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溺れたら「ウイテマテ」 21時間後に40キロ先の海岸で生還

いよいよ夏本番。今週末、海に行く人も多いのでは? そんなアナタに覚えておいてもらいたい言葉が「ウイテマテ」です。沖で行方不明になり、40キロ離れた海岸で21時間ぶりに見つかった男性が実践していた自己救助法です。海外でも注目されています。

出典: 朝日新聞デジタル

目次

いよいよ夏本番。今週末、海に行く人も多いのでは? そんなアナタに覚えておいてもらいたい言葉が「ウイテマテ」です。沖で行方不明になり、40キロ離れた海岸で21時間ぶりに見つかった男性が実践していた自己救助法です。海外でも注目されています。

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UITEMATEとは

出典:朝日新聞デジタル
水面に大の字になって仰向けで浮いた状態で、救助を待つ方法だ。水難学会長の斎藤秀俊・長岡技術科学大教授が2000年、運動靴が水に浮くほど軽い素材を使っていることにヒントを得て、浮力を生かした方法を考えた。
朝日新聞デジタル

なぜ効果的なのか

溺れて助けを求めようとすると水中で立った状態になる。水面より上に出るのは頭の一部だけで、「助けて」と手を上げると体全体が沈み、最悪の場合数分後には心肺停止状態になる。

 「ういてまて」は、大きく息を吸って仰向けに浮かぶ「背浮き」で、水面から顔が出て息ができる。体を安定させるために腕は肩まで上げて広げ、靴は履いたままにする。学会副会長の田村祐司・東京海洋大准教授は「無理して泳がず、体を木の葉のように浮かばせるだけ。簡単な方法です」と話す。
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震災で子どもの命救う

元気よく海に向かう子どもたち
元気よく海に向かう子どもたち 出典:朝日新聞デジタル
03年から毎年講習会を開いている宮城県東松島市の小学校では、東日本大震災で児童が避難した体育館に津波が押し寄せた。その時、児童や教員が「ういてまて」を実践して助かった。指導してきた、水難学会員で認定指導員の安倍志摩子さんは「体育館での浸水という状況だったから助かったとも言えるが、日頃の取り組みが生きた」と話す。
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一晩浮き続け40キロ先の海岸で発見

静岡県伊東市沖で行方不明になった男性が、南に約40キロ離れた同県下田市の海岸で約21時間ぶりに見つかりました。

「浮いてさえいれば見つけてもらえる」と信じ、夜通し仰向けに浮き続けていたそうです。

まさに「ウイテマテ」を実践して助かった例です。

足にフィン(足ひれ)を付けていたが、水泳は25メートルを泳げる程度の技量。陸は遠く、鼻に水が入らないよう水中マスクで顔を覆って浮くことに専念した。気が遠くなり、眠ったときもあったという。

 28日午前、近くに砂浜の人影が見えたことから、「この機会を逃したらまずい」と仰向けでゆっくり手足を動かした。下田市の白浜海岸近くの岩場にたどり着き、駆けつけたライフセーバーに名前や住所を告げたという。

 下田海保は、体力を温存したことが生還の理由だと説明。「けがもなく海岸にたどり着けたのは奇跡的だ」と話している。
朝日新聞デジタル

世界にも広がっています

「ういてまて」は、アジア諸国にも広がっている。11年5月、ベトナムで開かれた世界溺水(できすい)予防学会で斎藤教授らが紹介したところ、注目を集めた。「UITEMATE」が日本語のまま広まっている。

 翌年6月には、海外の水難救助の専門家が集まり、国際フォーラム「UITEMATE2012」が東京で開かれ、スリランカやフィリピン、米国などから指導員講習会に参加した。昨年はタイでフォーラムを開催。タイでは13年に養成講習会が20回開かれ、約1千人が指導員になった。今年は11月にインドネシアでフォーラムが開かれる。

 スリランカではライフセービング協会が中心となり、本格的に「ういてまて」を広めている。研修を受けた救急隊員や水泳指導員が、学校などで講習会を開いている。
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もちろん酔泳はダメです

逗子海水浴場前にはバーベキューや入れ墨露出の禁止を示す横断幕が掲げられている
逗子海水浴場前にはバーベキューや入れ墨露出の禁止を示す横断幕が掲げられている 出典:朝日新聞デジタル

海上保安庁が発表した、海の事故と飲酒に関する資料があります。

お酒を飲んだあとに泳いで、おぼれた人45人のうち28人が死亡または行方不明になっています(平成25年のデータ)。

つまり3人に2人ということです。

海上保安庁は今年から「酔泳注意」と呼びかけています。

サントリーの新聞広告のコピー文「酔泳禁止」に由来するそうです。

飲酒すると判断力が鈍り、運動機能も低下します。

陸の上でも自分をコントロールできなくなってしまうのですから、海はなおさら危険です。

飲酒禁止の海水浴場も

逗子市はこんな市条例を制定しました。

▽海の家以外での飲酒やバーベキューの禁止
▽入れ墨(タトゥー)の露出禁止
▽音響機器を使った音楽の禁止

海の家で大音量の音楽を流して客が踊る「クラブ化」が進んだことなどが背景にあります。

それで来場者は?

海開きから2週間余の来場者は約1万3千人と、昨年同時期の約7万4千人から激減した。海の家にとっては、条例で営業時間が2時間短縮されたことも重なり、大打撃だ。「利益は昨年の1~2割」と業者でつくる逗子海岸営業協同組合の原敦代表理事(44)。音楽禁止や営業時間の短縮は「表現や営業の自由」を侵害するとして、逗子市を相手に裁判も起こしている。
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おさらい、泳ぐときの注意点

様々な規制がかけられた逗子の海岸
様々な規制がかけられた逗子の海岸 出典:朝日新聞デジタル

海上保安庁がまとめた、海で泳ぐときの注意点です。

【体調管理を万全に】
睡眠不足及び疲労蓄積の状態や病気による体調不良の状態では、判断能力や運動能力が低下し、遊泳中の事故に遭う危険性が高まります。体調を整えて泳ぎましょう

【遊泳禁止場所では泳がない】
急な深みのある場所や流れが速い場所などの危険な場所の多くは遊泳禁止となっているので遊泳はやめましょう

【悪条件の海での遊泳中止判断】
波が高いと感じる場合、風が強いと感じる場合など遊泳条件が良くないと感じるときは、無理をせずに遊泳を中止しましょう

【小さな子どもから目を離さない】
保護者同士での会話などに夢中になり、子どもから目が離れることがないようにしましょう

【離岸流に注意】
沖に向かう流れに注意しましょう。もし流れに入り込んでしまった場合は、慌てずに岸に平行に泳ぎ、流れから抜け出しましょう

【飲酒後の遊泳に注意】
飲酒による判断能力や運動能力の低下などにより、遊泳中の事故に遭う危険性が高まります。飲酒後の遊泳は控えましょう


自分は大丈夫なんて思ってませんか?

子どもや友人と海に行く約束をして、前の日に遅くまで残業。

短い睡眠で長距離ドライブして、海に着いてお酒で一息(もちろん帰りは別なドライバーですよ)。

ありえない話じゃないですよ。

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