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エボラ出血熱、研究施設がない日本 なぜ? できないことは?
現在、日本でエボラウィルスを研究することはできません。G8諸国で未整備なのは日本だけです。施設稼働への声は高まっていますが、なぜ実現できないのでしょうか。
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現在、日本でエボラウィルスを研究することはできません。G8諸国で未整備なのは日本だけです。施設稼働への声は高まっていますが、なぜ実現できないのでしょうか。
現在、日本にはエボラウィルスを扱う研究施設はありません。G8諸国で未整備なのは日本だけです。施設稼働への声は高まっていますが、なぜ実現できないのでしょうか。
自民党の委員会は2014年10月6日、危険性の高い病原体を扱う研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」の速やかな稼働を求めました。日本学術会議の調べでは、19カ国で40施設以上ありますが、G8諸国で未整備なのは日本だけです。
「BSL4」に対応できる施設は、すでに国内に存在しています。1981年に国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)に、84年に理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)に建設されました。施設はあるのですが、稼働できていないのです。長崎大もBSL4施設の設置を目指しています。
なぜ稼働できないのか。危険度が高い病原菌であることから、地元住民の反対が根強く、厚労省が「BSL4」に指定していないのです。感染研の施設は、危険度が一つ低い病原体を扱う「BSL3」施設として稼働しています。
「BSL4」施設がないと何ができないのか。エボラウイルスの感染は確認できますが、ウイルスを分離して起源や特徴を分析できません。治療している患者が完全に治ったかを調べる検査もできません。
これまで実験中に病原体が外に漏れて感染者が出たという報告はありません。感染研の西條政幸・ウイルス第一部長は「エボラ以外にも日本にない病気がいつ入ってきてもおかしくない。感染症対策の研究を進めていく必要がある」と話しています。