話題
Norihisa Hakamayaさんからの取材リクエスト
先日の台風18号で千葉県松戸市の21万世帯48万人に避難勧告が出ました。全員避難できる場所はあるの?
避難勧告48万人、全員守っていたら収容できなかった…千葉・松戸市
台風18号が接近した10月6日、千葉県松戸市では48万人に避難勧告が出されました。安全を考えての対応ですが、その人数の多さに驚きの声もあがりました。48万人、本当に収容できたのでしょうか?取材リクエストにお答えします。(朝日新聞 松戸支局 小渕明洋記者)
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先日の台風18号で千葉県松戸市の21万世帯48万人に避難勧告が出ました。全員避難できる場所はあるの?
台風18号が接近した10月6日、千葉県松戸市では48万人に避難勧告が出されました。安全を考えての対応ですが、その人数の多さに驚きの声もあがりました。48万人、本当に収容できたのでしょうか?取材リクエストにお答えします。(朝日新聞 松戸支局 小渕明洋記者)
先日の台風18号接近で千葉県松戸市の21万世帯48万人に避難勧告が出たことが、ネットで話題となっていました。その理由は「48万人もの人数が避難できる場所なんてあるのか」ということなのですが、実際に避難先が用意されていたのかどうかについて取材していただけますでしょうか? Norihisa Hakamaya
台風18号が接近した10月6日、千葉県松戸市では48万人に避難勧告が出されました。安全を考えての対応ですが、その人数の多さに驚きの声もあがりました。48万人、本当に収容できたのでしょうか?取材リクエストにお答えします。(朝日新聞 松戸支局 小渕明洋記者)
松戸市では午前7時30分に避難準備情報を発令し、台風の接近に備えていました。そして午前10時20分、避難準備情報を避難勧告に切り替えました。松戸市の人口は約48万人。避難勧告は市内全域に出されたので、対象は全市民に及びました。
避難勧告は、主に崖の近くに住む人や低地で浸水の危険がある地域を想定していました。「周囲の安全を確認し、自宅の2階以上など安全な場所か、開設した避難場所に、速やかに避難してください」という内容でした。
松戸市が実際に開設した避難所は各地域の市民センターや一部小中学校など23カ所でした。危機管理課によると、今回の市民センターを中心にした23カ所の収容人数は「1万人もいかないと思う」とのこと。つまり、48万人全員が本気で避難をしていたら足りていなかったことになります。
松戸市では昨年10月の台風26号の際、未明に避難勧告を出すタイミングを逸したまま床上86棟、床下230棟などの被害が広がった反省がありました。今年の台風18号は接近スピードが速かったことで細かな区域を精査する余裕がなかったことなどから、いきなり全市域を対象に出してしまったようです。
安全を重視した結果の避難勧告ですが、台風18号では松戸市のように収容人数を超える人数を対象にしたり、実際に避難した人がほとんどいなかった地域があったりと、反省点も残しました。
牛山素行・静岡大学防災総合センター教授は「空振りを恐れずに出すことは間違ってはいないが、いきなり市内全域に発令するなど、安易な例も目立つ。明確な基準と事前のシミュレーション、丁寧な情報提供が必要だ」と指摘しています。