話題
ボツゆるキャラ「かつ江さん」が伝えたかったこと
批判が相次ぎ公開中止に追い込まれた戦国時代の鳥取城籠城戦のマスコットキャラ「かつ江さん」。考案者の男性が重い口を開きました。「かつ江」さんが伝えたかったことは・・・
批判が相次ぎ公開中止に追い込まれた戦国時代の鳥取城籠城戦のマスコットキャラ「かつ江さん」。考案者の男性が重い口を開きました。「かつ江」さんが伝えたかったことを聞きました。
２日で公開中止
７日の公開以降、ネット上の掲示板やツイッターで「悲劇をネタにしている」といった否定的な意見が相次ぎ、市教委にも「飢餓をちゃかすようなキャラだ」などと批判のメールが４件寄せられた。
鳥取城キャラ・かつ江さん公開中止 「悲劇をネタ」の声：朝日新聞デジタル
鳥取市の餓死系ゆるキャラ「かつ江（渇え）さん」が怖すぎる - おさんぽ - Jタウンネット 鳥取県 http://t.co/uOHDF0bagj色んな意味で全然ゆるくない！(;ﾟдﾟ)
— 吉川未来 (@39_miku_1012) 2014, 7月 11考案者の男性に直撃してみた
男性は鳥取市在住で建築事務所を営む。歴史や城めぐりが趣味だという。
考案者「かわいそう」 公開中止の鳥取キャラかつ江さん：朝日新聞デジタル
そんな男性が伝えたかったこと
「美談の裏に悲惨な状況があったことは、地元でも知っている人が少ない」
考案者「かわいそう」 公開中止の鳥取キャラかつ江さん：朝日新聞デジタル
美談って？ 悲惨な状況って？
美談 城主が自害して領民を救った
秀吉軍の兵糧攻めで食べ物がない鳥取城内は人の肉さえ口にする地獄絵図だったと伝わる。経家は数千の兵の命を助けることを条件に自刃した。法要は、責任感の強さと散り際のいさぎよさを併せ持つ経家を慕う鳥取市の歴史愛好家が企画。
2010年10月22日：「吉川経家大法要、歴史好き参加を ２４日、鳥取」朝日新聞紙面から
悲惨 最も厳しい戦法が兵糧攻め
完全に外との交流を遮断してしまう兵糧攻めは一見、穏やかにも見えるかもしれない。だが、実は最も厳しい戦法だ。長期にわたると非常に残酷で悲惨きわまりない結末をもたらす。保存していた食糧は次第に少なくなってくる。１日の食糧は１人当たりどのくらいと決めていても、破る者が次々に出てくる。これを阻止しようとして争いが起こる。
2002年4月12日：「秀武の寝返り 金野静一（奥州藤原氏の興亡：２１）」朝日新聞紙面から
「いきさつを知ってもらうきっかけに」
「吉川経家（きっかわつねいえ）の自害で多くの命が助かったいきさつを知ってもらうきっかけになれば」
考案者「かわいそう」 公開中止の鳥取キャラかつ江さん：朝日新聞デジタル
カエルにも意味があった
名前は兵糧攻めが「渇（かつ）え殺し」と呼ばれることから浮かび、手に持つカエルは経家の辞世の句からとったという。
考案者「かわいそう」 公開中止の鳥取キャラかつ江さん：朝日新聞デジタル
「ちゃかしたわけではない」
電子メール３８件のうち３２件は「飢餓をちゃかしている」といった批判だったが、男性は「かわいく描いたつもり。ちゃかしたわけではない」と否定する。
考案者「かわいそう」 公開中止の鳥取キャラかつ江さん：朝日新聞デジタル
賛同の声も
ええやん、鳥取城のキャラクター、「かつ江さん」。俺、不勉強で恥ずかしながら、かつ江さんのおかげでそういう悲惨な歴史を知ったし。これを公開中止するコト自体が、それこそ、伝えていくべき次の世代に対しての史実の兵糧攻めやろ。
— ほっしゃん。 (@hosshyan) 2014, 7月 11
