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お金と仕事

朝刊が届くまでの険しい旅路、新聞印刷の毎日はこんなにスリリングだ

朝日プリンテック 【信頼を刷る】シリーズ Vol.1 工程管理編

PR by 朝日プリンテック

目次

毎日、ポストに届く新聞を製作する現場のこと、ご存じでしょうか。朝日新聞の印刷の多くを担っているのは、朝日プリンテックという印刷会社。印刷会社の仕事といっても、ただ輪転機が刷るだけでは? と思われがちですが、そこにはスムーズに新聞を届けるために、経験と忍耐力と瞬発力を発揮する人たち、それぞれの熱いストーリーがあります。朝日プリンテックの現場から、社員の方に登場していただき、印刷業界のドラマを語ってもらいました。(全3回シリーズ)

【お話を聞いた人】
東京工程管理部 小川喜輝 さん
2003年朝日新聞社入社。朝日プリンテック東京工程管理部のなかで「輸送グループ」を担当。

新聞を積んだトラックを送り出しても気が抜けない

——朝刊は夜の間に印刷して早朝に届けるように輸送されますね。その工程管理というのは、どんなことをするのですか?
 
工程管理は紙面が出来上がって印刷に回すいわゆる「降版」から、工場での印刷状況、トラックの出発から配送が完了するまでを管理します。もちろん事前の調整も必要で、印刷工程を中心にその業務は多岐にわたります。当日の状況判断や多岐にわたる事前調整は紙面グループ、工程グループ、私の属する輸送グループの三つのグループで分担しています。紙面グループは降版や紙面の送出状況、工程グループは各工場での印刷状況、そして私が今担当している輸送グループは、配送状況をみています。輸送グループはどの工場で何部刷り、それをどのトラックでどういうルートで販売所まで運ぶかを事前に調整しますが、毎日決まったことをしていればいいわけではなく、記事の遅れや機械の不具合、天候や交通などさまざまな状況に対応していきます。
 
——確かに、いつも同じように原稿が来て、同じように道路がスムーズに通行できるわけではないですよね。輸送工程はどのように管理しているんですか?
 
朝刊を刷り終わって、各地の販売所に向かうトラックに新聞の束を載せるのが深夜の1〜2時なのですが、その後の配送状況をみるには2014年に導入した動態管理システムを利用しています。何百台もある各トラックが今どこを走っているか、それぞれリアルタイムで画面に表示されるものです。どこで何分間停車していたかもわかるんですよ。その日の道路状況はギリギリまで各方面の情報を集めているのですが、それでも突然の天候不順や事故渋滞など、何が起こるかわかりません。このシステムを導入して、「トラックが今どこを走っているのか?いつ着くのか?」という問い合わせにも対応できるようになりました。工程管理は、トラックが早朝の販売所に到着するまで、緊張の続く仕事です。そして、朝9時からは夕刊帯の業務が始まります。新聞印刷は、24時間休みなく続いている仕事なんです。

大雪で朝刊が着かない? アクシデントに一晩中奔走

——これまでに、朝刊が届けられないということはありましたか?
 
東日本大震災の時は、道路が通行できないという、その情報さえ正確に来なかったので、とにかく出発して、行けるところまで行きました。また、予期できない渋滞もありますし、新聞を積んだトラックが立ち往生してしまうような事故もあり得ます。それでもほかの方法を考えて届けるのが私たちの仕事です。
 
——ほかの方法というと?
 
最近の例では、2020年の12月に、信越地方に記録的な大雪が降りましたよね。あの時、関越道で立ち往生する車の列がニュース映像でも流れたことは記憶に新しいと思います。新潟向けの新聞は群馬県藤岡市でも印刷しますが、その日、当然降雪のことはわかっていたので、降版を早めすぐに出発し、新潟方面に向かっていました。しかし、午前1時頃の動態管理画面はトラックがノロノロ運転になっていることを示していました。並行する国道17号線も通行止めとなった中、新潟の読者に朝刊が届かないという事態は何があっても避けなければならないので、あらゆる情報を集めて対策を考えていると、一般の人のTwitterに、「磐越道で新潟に抜けられた」というのを見つけたんです。
 
——Twitterですか! 
 
道路交通情報よりTwitterのほうが早いこともあるんです。その時点で印刷を終えかけていた仙台工場に連絡し、新潟に届ける分を増刷してもらい、新たに手配したトラックで、磐越道経由のルートを示し、運んでもらいました。なんとか新潟に朝刊を届けることができたんです。ノロノロ運転だった元々のトラックは、関越道が完全にストップする前に渋滞を抜けて、仙台からの便がとどいた後で着きました。でもそれを待っていたら、どれだけ遅れるかわかりません。先回りして最悪の事態を避けて良かったと思います。

新聞の価値は、決まった時間に届く安心感にもある

——工程管理は、輸送だけではないですよね。工場の中でも日々対応が必要なことはあるんではないでしょうか。
 
そうですね。大きな輪転機が1分間に500〜1500部を刷っていて、その間にも新しい情報が入ったから版を入れ替える、とか、紙に汚れが発生したから止めて刷り直すとか、いろいろなことが起こります。そこで可能な限り決まった時間に届けるために、最善の方法を考え、実行していくのも仕事です。

 
——本当に気が安まる時間がないですね。それでも、この仕事をしていて良かったと思うのはどんな時ですか。
 
私たちが夜じゅうどんな対応をしていても、朝刊が朝届くのは当たり前のことですし、読者のかたはその過程について考えることはないでしょう。でも、朝、新聞が届くことを一日のリズムにしている、そんなご家庭があるのは素敵なことだと思うんです。いつもの時間に、汚れやミスのない、正確で完全な状態の新聞を届ける。そこに携われたことに「今日は良かったな」と満足しています。ウェブでもニュースは見られますが、紙を広げて読みたい情報もある。価値あることだと考えています。
朝日プリンテック 【信頼を刷る】シリーズ(全3回)
Vol.2 「色へのこだわり」編 
Vol.3 「社内連携」編
 
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