など他の手帳にないアイデアを盛り込んだ「個性派」が名を連ねました。定番モノよりも「一芸」に秀でた手帳に人気が集まる波乱の結果ともいえそうです。
総選挙は、手帳愛好家たちでつくる「日本手帖の会」の主催で、今年で3回目です。10月から11月にかけて、東京、神戸、大阪、横浜の全国4会場で、114冊の手帳を展示し、投票を募るという企画です。自分のお気に入りの筆記用具を持ち込んで、実際の手帳に試し書きが出来るのがウリで、各会場には多くの手帳好きが詰めかけました。
4会場の投票結果が割れた中、総合1位に輝いた不二精機の「5年手帳」。
投票数が最も多かった大阪会場で特に人気を集めました。
「5年」にもかかわらず、厚みが1センチに満たないコンパクトサイズ。見開きで1カ月の予定が書き込めますが、最大の特徴は、各ページが折り込み式になっていること。雑誌などの袋とじのような形で、開くとたっぷり書き込める方眼のメモページが出現します。
「5年手帳」を販売する不二精機ですが、実は文具メーカーではありません。コンビニなどで売られるおにぎりを成形する機械の製造が本業で、この分野では国内シェア8割を誇るそうです。
「アイデアなど長期的なスパンで書き込める手帳を」という社長の一声で誕生したという「5年手帳」。ポケットなどにも収まるコンパクトさを実現すると同時に、アイデアなどを多く書き込めるように各ページを折り込み式にしました。発売は5年ごとではなく、細かな改良を重ねて毎年売り出しています。
総務部室長の青木太志さん(28)は「おにぎりメーカーからでも手帳は作れる。今後も良いものを作って、生き残っていきたい」と話します。
ちなみに不二精機ですが、おにぎりを成形する機械の試作段階で出る余ったお米を活用して、米焼酎も造っています。青木さんによると、フルーティーな味わいが特徴とのことです。
「5年手帳」以外にも上位には、他に類を見ないユニークな発想が盛り込まれた手帳がランクイン。今までになかった斬新なアイデアが、来場者の心をつかんだようです。
まず昨年に続いて総合2位に入った「ブラウニー手帳」。
ウリは、「ヨコにもタテにも使える」ことで、スケジュール欄の上下それぞれに横と縦で日付が記載されています。例えば、横の日付で仕事、縦の日付でプライベートの予定と同じページで公私両方のスケジュール管理をするといった使い方ができそうです。
3位の「スライド手帳 with HIRATAINDER Neo」(あたぼう)は、見開き2週間のファイル式手帳です。
見開き2週間の手帳の場合、2週目の後半になると、翌週の予定の確認はページをめくることになりますが、「スライド手帳」の最大の特徴は常に今週、来週の予定を見開きで確認できることです。
秘密は、各ページの両側に空けられた金具に通す穴です。週が変わる度に、右側のページを外して左側にずらして付け替えることで、常に見開きで直近2週間分のスケジュール管理ができるという仕掛けです。
手帳でのスケジュール管理という概念を揺るがすような手帳もランクインしました。4位の「MOON PLANNER(ムーンプランナー)」です。
特徴は、太陽暦に基づく曜日や週といった概念を度外視して、月の満ち欠けに特化したスケジュール欄。見開きの2ページで、新月から満月の前日まで、もしくは満月から新月の前日までが配置されています。各会場で、女性の支持が高かったそうです。
女性会社員2人で昨年末に企画し、製品化にまでこぎつけた手帳で、現在も手帳のデザインや発送などは自分たちで担っています。
ユーザーからは「使い始めるとハマる」「時間の流れが緩やかに感じるようになった」といった声も上がっているそうです。
上位は「個性派」が占めたものの、ベスト10内には「ジブン手帳」「ジブン手帳mini」(コクヨS&T)、「ほぼ日手帳オリジナル」(東京糸井重里事務所)といった定番の手帳も入っています。日本手帖の会によると、どうしても珍しい手帳に注目が集まる傾向があるとのことですが、安定的な人気が垣間見えます。
今年もあと1カ月を切りましたが、来年の手帳をまだ用意していない方は、結果も参考に文具コーナーで色々な手帳を吟味してみてはいかがでしょうか。