閉

閉

これフカボリしてほしい

リクエストする

閉

2014年11月09日

下町・三ノ輪に現れた小さなスペース undōの視点~アラ爆な人々

  • 2871


アラ爆って?

 「芸術は爆発だー」ということで、芸術界隈→アラウンド爆発→アラ爆。知名度の点で、爆発的に人気が出る前後という意味も込めています。今後の芸術界を担うかもしれないアーティストやキュレーターの方々に、テレホンショッキング形式で次の人を紹介してもらいながら会いに行きます。

どんな人?

 今回は前回の学芸員・真子みほさんから紹介いただいた川村庸子さんです。オルタナティブスペース「undō(運動/ウンドウ)」代表で編集者でもあります。2人は共通の友人を通して知り合い、今では互いの場を行き来し、刺激し合う関係を築いているそうです。
 早速お話をうかがいに、川村さんが運営する「undō(運動/ウンドウ)」へ向かいました。


場所の名前ではない「undō」

 東京・三ノ輪駅から明治通り沿いを3分ほど歩いたところにある白い小さなビル「undō」。昭和の香りを残す木枠の扉は、以前この建物が自転車屋さんだった頃の名残り。天気のいい昼間には気持ちのよい光が注ぐ。

 中をのぞくと、白い壁にイラストレーター・ナガノチサトさんの「食べることのおかしみやかなしみ」を描いたドローイングが飾られ、その前で、代表の川村庸子さんが、きょう初めて立ち寄ったという女性と話をしていた。

東京・三ノ輪にある「undō(運動/ウンドウ)」

東京・三ノ輪にある「undō(運動/ウンドウ)」

 undōはカフェ・バーとしての機能も備えながら、若手作家を中心に作品を展示、時にはマジックショーや音楽ライブなどのイベントも行う、いわゆるオルタナティブスペースだ。大通りに面した立地もあって、この日のように、作品や空間の雰囲気にひかれ、ふらっと入ってきた人と話が始まることもしばしば。展示は、作家と川村さんらが企画へ向け「両おもい」にならないと進めないといい、作家と話し合う過程も大切にしている。

川村庸子さん

川村庸子さん

 川村さんは、大学在学中から9年間働いたという企画制作会社を辞め、今年5月、友人と4人で「undō」を始めた。
 企画制作会社ではwebや紙媒体での企画・編集を担当。その他にも、まちのいたるところで誰もが先生・生徒になり講座を開く「シブヤ大学」の企画・運営なども行い、渋谷以外にも全国各地の町づくり事業に携わった。充実した日々だったが、同時に、小さな会社の中での「末娘」的立場に安住することや、仕事に忙殺される日々に疑問も感じ、会社を辞めることを決意した。将来について考え始めた時、友人との会話の中で出た「スペースを持つ」という構想に「きっと誰かがやらないと進まない。それなら私がやろう」と腹をきめた。
 まちづくりに携わる中で、場を持つことで生まれる可能性を感じたことも大きかった。まちに一つでもいい店があると、そこでつながるはずのなかった人同士がつながり、自然と新しい動きが生まれる感覚があった。

ご近所に95歳のマジシャンがいると聞きつけ、イベントを開いた

ご近所に95歳のマジシャンがいると聞きつけ、イベントを開いた

出典:undō

 ギャラリーが既に集まるまちではなく、固まったイメージのない三ノ輪でいい物件を見つけた。通常のギャラリーや美術館のように作家からの作品の買い上げはなく、契約する作家もいない。だが引け目は感じていない。「どこにも属さないわたしたちだからこそできるものがあると思う。ここに来れば何かがある、そんな磁場のようなものを生んでいきたい」。
 小さなスペースで展示する作品は、知り合いの作家を始め20~30代の作家が中心だ。作家と話しながら企画を決めるため、思いがけず作家にとっても新しい展示になることもある。小説を書いている作家の友人に「本棚展」の企画をお願いしようとしていたところ、話しているうちに、小説からこぼれ落ちてしまう言葉を小説以外のかたちで出そうと、文章を展示する企画になったことも。他にはない展示を評価してか、「常連さん」もついてきた。美術界で働く上の世代の人も「(業界内にいると)名の通った賞を取った若手の情報しか入らないから」と新しい発見を求め、のぞきに来るという。

写真家・鈴木諒一さん作品展開催時のundō

写真家・鈴木諒一さん作品展開催時のundō

出典:undō

 前職での経験から、川村さんはundō 運営の傍ら、フリーで編集・執筆の仕事もしている。今後は、undōで展示した作家・作品をアーティストファイルとして冊子にまとめ、海外のギャラリーなどに置くなどして「undōのメディアとしての機能を高めていきたい」という。周辺には、ギャラリーやアンティークショップなどもあるといい、まちの魅力を伝える三ノ輪マップも制作中だ。
 「大義にむかって進むというよりは、何か起きたらその都度応答していける存在でありたい」という川村さん。実は「undō」という名称も、場所の名前というより「ずっと運動し続ける」という自分たちの選手宣誓だという。肩の力は抜きながら、好きな人たちと、自分たちらしく進んでいくつもりだ。


あわせて読みたい

保護者会の会長が容疑者だなんて…〝30秒で泣ける漫画〟の作者が描く
保護者会の会長が容疑者だなんて…〝30秒で泣ける漫画〟の作者が描く
親になってわかった「子連れママが電車で座らない訳」 漫画に共感
親になってわかった「子連れママが電車で座らない訳」 漫画に共感
GINZA SIXって何?どんなとこ? 漫画家夫婦...
GINZA SIXって何?どんなとこ? 漫画家夫婦...
まるでトランスフォーマー! 廃車を活用「タクシーロボ」が話題に
まるでトランスフォーマー! 廃車を活用「タクシーロボ」が話題に
「見た目問題」ネットで反響、本人の思いは…「そういう反応は覚悟」
「見た目問題」ネットで反響、本人の思いは…「そういう反応は覚悟」
「道の駅」制覇した男の「もう一度訪れたい駅」坑道体験?カニまみれ
「道の駅」制覇した男の「もう一度訪れたい駅」坑道体験?カニまみれ
日本と大商談したサウジ、豪勢さの裏で進む改革 「成長の鍵は日本」
日本と大商談したサウジ、豪勢さの裏で進む改革 「成長の鍵は日本」
NEW
秋元康&つんく♂が語る「正解の無い道への歩み」
秋元康&つんく♂が語る「正解の無い道への歩み」
PR
なんでプリンタの上にみそ汁がぁぁ! 食品サンプルのドッキリが話題
なんでプリンタの上にみそ汁がぁぁ! 食品サンプルのドッキリが話題
赤ちゃんとの関係、恋人に例えると… 漫画か...
赤ちゃんとの関係、恋人に例えると… 漫画か...
3年で辞める若者のホンネ ~ネガティブ早期...
3年で辞める若者のホンネ ~ネガティブ早期...
高橋一生が神木隆之介に色気のコツを伝授? 『3月のライオン』後編
高橋一生が神木隆之介に色気のコツを伝授? 『3月のライオン』後編
PR

人気

もっと見る