お金と仕事
買い物お付き合い有料サービス、勝算は? 活況マッチング業界に挑む
有料でショッピングに付き合ってくれる人を紹介するネットサービスがスタートしました。買い物のお付き合いにお金なんて・・・そんな疑問が出てきそうですが、空いた時間や特技、資産を生かすマッチングサービスは急成長分野。果たしてその戦略とは?
お金と仕事
有料でショッピングに付き合ってくれる人を紹介するネットサービスがスタートしました。買い物のお付き合いにお金なんて・・・そんな疑問が出てきそうですが、空いた時間や特技、資産を生かすマッチングサービスは急成長分野。果たしてその戦略とは?
空いた時間や特技、資産を生かすことで急成長しているマッチングサービスに、新たなプレイヤーが登場しました。有料でショッピングに付き合ってくれる人を紹介するネットサービス「ファッションアテンダント」です。買い物のお付き合いにお金を払うなんて・・・そんな疑問が出てきそうですが、果たして、どんな戦略があるのでしょうか?
時間や場所を効率的に使うマッチングサービスでは、ロゴのデザインなどプロジェクト単位の仕事を仲介する「クラウドソーシング」が有名ですが、ほかにも色んなサービスが育っています。
黒塗りのハイヤーを呼べるアプリ「Uber」は、スマホ上で運転手の名前や顔写真、到着時間が確認でき、乗車後は採点もできます。採点結果は次に呼ぶ際の参考になります。精算もスマホ上でクレジット決済で済ませられるので財布を出す必要がありません。2010年のサービス開始から4年で世界31カ国に広がっています。
「Airbnb」は空き部屋を有効活用するマッチングサービスです。旅行者と現地の空き部屋を結びつけることで、急成長しました。今では大手ホテルチェーンをしのぐ規模になっています。
大手企業もマッチングサービスには関心を示しています。KDDIは、起業支援プログラムで、花を贈りたい人と花屋を結びつける「sakaseru」を応援しています。お客のオーダーに合わせて、複数の花屋が提案し、希望の商品を手元に届けるサービスです。花屋は自分から提案できるので原価をコントロールできるのが特徴です。
「ファッションアテンダント」は、古着店を経営していた横路一樹さんが、2013年末にスタートさせました。1時間7500円、1時間半で1万円、2時間半で1万5千円の3コースが用意されています。
セールの情報に詳しかったり、状態のいい古着を選べたりできる人の目利きで、予算以上の価値がある買い物ができるのが売りです。店員ではない人に「似合っている」と言われて買い物できる満足感は、このサービスならではの価値になっているそうです。
男性が女性に付き合ってもらって買い物をするケースでは、「出会い系」のサービスにもなりかねません。そこで、細かな規定を盛り込んだ業務委託契約を結ぶことで、本来の目的以外の使われ方を禁止しています。
横路さんは現在、ファッション関係者のシェアオフィスを拠点に、知り合いの協力で作ったサイトをレンタルサーバーでまわして運営しています。「1年間は試行錯誤です」と言いつつ、サービスの可能性にはもちろん自信を持っています。
ファッションでスタートしましたが、すでに車や家電など他の分野への展開を考えています。「サービスを多くの人に知ってもらうことが重要。一度、なじみのアテンダントができれば、メールのやり取りでも成立させられる」。横路さんは、ノウハウのあるファッションを起点に、同じ仕組みのサービスを広げていければ、ビジネスとして軌道に乗せられると見ています。