お金と仕事
スコッチ、なぜ選ばれず? 世界最高ウイスキーから漏れた、その背景
イギリスの有名なウィスキーガイド本が選ぶ世界最高のウイスキーにサントリーのシングルモルトウイスキー「山崎」が選ばれました。一方で、本場のスコッチウィスキーは上位に選ばれませんでした。ウイスキーの本場、スコッチに何があったのでしょうか?
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イギリスの有名なウィスキーガイド本が選ぶ世界最高のウイスキーにサントリーのシングルモルトウイスキー「山崎」が選ばれました。一方で、本場のスコッチウィスキーは上位に選ばれませんでした。ウイスキーの本場、スコッチに何があったのでしょうか?
イギリスの有名なウイスキーガイド本が選ぶ世界最高のウイスキーにサントリーのシングルモルトウイスキー「山崎」が選ばれました。一方で、本場のスコッチウイスキーは上位に選ばれませんでした。ウイスキーの本場、スコッチに何があったのでしょうか?
「山崎」が選ばれたのは、ジム・マーリー氏が著者の「ウイスキー・バイブル2015」です。今回のために、約4700種のウイスキーを試飲したそうです。「山崎」は100点満点中97・5点の高得点を獲得し「世界最高のウイスキー」に選出されました。
スコットランドのウイスキーであるスコッチは、ウイスキーの元祖として知られています。NHKの朝の連続テレビドラマ「マッサン」では、主人公がウイスキー作りを学ぶ本場としてスコットランドが登場します。ドラマのモデル、竹鶴政孝、リタ夫妻が出会ったのもスコットランドです。
スコッチ文化研究所長の土屋守さんは、今回の選考の背景について、空前のスコッチブームがあると指摘します。スコッチは現在、世界的に人気となっていて原酒不足になっています。そのため、最近では熟成年数を示さない「ノン・エイジ・ステートメント(NAS)」という銘柄が増えています。このNAS銘柄に対して、ウイスキー愛好家の中には、厳格なスコッチの作り方から逸脱しているという声が出ているのです。
「ウイスキー・バイブル」は、マーリー氏が1人で書いているため、ランキングなどには個人の考え方が色濃く反映されます。土屋さんによると、山崎以下の銘柄がバーボンだったのは、マーリー氏が現在、拠点をアメリカに移していることとも関係があるそうです。土屋さんは「熟成年数がスコッチの3分の1程度で済むバーボンでは、NAS銘柄の問題は起きません。今回の評価は、スコッチの蒸留所に対するマーリー氏のメッセージが込められているのではないでしょうか」と分析しています。